ハワード大学とカリフォルニア大学ヘイスティングス・ロー・スクールを卒業した[4]。アラメダ郡の地方検事局でキャリアをスタートさせ、サンフランシスコ地方検事局後にサンフランシスコ市検事局に採用された。2004年に第27代サンフランシスコ地方検事(英語版)に選出され、2011年まで務めた[4]。 2010年にカリフォルニア州司法長官(英語版)に当選したハリスは、2014年に僅差で再選された。同年にユダヤ系白人の弁護士であるダグ・エムホフと結婚した[4]。
州司法長官を2期務めている間に民主党内で新進気鋭の若手として話題となり[4]、2016年の上院議員選挙でロレッタ・サンチェス(英語版)を破り、現職のバーバラ・ボクサー(英語版)上院議員の後任として、カリフォルニア州で3人目の女性上院議員となった。黒人女性が上院議員になるのは彼女で2人目であった[4]。 上院議員としてハリスは単一医療保険制度・大麻の連邦政府による合法化・不法移民のための市民権への道・DREAM法・暴行武器の禁止・累進課税制度を支持してきた。また公聴会における検察官らしい質問の仕方も民主党左派から好評を博した。特に連邦最高裁判事に指名されたブレット・カバノーの承認公聴会での厳しい尋問ぶりや、ロシア疑惑捜査報告書についてウィリアム・バー司法長官を追及したのが話題になった[4]。
2019年1月に2020年アメリカ合衆国大統領選挙の民主党の大統領候補を選出する予備選挙に立候補し、2019年12月3日に予備選挙戦から撤退するまでの間、一時的にフロントランナーとなったこともあった[6]。その後、2020年8月11日に民主党のジョー・バイデンの副大統領候補に選出された。主要政党の副大統領候補としては初のアフリカ系(黒人)・アジア系アメリカ人であり[7]、ジェラルディン・フェラーロとサラ・ペイリンに次ぐ3番目の女性副大統領候補となった[8][9]。2020年11月3日に実施された2020年アメリカ合衆国大統領選挙に民主党の大統領候補であるジョー・バイデンの副大統領候補として出馬して当選を果たした[10]。1月20日の大統領就任式を経て副大統領に就任した[11]。初の女性・アフリカ系・南アジア系の副大統領である[12]。
来歴
生い立ち(英語版)(Shyamala Gopalan、1938年 - 2009年)は、1960年にアメリカに移民したバラモン階級に属するチェンナイ出身のタミル系インド人で、著名な乳がん研究者であった[13][14]。
父親のドナルド・J・ハリス(英語版)(Donald Jasper Harris 1938年 - )はジャマイカ人移民で、カリフォルニア大学バークレー校で経済学を修学する為に1961年にアメリカ合衆国に渡り、その後スタンフォード大学の経済学教授になった[19]。
カマラの名は、ヒンドゥー教の女神ラクシュミーの別名から名付けられたもので、サンスクリット語の「蓮の女性」(梵: kamal?、カマラー)に由来する。子供のころは、インドのチェンナイ市ベサントナガルにある母の実家に頻繁に訪れて、母方の祖父でありインドの外交官だった P・V・ゴーパーランと懇意にしていた[14][20]。ハリスが幼少期に住んだ家。
ハリスの唯一の妹であるマヤ・ハリス(英語版)(Maya Lakshmi Harris 1967年 - )は現在、弁護士で社会運動家である。妹の夫は、前アメリカ司法次官で現在Uberの法務部門を率いているトニー・ウェスト (弁護士)(英語版)(Derek Anthony "Tony" West 1965年 - )である[21][22]。
一家は両親の通う大学院があるカリフォルニア州バークレーに住んでいた[23]。大多数がアフリカ系アメリカ人の地域で、バプテスト教会の聖歌隊でハリスは妹と歌っていた[18]。ハリスは、バークレーの行政が行った包括的差別撤廃プログラムによるバス通学を利用して、バークレー北部のより経済的に豊かな地域に位置するThousand Oaks小学校に通った[24]。この小学校はもともと95%が白人だったが、差別撤廃計画が実行されてからは黒人の比率が40%まで増えた[25]。当時のバークレーでたびたび行われた公民権運動のデモにも、両親は子供を連れて参加していた[23]。ハリスが7歳のときに両親は離婚し、その後は妹とともに母親に育てられた[23]。それからハリスが12歳のとき、母子はカナダのケベック州モントリオールに移住した。母シャーマラはジューイッシュ総合病院(英語版)で研究しながらマギル大学で教鞭をとっていた[26][27]。
ハリスはモントリオールのウェストマウント高校を卒業した後、ワシントンD.C.のハワード大学で政治学と経済学を専攻した[28][29]。ここでソロリティであるアルファ・カッパ・アルファ(英語版)に入会する[30][31]。