カリフォルニア州
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北はオレゴン州、北東はネバダ州、南東はアリゾナ州に接し、南はメキシコバハ・カリフォルニア州に接している。地理的には太平洋岸から東のシエラネバダ山脈まで、南東はモハーヴェ砂漠、北西にはセコイアベイマツの森林がある。州の中央には世界でも最高水準の生産性の高さを誇る農業地帯、セントラル・バレーがある。アメリカ合衆国本土として、標高が最高の地点(ホイットニー山)と最低の地点(デスバレー)がある。面積のおよそ40%は森林であり[4]、乾燥した地域としては森林が比較的多い[注 2]

18世紀の後半から「アルタ・カリフォルニア」と呼ばれた地域はスペイン帝国の植民地となった。1821年にアルタ・カリフォルニアを含みメキシコ第一メキシコ帝国となって帝政を布いた後に共和国に変わった。1846年ソノマにいたアメリカ人開拓者の集団がカリフォルニア共和国の独立を宣言した。その直後の米墨戦争の結果、メキシコはカリフォルニアをアメリカ合衆国に割譲した。カリフォルニアは1850年9月9日にアメリカ合衆国第31番目の州となった。

19世紀半ばの「ゴールドラッシュ」によって、カリフォルニアでは社会、経済および人口に劇的な変化が起こった。人々が流入し好景気が訪れたことでサンフランシスコはテントの集まった小村から世界にも知られたブームの街に成長した。20世紀初期の重要な発展としては、娯楽産業の中心としてのロサンゼルスの勃興と州全体に広がる巨大な観光産業があった。豊かな農業に加えて航空宇宙産業石油産業および情報技術産業が経済発展に貢献した。特にサンフランシスコ近郊のシリコンバレーは、AppleGoogleAlphabet)、FacebookMeta)などの世界トップクラスのIT企業が多数集積している。

カリフォルニア州が1つの国家であるとすると、GDPではイタリアに匹敵する第10位である。人口でも第35位、国土では第59位になる。

カリフォルニア州では、歴史的に一部地域で分離・独立を繰り返し目指す動きが見られる。1800年代から2011年までに少なくとも27回独立が試みられ、すべて失敗に終わっている[5]
歴史詳細は「カリフォルニア州の歴史」を参照「スペインによるアメリカ大陸の植民地化」および「メキシコ独立革命」も参照

サンフランシスコ・ベイエリアを中心とする北部と、農業が盛んな中部、ロサンゼルス?サンディエゴ帯を中心とする南部に分かれる。ベイエリアにはシリコンバレーが含まれ、全米で最も経済的に進んだ地域のひとつである。ロサンゼルスハリウッドを抱えるなど、エンターテイメント産業の世界的中心である。

アジアメキシコに近いため、移民が多い。移民はそれぞれの居住区に固まる傾向が強く、「民族のサラダボウル」という形容が当てはまる。チャイナタウンコリアンタウンリトルトーキョー、リトルサイゴン(英語版)、リトルインディア(英語版)などが有名である。なかでも隣接したメキシコからの移民が多く、スペイン語は州準公用語となっている。

南部の多くはかつてメキシコの領土で、元々はスペイン人によって開拓されたが、1848年米墨戦争の結果、ニューメキシコとともにメキシコからアメリカに1,500万ドルで割譲され、アメリカ領となった(同時にテキサスのアメリカ領有も確定した)。そのため、カリフォルニア州にはスペイン語由来の地名が非常に多い。

後にアメリカ合衆国大統領となった、ロナルド・レーガンカリフォルニア州知事を経験している。2003年10月には、俳優オーストリア生まれのアーノルド・シュワルツェネッガーが州知事に当選し、2011年1月まで務めた。
名称の由来

「カリフォルニア」という名称は当初、今日のカリフォルニア州に加えてネバダ州、ユタ州、アリゾナ州およびワイオミング州の一部とメキシコのバハ・カリフォルニア半島からなる地域を指していた。

カリフォルニアの語源は黒人のアマゾン族の人々が住み、女王カリフィア(恐らくはカリフが語源[6])が支配する空想上の天国から派生したというのが最も普通に信じられている。カリフィアの神話は、スペイン人作家のガルシ・ロドリゲス・デ・モンタルボによって騎士道物語『アマディス・デ・ガウラ』の続編として書かれた1510年の作品『エスプランディアンの武勲』に記録されている[6][7][8]。モンタルボに拠れば、女王カリフィアの王国はグリフォンなど奇妙な怪獣が住み、金が豊富な遠隔の土地であるとされていた。ご存知のようにインド[注 3]の右手にはカリフォルニアという名前の島があり、地球上の天国の一部に大変近い。黒人の女性が住んでおり、一人も男は居ない。アマゾン族の様式で生活している。彼女達は頑健な体をしており、強く情熱的な心と偉大な美徳がある。この島自体は目立つゴツゴツした岩のために世界でも最も荒々しい島の1つである。その武器はすべて金で作られている。島のどこにも金や高価な石で溢れ、その上に他の金属は見つからない[9]

カリフォルニアという地名はアメリカ合衆国でヨーロッパ人が付けた地名としては5番目に古く、また今も使われているものである。エルナン・コルテスの命令で1533年にバハ・カリフォルニアの南端に上陸したディエゴ・デ・バセラとフォルトゥン・ヒメネスが率いたスペイン遠征隊によって「カリフォルニア島」と命名された[注 4][10] が、のちにそれは半島であることが判明した。
地理詳細は「カリフォルニア州の地理」を参照

アメリカ大陸の西部、シエラネバダ山脈の西側の太平洋に面した地域である。面積は3番目に大きな州で、日本の1.1倍の広さである。南北に長い形状で、北部はオレゴン州に、東側はネバダ州アリゾナ州に隣接している。最南端の都市サンディエゴにはメキシコとの国境があり、不法移民の入国が社会問題となっている。


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