カニエ・ウエスト
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第47回グラミー賞ではアーティスト、ソングライター、プロデューサーとして合計10のノミネーションを得て、3部門を受賞[11]

この年、カニエはデフ・ジャムの傘下に自主レーベルのGOOD Musicを創設した。

2005年5月、11曲中9曲をプロデュースしたCommonのアルバム『Be』が発売される。全米2位を記録し、アルバムと収録曲3曲がグラミー賞にノミネートされた。
2005年 - 2007年 : Late Registrationコーチェラでのパフォーマンス(2006年)

2005年8月30日、2作目のアルバム『レイト・レジストレーション(Late Registration)』をリリース。アルバムのレコーディングはニューヨークとハリウッドのスタジオで1年以上かけて制作された。このアルバムでは作曲家のジョン・ブライオンを共同プロデューサーとして迎えており、クラシックの要素が強い作品となっている。

アルバムは初週にアメリカ国内だけで86万枚を売り上げ全米1位を記録する。アルバムからは 「Touch the Sky」「Heard 'Em Say」「Gold Digger」が世界的にヒットし、特にシングル「Gold Digger」はアメリカ国内だけでも500万枚を売り上げ、10週連続全米1位を記録した。

アルバムは批評家からも評価され、USA Today、Spin誌、ローリング・ストーン誌などが「2005年最優秀アルバム」に選定し、ローリング・ストーンは後に「音楽史上の偉大な500のアルバム」でも118位に選出した。

第48回グラミー賞ではアーティスト、ソングライター、プロデューサーとして合計8部門にノミネーションされた。最優秀アルバム賞と最優秀楽曲賞の主要部門は逃したものの、最優秀ラップアルバム賞を含む3部門を受賞し、授賞式では「Gold Digger」 「Touch the Sky」の2曲をパフォーマンスした[12][13]

2007年1月、日本人ヒップホップグループ、TERIYAKI BOYZのシングル「I still love H.E.R. feat.KANYE WEST」にプロデューサーとラップで参加。日本のテレビ番組『ミュージックステーション』にもゲスト出演した。
2007年 - 2008年 : GraduationNo I.D.とスタジオで作業するカニエ・ウェスト(2008年)

2007年9月11日、3作目のアルバム『グラデュエーション(Graduation)』をリリース。アルバムのジャケットは村上隆が担当した。50セントのアルバム『Curtis』と同日リリースで話題を呼んだが、カニエが米英で1位を勝ち取った。アルバムからのシングル「Stronger」はアメリカ国内だけで500万枚を売り上げ、米英で1位を記録する。第50回グラミー賞では最多8部門にノミネートされ4部門を受賞した。

2008年9月12日パパラッチのカメラを壊し、器物破損で逮捕。逮捕後、約210万円の保釈金を支払って保釈された。カニエの知人で、彼から寄付を受けている慈善活動家の目撃談によると、カメラマンに攻撃され、カニエは身を守っただけだという。曰く「なぜ彼(カニエ)が逮捕されたのかわからない。あの男はカニエの顔にカメラをあまりにも近づけすぎていた。私は彼を責めないね」[14]
2008年 - 2009年 : 808s & Heartbreakライブでのカニエ・ウェスト(2008年)

2008年11月24日、4作目のアルバム『808s & Heartbreak』をリリース。全米1位を記録する。タイトルの”808”とはローランドの名機TR-808を指しており、今作でこのリズムマシンは大々的に使用されている。カニエは前年11月に最愛の母の死去、その翌月に婚約者であったアレクシス・ファイファーとの破局を経験しており、そうした喪失による傷心(Heartbreak)はアルバム全体の大きなテーマとなっている。また今作でカニエはラップよりもオートチューンを使った歌唱に注力しており、それも今作を形作る大きな特徴となっている。セールス・評価ともに彼のそれまでの作品と比べると決して高いものではなかったが後のドレイクフランク・オーシャンといったアーティストの土台を作った作品であるとしてその歴史的価値は見直されている[15]

2009年8月、『Scrape TV』に出演した際にマイケル・ジャクソンについて触れ、「次のキング・オブ・ポップは俺さ」と発言し反響を呼ぶ[16]。しかし、カニエは自身のブログで、そのようなことは言っていないと反論した[17]。カニエの発言を受けて動画サイト『JumpOff-TV』が、マイケルとカニエを左右に並べてCDセールス、受賞歴、表紙を飾った雑誌の数、ファッションなどを比較する動画を作成した[16]

9月13日に行われたMTV Video Music Awards 2009では、最優秀女性アーティスト・ヴィデオ賞を受賞したテイラー・スウィフトのスピーチ中に泥酔して乱入(ただし、本人は神がそうさせたと主張)[18]、彼女のスピーチを妨害しマイクを奪い、「君の受賞は本当に良かったけど、ビヨンセが史上最高のビデオを作ったアーティストの1人だ」と発言、場内からブーイングを浴びた[19]。その後最高賞である最優秀ビデオ賞を受賞したビヨンセがスウィフトを壇上に招き入れ、スピーチの続きを促す気遣いを見せている[20]。この行為は波紋を呼び、カニエは自身のブログや翌14日に出演したNBC「ジェイ・レノ・ショー」で謝罪[21]、スウィフト本人にも電話で謝罪したが、音楽ファンや著名人から非難の声が上がり、バラク・オバマ大統領もCNBC主導による記者会見中のオフレコ発言で、カニエに対し「Jackass(ばか者)」と呼ぶ騒ぎにまで発展した。なおこのオバマの発言は、ABC「ナイトライン」のキャスター、テリー・モーランがTwitter上で暴露した物で、この事を意図的に報じなかったCNBCがABCを非難、モーランは発言内容を削除し、ABCは謝罪に追われる事態となった[22][23]


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