カリスマ
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カリスマ的先導者の失敗はカリスマ信仰への裏切りとなり、往々にして追従集団の急速な解体が生じる[14]。にも関わらず現代に至るまで人がカリスマを強く求めるのは、超常現象(不思議現象)に強く惹かれることに由来するからであるとされる。

人は繰り返す日常に退屈しやすく、絶えず非日常へと誘われる性質を持っている。そしてカリスマは非日常への誘いとなる。故にカリスマ的人物(新たな「恋愛」対象者)は、非日常的である方が好都合である。非日常世界を求める者にとっては、珍奇で周囲から変わり者と思われる人物の方が魅力的に映り、端正な人物の言葉は「正しい」だけで魅力を感じない。そしてカリスマに引き寄せられた者は、自己と向き合うことを避け、検証能力を持たなくなる(カリスマに自己を委ねる)。カリスマが批判された場合は、それをカリスマの聖性の証明と受け取る。この時点で日常的判断は手放され、カリスマ的人物の意向のまま徹底して信者は追従していくこととなる。

だが日常を退屈に思う心理機構は、過敏な感性を持つ反面、怠惰な性質の者に多く発生する。実際には同じ出来事が同じ状況で繰り返されることも、昨日と同じ今日という時間も在り得ない。退屈な“終わりなき日常”を変革し得るのは、自己の意識のみである。過敏な感性は先天的だが、豊かな感性は学習によってしか生み出されず、また豊穣な個人的体験は、その個人の社会への参加水準に比例しているという[15]
宗教的概念としてのカリスマ

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キリスト教神学

もとは、キリスト教用語として、『新約聖書』において、神からの天与の賜物の意味で用いられた言葉である[16]

ユダヤ教キリスト教の伝統においては、七十人訳聖書でこの語が神の賜物の意味で使われており、キリスト教用語としては紀元前から一貫して、神からの天与の賜物の意味である[16]カトリック教会では、ペンテコステの名称よりもカリスマの語が使われる[17]。 

この語は、新約聖書の諸書簡において知られている。キリスト教における「カリスマ」は、神からの恩寵、賜物である。ローマ1:11、5:15-16、6:23、11:29、12:6、第一コリント1:7、7:7、12:4,12:9,12:28,12:30,12:31、第二コリント1:11、第一テモテ4:14、第二テモテ1:6、第一ペテロ4:7にギリシャ語のこの語が出て来る。ローマ5:15は救いの恵みの賜物、6:23は神の賜物「キリスト・イエスにある永遠のいのち」、11:29は「神の賜物と召し」である[18]。御霊の賜物は第一に三位一体の神から与えられているもので、教会の益のために用いるべきものであると福音派では教えられている[信頼性要検証][19]カトリック教会では、キリストのからだの成長に協力できる者となるために与えられる恵みの賜物に、秘跡に固有の秘跡的恩恵と、カリスマの恵みがあり、それはすべて成聖の恩恵、教会の共通善、教会を築く愛を助けるためにあると教えている[20]

ドイツの教会法学者ルドルフ・ゾームは、『教会法』(Kirchenrecht)第1巻(1892年)のなかで、1世紀のキリスト教のエクレシア(集会)を説明・分析するために、この語を用いた。

1960年代以降にはカリスマ運動とよばれる宗教運動がみられる。
出典^ a b c 松村 2020a, p. 「カリスマ」.
^ a b c 松村 2020b, p. 「カリスマ」.
^ 『Oxford Advanced Learner's Dictionary』, "charisma".
^ a b 井上順孝編 『現代宗教事典』 弘文堂、「カリスマ」の項(執筆者・岩井洋)[要ページ番号]
^ 『ジーニアス英和大辞典』大修館書店[要ページ番号]
^ a b 小口偉一、堀一郎監修 『宗教学辞典』 東京大学出版会、1973年[要ページ番号]。
^ Liddell & Scot, An Itermediate Greek-English Lexicon, Oxford University Press.[要ページ番号]
^ 「ユーキャン新語・流行語大賞第16回1999年」自由国民社 - 2022年7月18日閲覧。
^ Strong's Concordance.[要ページ番号]
^ 「ブリタニカ国際百科事典」、2009年[要ページ番号]。
^ マックス・ウェーバー、世良晃志郎訳『支配の諸類型』、創文社、1970年。ISBN 442389405X[要ページ番号]
^ マックス・ウェーバー、『儒教と道教』、創文社、1971年。ISBN 4423492075[要ページ番号]
^ マックス・ウェーバー、世良晃志郎訳『支配の社会学』(I)(II)、創文社、1960年。ISBN 4423894017(1) ; ISBN 4423894025(2)[要ページ番号]
^ 「百科事典マイペディア」日立システムアンドサービス、2008年。[要ページ番号]
^ 高橋 1997, pp. 128?130.
^ a b

『ギリシャ語辞典』大学書林[要ページ番号]。

織田昭『新約聖書ギリシア語小辞典』教文館[要ページ番号]。

岩隈直『新約ギリシャ語辞典』[要ページ番号]。

『グランド現代百科事典』[要ページ番号]。

上智学院新カトリック大事典』[要ページ番号]。

広辞苑』[要ページ番号]。

^ 『現代カトリック事典』エンデルレ書店[信頼性要検証]。
^ 尾山令仁『ローマ教会への手紙』羊群社[要ページ番号]。
^

『羊群』2010年4月号講解説教「コリント教会への手紙1」[信頼性要検証]。


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