カネゴン
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カラーライズ版『総天然色ウルトラQ』では、放送当時のイベント写真や劇中の「銅貨のように赤光りして」というセリフをもとに、体色は赤い銅色で仕上げられた[8][3]

本話は、佐原健二らレギュラー陣がまったく登場しない唯一のエピソードである。また、オープニングテーマ曲と石坂浩二のナレーションが使われないのは、同じく中川の監督エピソード「育てよ!カメ」に続き、放映順でともに2回目である。

『ウルトラQ』は劇場映画用と同じ35mmフィルムで撮影していたが、中川は16mmの調子でカメラを回し続け、他の監督から「フィルム喰いのハルゴン」とあだ名を付けられた[27]

本話は作家・演出家の鴻上尚史に「カネゴンの存在が自然に受け入れられているストーリーは画期的で素晴らしく、お金に執着するのはやめようと思った」との旨で評されているほか、「凄く不条理な世界であるが、いわゆる説教話に収まらない、当時の不条理文学の世界に通じるものがある」との旨を述べられている[19]。また、経済アナリストの森永卓郎にも「私の金融観を作ったといっても良く、お金はこういうものだと教えてくれた」との旨で評されているほか、「カネゴンがお金を食べると胸のカウンターが増えるのが本当に衝撃的で、お金中毒者や金融資本主義は駄目だと子供の時にすり込まれた」との旨を述べられている[19]

『ウルトラマンZ』に登場するカネゴン

諸元カネゴン
KANEGON
[28]
別名コイン怪獣
身長2 m[出典 6]
体重200 kg[出典 6]
出身地不明[28][30]

ウルトラマンZ』第13話「メダルいただきます!」に登場。

無邪気な性格。空腹になると死にはしないが動けなくなる。ストレイジ本部にて当直中だったナツカワハルキのもとへ突如出現し、ウルトラメダルをお金と誤認して食べてしまう[出典 7]。その際にウルトラマンゼットの戦いの記憶を読み取ったうえ、各形態の話題を挙げるたびにその変身に必要なメダルが反応し、くしゃみによって排出するようになったため、ハルキからゼットについての話を聞かされ続けた結果、ゼットのファンになる[30][注釈 5]。減り続けるメーターや隊員たちとの遭遇の危機をハルキの奮闘で回避しながら最終的にはメダルをすべて吐き出し、ハルキに別れを告げて本部から立ち去っていった。

声:福圓美里[29]

スーツアクター:横尾和則[29]

本作品のキーアイテムがメダルであったため、カネゴンを出すこととなり、「カネゴンがメダルを食べて焼失する話」という事件性のあるドラマとなった[32]

口の中をユカが覗き込むシーンは、スーツの頭を外した口の中にGoProを突っ込んで撮影している[32]

第13話は、ニュージェネレーションヒーローズシリーズのチーフ助監督を務めてきた内田直之の初監督作品でもある[33]。カネゴンの登場は内田のこだわりによるものであり、メイン監督の田口清隆に「恒例の総集編13話を、絶対ただの総集編にはしないという熱意が伝わる素敵な回でした」と評されている[34]

オオタユカ役の黒木ひかりとは本編での共演が果たされなかったが、2020年11月4日に発売された漫画雑誌『別冊ヤングチャンピオン』12月号では表紙とグラビア、撮影メイキングムービー(付録DVDに収録)を共に飾っており、「モデルとの共演で漫画雑誌の表紙を飾るのは53年ぶりの珍事」という旨が報じられている[35][36]

『大怪獣バトル』シリーズに登場するカネゴン

データカードダス『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS』に登場。

普段は等身大だが、本シリーズでは懐から「スペシャルコイン(または宇宙コイン)」と呼ばれる特別な金を食べて巨大化するという独特の登場プロセスが存在する。漫画『ウルトラアドベンチャーNEO』によれば「巨大化した後は特にお腹が減っちゃう(カネゴンのエネルギーである金の減少)」ことに加えて体力を消耗して倒れることもあるので、劇中では追い詰められた時にしか使わない。

『EX』では主人公とピグモンの前に顔見せ程度で登場。レイオニクスでありレッドキングを所持しているが、うまく扱えていない。

『NEO』からはナビゲーター的なキャラクターとして登場。自分のバトルナイザーを狙う宇宙人たちに追いかけられ、突如出現したワームホールでウルトラマンティガのいる世界(カネゴンや他の怪獣、ティガ以外のウルトラ戦士はテレビのキャラクターと認識されている世界)にやってくる。その時主人公と出会い、彼にバトルナイザーを扱える素質を見て預け、以後、主人公と行動を共にする。

もともと金目当てでバトルナイザーを高く売ろうとしていたらしく、100万円で買い取ろうとするテンペラー星人にさらに高い金額を要求したり、レイブラッド復活を阻止しようとするヤプールのバトルナイザー破壊を無視して、逆にバトルナイザーを売ろうとしたり、ウルトラセブンからはぐれたアギラをバトルナイザーに収容して友達にするが、セブンの方へ持って行ったらいくら金をくれるかと考えるなど、金や商売のことばかりが頭の中に入っているようである。

バトルナイザーは途中からネオバトルナイザーへと形を変え、手持ち怪獣はレッドキングとアギラである。実は彼の持つバトルナイザーにはレイブラッド星人が復活するための憑代として、レイモンの姉であるケイトが使役していたゼットン復活の繭が仕掛けられていており、主人公の戦いの中でエネルギーを吸収し、EX化して孵る。

EX第6弾より怪獣カードとして参戦する。元々戦闘能力のない怪獣なのでステータスは全体的に低めだが、バランスは取れており、アタックは一番低いがスピードは高めに設定されている。必殺技は相手を自身の繭に閉じ込める「カネゴンの繭」、敵を吸い込んでから吐き出す「ガマ口吸引」、敵を転ばせて踊りながらのしかかる「カネゴンプレス」という技を使う。

この他、テレビゲーム『ウルトラコロシアム』ではバトルナイザーを狙うマグマ星人の相棒となっており、マグマ星人が倒されると、テレビに向かって手を振る。

『ケロケロA』に掲載された没案としてノーバの赤いガスによって操られ、プレイヤーとキール星人ヴィットリオに襲いかかるというストーリーが制作されていた。
ウルトラシリーズ以外に登場するカネゴン
『アニメちゃん』に登場するカネゴン

映画『アニメちゃん』に登場。

アニメちゃんが壁に描いた絵がパソコンから出た光線(宇宙電波の影響)を受け実体化する。一緒に実体化したブースカ、ピグモンと共に鏡の世界(異次元空間)と現実世界を行き来できる。コインを食べる性質は変わらないが、手先が器用で機械の修理(作中でアニメのパソコンを修理している)が得意で、胸のメーターを使った計算能力もある。食費(彼の場合は食べるお金そのもの)を稼ぐために遊園地の職(風船売り、玩具の修理)につくが、稼ぎで食事をしていたところ、泥棒の濡れ衣を着せられる。挙句、彼は生まれた当初アニメちゃんの貯金箱の金を食べたことが露見し、事態を悪化させる。名古屋弁のようにガネ?が口癖。

声:つかせのりこ

着ぐるみは初代を造形した高山良策造型の1尺ミニチュアを参考にして、新造された。

『うちの子にかぎって…』に登場するカネゴン

うちの子にかぎって…』パート2の第8話「カネゴンの逆襲」に登場。

昔のビデオが大好きな寿司屋の父親が少女に、カネゴンのビデオを見せながら「お金にうるさいとお金亡者のカネゴンになる」とその存在を語るが、本気にされない。少女と周辺クラスメートや教師が財テクに精を出すが、詐欺師に騙されてその犯人が逮捕される様子がテレビに映ったとき、クラスから起こる「金かえせ」コールの騒乱の中で、騙されて呆然としながら教室に戻ってきた少女が、生徒が騒いでいる教室の片隅に、金の亡者と化した生徒の一人が密かに変身した本物のカネゴンが、生徒の机に札を並べて、椅子に座りながら札を貪る姿を見る。

脚本では少女が密かにカネゴンに変身する流れになっている。

寿司屋のお父さんの所有するウルトラQ『カネゴンの繭』のビデオテープと映像も劇中に登場する(テープは当時東映ビデオから商品化されていたもの)、当時個人による市販のビデオソフト収集が始まった時期であり、その当時の風俗の描写でもある。

着ぐるみは映画『アニメちゃん』に登場したもの。

カネゴンを主役とした作品
漫画『おれ カネゴン』

田村信の漫画『おれ カネゴン』は、第3次ウルトラブーム時の1978年から1980年にかけて雑誌『てれびくん』に連載された、カネゴンを主役に据えた作品。『怪獣王』(ぶんか社、1999年)に1話分が採録されており、田村へのインタビューも掲載されている。また、本作品連載当時の『てれびくん』では、本作品のカネゴンを主役に据えた次号付録を紹介する2頁漫画(画:竹村よしひこ)が連載された。


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