カラーコレクション
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このようなカットのことをシズルカットといい、よく表現できていることを「シズル感が出ている」等と表現する。
LUTの作成
映画やドラマなどでは、テスト撮影されてきた素材を使用して撮影監督や監督とその作品のルックを作り上げ、LUT(Lookup table)として提供する。撮影時にクルーの間で作品の最終イメージを共有するために、このLUTを撮影現場のモニターやカメラに適用する。ただしLUTは、撮影データには焼き込まず、モニター出力にのみ反映することが一般的である。このようなLUTのことを海外ではShow LUTと呼び、カラーグレーディング時のスタートポイントとして使用されることもある。
仕事領域

映像ができるまでの中で技術的な部分は、撮影現像(フィルムの場合)→カラコレ(テレシネ)→EEDMAの順が一般的である。カラリストは、撮影された素材に対してカラーコレクションをする。また、映画などの場合は、白完(「白完パケ」の略)といわれるテロップ無しの映画の完成形に対して、カラーコレクションをすることもある。その場合は、カットごとの色合わせや、全体的なトーンを合わせる意味合いが強い。最近では、カラーグレーディングシステムの進化に伴いグレーディング中に編集変え、合成やタイトル入れなども積極的に行うことが求められてきている。

また、撮影に立ち会うことはあまりないが、新しい手法を試す時などや、人によりアドバイザー的な立場として、撮影現場に同席することがある。
カラーコレクションとテレシネの関連性

20年ほど前まではカラーコレクション(カラコレ)のことをテレシネと呼んでいた時代があった。本来カラーコレクションとは、色補正のことであり、テレシネとは、フィルムをビデオ信号に変換することである。テレシネとカラーコレクションが関連付けされて使用されるのは、テレシネ作業と同時にカラーコレクション作業もするからである。

これは、テレシネ時にカラーコレクションをする方が、フィルムにある情報を余すことなくビデオ信号に変換できるからである。

現在では、フィルム撮影された素材はビデオ信号に変換するテレシネよりもフィルムスキャナーを使用して解像度2K?5Kの10bit?16bitの連番ファイルにデータ化し、グレーディングすることが一般的である。
使用するソフトウェア/機材

カラリストがカラーコレクションをする場合、専門の機材を使用することが多い。現在は、ファイルベースでノンリニアカラーグレーディングが主流のため、da Vinciなどのテレシネ時代のカラーコレクターは割愛する。
使用するソフトウェア

DaVinci Resolve (ダヴィンチ・リゾルブ) Blackmagic Design (BMD)社のノンリニアカラーグレーディング、動画編集、音声編集およびコンポジットソフトウェアで、オールインワンの複合機。2010年にBMDがda Vinci Systems社を買収し、DaVinci Resolveの開発を継続。BMDが開発を引き継いでからは、それまでコスト的に敷居の高かったカラーグレーディングソフトウェアを一般コンシューマーターゲットに広めるべく無料版を配布した。現在では、導入コストの安さからエントリーユーザーからプロまで広く普及しており、世界で最もユーザーの多いカラーグレーディングソフトウェアである。


Baselight(ベースライト) 英国FilmLight社のカラーグレーディングシステム。高度なカラーマネージメントシステムである「Truelight Colour Spaces」を搭載。全ての工程で一貫したカラーマネジメントを可能とするシステムを提供している。デイリー用システムである「Daylight」やMacOS用の「Baselight Conform」なども提供している。特徴の一つとして、他のグレーディングメーカーが、買収した他社のアプリケーションを統合していくのに対して、BaselightはAvid Media Composer、Autodesk Flame、Foundry Nukeなどのメジャーな他社アプリケーションにBaselightをプラグインとして提供するという戦略をとっており、BLGと呼ばれるグレーディングデータの交換やタイムラインの共有など、編集やVFXアプリケーションとレンダリングすることなくシームレスに高度な連携を図ることができる。また24時間365日対応のサポート体制や、細やかなアップデート対応もこのメーカーの特徴である。高価なため日本ではマイナーだが、北米や欧州ではハイエンドカラーグレーディングシステムとしての地位を確立している。


Autodesk Lustre(英語版) (オートデスク・ラスター、旧Colossus)。Autodesk社のカラーグレーディングソフトウェア。Autodeskが開発元のColorfrontを買収した。Autodesk Flameとの連携に対応している。なお、Autodesk Flame自身にも2018.3以降にセカンダリーカラーコレクションのためのAction Selectivesが搭載されている[6]ほか、Flame 2019以降にLustreのアルゴリズムを拡張したMasterGrade Matchboxが搭載されている[7]


ASSIMILATE SCRATCH(スクラッチ) ASSIMILAT社のポストプロダクション向けソフトウェア。ノンリニアカラーグレーディングに対応している。独自のタイムラインUIによりバージョニング管理が簡易である。北米や欧州ではブティックスタイルの小さなポスプロやDITが使用している。


Rio(リオ) ノンリニアカラーグレーディングシステム。「編集」・「合成」・「フォーマット変換」等の機能も有する。オールインワンの複合機だが、特に編集機能が独特で番組やアニメ編集で人気が高い。旧Quantel Rio←Pabro Rio。元々Quantelが開発していたが、QuantelがSnell社(英語版)を買収してSnell Advanced Mediaへと社名を変更し、その後ベルデンがSnell Advanced Mediaを買収して子会社のGrass Valleyへと合併させ、現在はGrass Valleyが開発を行っている。ソフトウェア版のRio Softwareとターンキー版のRio Turnkeyがある[8]




Media Composer 。Symphony Option (メディア・コンポーザー シンフォニー・オプション) AVID Media Composer用のカラーコレクションアドオン。Media Composer 。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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