カッシーニが土星軌道に投入されてからの10年間の成果は、以下の通り。また、この間に200万回コマンドを実行し、科学データを514GB収集、土星の衛星を7つ発見、土星の衛星に132回フライバイし、26ヶ国からの科学者が計画に参加、科学論文を3039件発行、土星を206周回実施、写真を33万2,000枚撮影、エンジン噴射を291回実施した[14]。
ホイヘンスプローブをタイタンに着陸させた。
エンケラドゥスが氷のプルームを活発に吹き上げていることを発見
土星の環が活発で動的であることを明らかにし、惑星形成の研究に寄与
タイタンが地球のように雨や川、湖、海を持つ世界であることを発見
2010-2011年にかけて土星の北側で起きた大規模な嵐を調査
土星からの電波パターンは従来考えられていた土星内部の回転とは関係性がないことを確認
環の垂直構造を明らかにする画像を初めて取得
タイタンの前生物的な化学研究
イアペトゥス表面で見られる2重の明暗域の謎を解明
北極の六角形の様子を初めて完全に観察し、土星両極の巨大なハリケーンを発見
カッシーニの探査の成果(判明したこと)として、衛星や環の発見以外に、次のようなことが挙げられる。 木星には独立した嵐が存在し、小さな斑点となって現れることが分かった。 木星付近で、一般相対性理論を検証する実験の再現に成功した。すなわち、太陽の近くをかすめるように電波を発射し、太陽の近くを通らない場合より到達に時間がかかることを証明した。これは、重い天体の近くで時空が歪むというアインシュタインの理論と整合する。 タイタンには、液体が流れたことによる流路があることが分かった。大気からの降雨があることが確認された、太陽系では地球以外の唯一の天体となっている。タイタンの濃密な大気は、メタンが分解され、それが再結合した炭化水素のような大きな有機分子ができることで作られたことが分かった。タイタンのメタンが、生物由来でないことが強く推測された。 カッシーニの総費用は約34億米ドルと、近年の惑星探査においては最大規模の探査機となった。カッシーニ以降、NASAはディスカバリー計画のように低予算・軽量の探査機を打ち上げるようになっている。
木星
一般相対論の検証
タイタン
諸元
高さ: 6.8 m
幅:約4 m
重さ:5.8 t
動力:原子力電池3基(放射性同位体熱電対)
Size:48 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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