カツラ_(植物)
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早春のころ、葉が出る前に花被片花弁)がない独特な形状の目立たない薄紅色のが開き、そのあとに黄色く色づいたが芽吹く[3][13][5]雌花は、細長い角のような紅紫色の雌蕊が3個から5個突き出し、柱頭は糸状で紅色[3]雄花は、紅紫色の細長い雄蕊を十数本ぶら下げ、葯は紅色[3]。果期は10月[3]果実袋果が集まってつく[3]。冬の枝に果実がついていることも多く、袋果の中には翼のある種子がたくさん詰まっている[15]

雄株の新芽は、雌株の新芽より、萌芽のときには一層美しい紅色を呈し、これを緋桂(ひかつら)とよぶことがある[9]。これに対し、雌株を青桂とよぶ[9]

対生し、小枝の両脇に隙間なく並んでいる[13]葉身は長さ4 - 10センチメートル (cm) ほどのハート形の広卵形[3][13]、もしくはハート形に似た円形[5]。若い枝ではハート形よりも細長い葉もでる[16]葉柄の付け根から7 - 9本に分かれて放射状に広がる葉脈が良く目立つ[17]。葉縁は波型の鋸歯がありギザギザではない[17]葉柄は、細長く2 - 2.5 cm[17]。葉の裏面は粉白色[5]。秋(10月上旬 - 下旬)には、黄色から褐色、時にオレンジ色に黄葉して美しい[3][13]。幼木や若い枝では、赤く紅葉することもある[7]。側脈は葉縁までは伸びていない[17]。落葉して地上に落ちた葉は1 - 2日で茶色になって乾燥し、甘い香り(カラメルのような良いにおいに似ている)を発する[6]。匂いを発するのは落葉した直後だけで、都市部に植えられたカツラには匂いを発しないものもある[4]。落ち葉の芳香の成分は、砂糖を使った菓子に共通でキャラメルの香りにもあるマルトールという成分による[6]

冬芽は枝に対生し、円錐状卵形で、芽鱗は2枚のうち外側の1枚が冬芽全体を覆って裏側で重なる[15]。短枝に側芽がつき、短枝が発達すると側芽は内側に曲がる[15]。枝先には仮頂芽が2個つき、赤褐色や紅紫色をしている[15]。冬芽の下にある葉痕は三日月形からV字形で、維管束痕は3個ある[15]





紅葉時

樹皮

樹型

植栽

生長が速く、日なたから半日陰を好み、根を深く張る性質で、砂壌土で湿りがちな土壌に植える[18]。植栽にすると、春の芽出しから新緑、秋の黄葉まで楽しむことができ、幹はまっすぐで、左右対称に枝が広がる端正な樹形と、優しい雰囲気のある枝先の葉から人気がある[18]。夏の暑さにはやや弱い以外は丈夫な樹種で、剪定にもよく耐える[18]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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