カラー_(映像制作会社)
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代表取締役には庵野、取締役には川上量生鶴巻和哉安野モヨコ轟木一騎、緒方智幸、田中美津子、小林浩康らが名を連ねる[2][3]

自社制作の長編アニメーション映画制作を旨としているが、スタジオジブリなどの他社制作の長編アニメーション映画やTVアニメの制作協力も行っている。2017年からは、テレビアニメ・テレビ番組・特殊映像の製作会社「ピー・プロダクション」の著作権管理窓口業務も行っている。

また、制作費に余裕を持つため会社として不動産投資も行っている。購入した不動産のリフォーム時には取締役で庵野の妻である安野モヨコが内装を決めている[4]

社名は、安野モヨコが命名した。を意味する英語の「Color」ではなく、ギリシア語で「歓喜」を意味する「χαρ?」に由来する[5][6][7]。また、同社の社名のロゴも安野モヨコが手がけている[2]
特徴
人材育成と労働環境の改善

代表取締役の庵野は「動画の人材育成をしないとスタジオの血が若返らない」と主張し、動画マンや新人の育成に注力する考えを表明している。庵野は「アニメーション業界全体を改善するのはかなり難しい」と指摘しつつ「せめて自分のできる範囲ぐらいは何とかしよう」と述べており、その具体策としては「安定した収入や保険など可能な限り環境をよくしたい」と語り、「賞与だけでなく社員旅行や福利厚生にも力を入れていく」としている。経営に関しては「社員の老後まで考えて、きちんとした会社を作っていく。社長として安定した経営を心がける」とし、「アニメーションや特撮といった文化を遺していく作業にも従事していきたい」と意気込みを述べている[2]
デジタル部

3DCGを内製化するためデジタル部門を有している。従来使用してきた3ds MaxからBlenderへの移行を進めている[8]。また、Blender財団への賛同と開発資金の提供を発表した[9][10]

現在の拠点に移転したことを機に日本ヒューレット・パッカードのITインフラを導入した[11]
ガイナックスとの関係

ガイナックスの初期から作品制作に参加し、その後取締役を務めていた庵野が独立して設立したスタジオである。彼は、当時のガイナックスの社内状況を鑑みて、構想していた新作を凍結、『新世紀エヴァンゲリオン』(以下『エヴァ』)のリメイクに踏み切るが、自身の意思を経営に反映して責任が取れる場所が必要であるという思いから、独立を決意したと記している[12]。独立に際して庵野が『エヴァ』の原作者であることはガイナックス側も了解し、彼が手がけた作品でガイナックスが収入を得た場合は、一定の比率でロイヤルティーをカラーに支払う契約を結ぶ一方、『エヴァ』の版権管理や商品化の窓口は引き続きガイナックスが持つ形としていた[13]

しかし、2012年頃からガイナックスからのロイヤルティー支払が滞るようになり、同社の経営陣から分割払の申し入れを受けた庵野は、これを了承した[13]。さらに、2年後には支払が進まない状況でガイナックスの経営維持を理由に1億円の融資を相談され、『エヴァ』の商品化窓口やロイヤルティーの分配業務の移譲を1年前倒しにすることと、計画通りの返済を条件に、無担保・無利子でそれに応じた[13]。『エヴァ』の版権は、2014年にカラーに移管された[14]

だが、2016年4月に支払や返済が再び滞り、カラー側からの問い合わせに対しても一切の返答がなかったことから、同年8月にガイナックスに対して債権仮差押えを申し立て(執行された)、9月に貸金の返還訴訟を起こす[15]。この裁判はカラー側が2017年に勝訴し、確定した[15]。一方でガイナックスが過去の制作作品の資料を売却していたことが判明し、カラーはそれらを入手して特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構」に管理を委託した[15]

2019年12月、当時のガイナックスの社長が不祥事で逮捕された際、『エヴァ』と同社を結びつける報道がなされたことに対し、カラーは「『エヴァ』は当社の作品で、現在のガイナックスとは無関係である」と抗議する声明を公式に発表している[16][17]。不祥事後にガイナックスの経営陣が刷新された際、カラーの版権管理会社「グラウンドワークス」の代表である神村靖宏が取締役社長に就任した[18]。この刷新後にガイナックス制作作品のうち『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』の著作権保有者がカラーに変更された[19]が、2023年にトリガーに譲渡された[20][21]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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