カラス
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攻撃の場合は、多くは追跡威嚇行動が攻撃化し、「後方から舞い降りて頭を蹴りつけるか、頭髪をつかんで引っ張る」というものであり、怪我をした例は全体の17%であったという報告がある[12]

群れの形成住宅地の空き地に群れるカラス

巣立ち後も2?3ヶ月程度は家族群れを組んで生活する。

成鳥はつがいでほぼ一年中固定された縄張りを持つが、若鳥は群れで行動する。

繁殖中のつがいは巣の周辺でねぐらをとることが多いが、それ以外の個体は夜間人が立ち入ることのないよく茂った林や竹林に集団ねぐらをとる。近年では、公園の分布や面積に偏りのある都市ほど大群でねぐらをとる事例が多く発生している。
知能筒にある餌を棒で取り出す様子

前述のように昔から知能の高い動物として知られており、イソップ寓話には、瓶の中で水に浮く餌を取り出すために石を沈めて水位を上げる『カラスと水差し』という話が伝承されている。具体的には、以下のような例が観察されている。

ハシボソガラスが硬くて自分の嘴では砕けない食べ物を飛行場の滑走路防波堤、建物の屋上などの硬い場所に落として割る行動が見られる[注 4]。広島県では、カキ貝を落とす例もある。

道路にクルミを置き、自動車に轢かせて殻を割るという行動が、日本の都市でみられている[注 5]。1996年、神奈川県で鉄道のレール上にハシボソガラスが石を置くという事件が頻発した。「JRの人間に巣を撤去されたことに対する復讐として、列車転覆させようとしたのでは」と言われたこともあったが、実際は敷石(バラスト)の下にパンを貯食した際に、くわえ上げた石を偶然レール上に置きそれを放置することで起きていたというのが真相であった[13]

カラスが、と足の指を器用に使い、公園の水道の蛇口をひねって水を飲む様子が観察されている[14]カレドニアガラスのように、小枝を加工して道具を作る例もある[15][16]。雪の上でソリすべりをする[17]

の時期から人間に飼育された個体は、キュウカンチョウのように人間の言葉や犬の声などを真似ることもできるようになる[18][19]。アメリカガラスが9年半人間の顔を覚えていた事例もある[20]。また、ハシブトガラス[21]は人間の男女の顔写真を識別できる[22][21]

ワタリガラスは食べ物の存在場所の情報を夜に仲間と共有する[23]。カラスが少なくとも41語の言葉を持つことを利用し、日本の企業がカラス撃退装置を作っている[24]。「カラス語」を研究している国立総合研究大学院大学神奈川県葉山町)の塚原直樹助教によると次のようなカラス語がある[25]

「カ?カ?カ?」:カラスが餌を見つけ、仲間を呼び寄せる時に鳴く声。カラス語では「こっちに食べ物があるよ」という意味。

「カッカッカッ」:などの天敵が近づいてきたことを仲間に知らせたり、警戒する時に鳴く声。カラス語では「危険だよ」という意味。

「クア?クア?」:ねぐらに帰ろうとするカラスが発する鳴き声。「安全だよ」という意味。
ハシボソガラスの頭蓋骨


カラスの脳地図を調べた研究によると思考や学習、感情をつかさどる大脳が極めて大きいことや、大脳の中でも「巣外套」「高外套」といわれる知的活動に関係する部分が大きくよく発達していることが分かった[26][27]
天敵

カラスは大型鳥類のため天敵はあまり存在しないが、オオタカの中にはカラスを頻繁に捕食する個体が存在し[28]、その他の猛禽類キツネなども稀にカラスを捕食することがある。だが、カラスはこれらの天敵から逆に獲物を横取りすることも多く、また猛禽類に対しては頻繁にモビングを行う[29]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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