カナダ(英・仏: Canada、英語発音: /?kan?d?/ 聞く[ヘルプ/ファイル]、フランス語発音: /kanada/)は、北アメリカ大陸北部に位置する連邦立憲君主制国家。イギリス連邦加盟国で、英連邦王国の一つである。10の州と3の準州からなり、首都はオタワ[4]。
国土面積は約998.5万平方キロメートルで、ロシア連邦に次いで世界で2番目に広い[4]。
国土の南側はカナダ=アメリカ合衆国国境が走り、北西部でもアメリカ合衆国アラスカ州と国境を接する。西は太平洋、東は大西洋に面する。北辺は北極圏で、北東にデンマーク領グリーンランドがあるほか、北極海と挟んでロシア連邦と向かい合っている。 現在のカナダには、ヨーロッパ諸国によるアメリカ大陸の植民地化以前に、アメリカ先住民諸族が居住していた(「ファースト・ネーション」「イヌイット」参照)。近代国家の萌芽は、英仏両国による植民地化で始まった(英領アメリカおよびヌーヴェル・フランス)。フレンチ・インディアン戦争で敗れたフランスは北米植民地をほぼ手放し、カナダは1763年からイギリス帝国に包括された。 1867年の連邦化をきっかけに独立が進み、1931年にウエストミンスター憲章で承認され、1982年憲法制定をもって政体が安定した[5]。現在、政体は連邦制をとり、連邦政府の運営は首相を中心に行われている。 現在のカナダは、一連の過程においてアメリカ合衆国と政治、経済両面での関係が深まっている。
概要
国名詳細は「カナダの国名(英語版
1982年憲法が制定される前には複数の名称が存在したが、現在は公用語の英語とフランス語の双方で「Canada」のみが公式名と定められている[6]。
日本国政府による公式名は「カナダ」[4]。日本における漢字表記は「加奈陀」(当て字)であり、「加」と略される。中国語における表記は「加拿大」。国名は、1535年にフランス王国の探検家ジャック・カルティエがセントローレンス川流域に達した際に聞いたイロコイ族の「村」または「集落」を意味する語「カナタ(kanata)」を地名と誤認したというのが一般的定説とされている[7]。連邦制を強調するため、「カナダ連邦」「カナダ連邦政府」などの呼称が使われることもある。
1867年に連邦制をとる一つの地域が確立されるにあたり、君主制を強調するため国号はカナダ王国(Kingdom of Canada)とすることも検討されていた[8][9]が、本国イギリスの植民地省が反対し、1867年の英領北アメリカ法ではカナダ自治領(Dominion of Canada)と言う国号が使用され、1931年のウェストミンスター憲章制定(独立国家とあまり相違のない高度な自治権が確立された)後も1951年まで「自治領」(Dominion)という言葉が使われる慣習が残っていた[10][11]。