カバ
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古くは hippopotamusが「海のウマ」と訳されることもあったようで、日本でも1862年の『英漢字典』・1872年の『英和字典』・1862年の『英漢字典』などでは hippopotamus の訳語を「海馬(うみうま)」としている[16]

ウガンダのエドワード湖ジョージ湖では個体密度(クイーン・エリザベス国立公園で1平方キロメートルあたり31頭に達することもあった)が高く、採食活動により湖岸の森林が消失し土壌が侵食された[4]。そのためアフリカ大陸では初めて野生動物の人為的管理計画として1962 - 1966年に生態的調査を行いつつ間引きが実施された[4]。これにより沿岸の植生が回復し他の動物の生息数も増加したが、間引きが停止すると状況は戻ってしまった[4]。ウガンダのクーデターによりこの試みは棚上げとなり密輸が横行するようになったが、本種の生態的知見はこうした計画による調査から得られたものも多い[4]

農地開発や湿地開発による生息地の破壊や水資源の競合、食用や牙用の乱獲などにより、1990年代から2000年代にかけて生息数は減少した[1]。2017年の時点では、以後は生息数は安定していると考えられている[1]。アフリカ東部や南部では地域によっては生息数が激減したものの、未だ生息数は多いと考えられている[1]。一方で2003年にコンゴ民主共和国では8年間で生息数が約95 %激減したという報告もある[1]。密猟・密輸されることもあり、特に政情が不安な地域では横行することもある[1]。1989 - 1990年には15,000キログラム、1991 - 1992年には27,000キログラムの牙が密輸されたと推定されている[1]。1995年にワシントン条約附属書IIに掲載されている[2]

日本では2021年の時点でかば科(カバ科)単位で特定動物に指定され、2019年6月には愛玩目的での飼育が禁止された(2020年6月に施行)[17]
カバ牙の利用
ワシントン条約で国際取引が禁止されている象牙の代替品として、カバの牙が印鑑や工芸品の高級素材として使われることがある[18]。アフリカ大陸北東部(要するにかつて生息していたナイル川周り)の民族には、水の精タウエレトとして崇められ、カバを象った面とカバの牙から作った呪い用の杖バース・タスク(英語版)を持って占いの儀式を行った[19]
コロンビア詳細は「コロンビアにおけるカバ」を参照

コロンビアにおいては、かつてパブロ・エスコバルが自宅の動物園で飼育するために密輸した、通称“コカインカバ”の子孫たち[20]が脱走・繁殖して問題となっている。
飼育

?殖力が高いため、多くの動物園は繁殖制限を行っている。また飼育下では肥満になりやすい為、野生行動を引き出す環境エンリッチメントや、適切な健康チェックが出来、飼育員との信頼関係も深まるハズバンダリートトレーニングに取り組む必要がある[21]

この節の加筆が望まれています。

かつて、移動動物園をしたカバヤ食品の「カバ子」は、後に「デカ」と改名されいしかわ動物園で飼育された[22]東山動物園のカバの番(つがい)「重吉」(2代目)と「福子」(初代)は19頭の仔をもうけ、日本国内最多産記録を作った[23]。技術の向上から、1997年に大阪市天王寺動物園では日本で初めてガラス越しに水中を歩くカバを観察できるカバ舎を製作した[24]。この展示スタイルは富士サファリパークの「ワンダー・オブ・ピッポ」なども追随している。また、神戸市立王子動物園はスロープの傾斜を緩くしたバリアフリーを配慮したカバ舎を2003年に造っている。
その他

名古屋鉄道関連会社の名鉄整備のCIとしてカバをモチーフにした「ヒポポタマス」というキャラクターを使用している。創業当時使用されていたボンネットバスの整備中の姿がカバに似ていたためこのキャラクターが生まれた。また自社が名古屋発祥で中部圏に広まった事と名古屋東山動物園で飼育されていたカバの重吉・福子の子孫が全国の動物園に広まっていたことにあやかって、ユーザーの事業が全国に広まるようにという願いもこめられている。[25]

1981年東武動物公園開園に当たり、上野動物園でカバの飼育で名を馳せ、漫画『ぼくの動物園日記』のモデルとなった西山登志雄が初代園長に就任し、「カバ園長」として親しまれた。

呼称

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出典検索?: "カバ" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2021年5月)

属名 Hippopotamus は、「カバ」を意味する hippopotamus (ヒッポポタムス)をそのまま用いたもので、大プリニウス『博物誌』等にも言及のある古い言葉である。さらに遡れば ?πποπ?ταμο? (ヒッポポターモス; < ?ππο? 「馬」 + ποταμ?? 「川」)であり、当時はナイル川下流でも見られたカバに対してギリシア人が命名したものであった。なお、オランダ語では、nijlpaard(< Nijl 「ナイル川」 + paard 「馬」)という。

日本語の「河馬」は近代になってこれを直接訳したか、もしくは、ドイツ語で「カバ」を意味する Flusspferd (< Fluss 「川」 + Pferd 「馬」)を訳したもの。
出典[脚注の使い方]^ a b c d e f g h i j k l m Lewison, R. & Pluha?ek, J. 2017. Hippopotamus amphibius. The IUCN Red List of Threatened Species 2017: e.T10103A18567364. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2017-2.RLTS.T10103A18567364.en. Downloaded on 02 May 2021.
^ a b UNEP (2021). Hippopotamus amphibius. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. [Accessed 02/05/2021]
^ Peter Grubb, " ⇒Hippopotamus,". Mammal Species of the World, (3rd ed.), Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 637 - 722
^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t Richard M. Laws 「カバ」斎藤勝訳『動物大百科 4 大型草食獣』、平凡社、1986年、62 - 67頁。
^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae 佐川義明 「安定した水中生活を営む カバ」『動物たちの地球 哺乳類II 6 イノシシ・カバ・キリンほか』第9巻 54号、朝日新聞社、1992年、164 - 166頁。


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