2020年9月18日には前日譚となる看護婦長ラチェッドを主人公としたドラマシリーズ『ラチェッド』がNetflixで配信されている。 刑務所から逃れるため詐病によって精神病院に入院してきた主人公のマクマーフィー。向精神薬を飲んだふりをしてごまかし、婦長の定めた病棟のルールに片っ端から反抗していく。グループセラピーなどやめてテレビでワールドシリーズを観たいと主張し、他の患者たちに多数決を取ったりする。最初は患者たちは決められた生活を望むが、マクマーフィーとともに生活をするうちに彼に賛同するようになる。またほかの患者と無断で外出し船に乗せて、マクマーフィーの女友達とともに海へ釣りへ行く。こうした反抗的な行動が管理主義的な婦長の逆鱗に触れ、彼女はマクマーフィーが病院から出ることができないようにしてしまう。 ある日患者が騒動を起こした際、止めようとしたマクマーフィーも一緒に、懲罰である電気けいれん療法を受けさせられてしまう。マクマーフィーは、しゃべることのできないネイティブアメリカンであるチーフとともに順番を待っていたが、実際は彼がしゃべれないフリをしていることに気づき、一緒に病院から脱出しようと約束する。しかしチーフは、自分は小さな人間だとその誘いを断る。 クリスマスの夜、マクマーフィーは病棟に女友達を連れ込み、酒を持ち込んでどんちゃん騒ぎをやる。一騒ぎ終わった後の別れ際になって、ビリーが女友達の一人を好いていることに気づく。ビリーはマクマーフィーに可愛がられていた。マクマーフィーは女友達に、ビリーとセックスをするよう頼み込み、二人は個室に入っていく。二人の行為が終わるのを待っている間、酒も廻り、ついに寝過ごしてしまう。 翌朝、乱痴気騒ぎが発覚し、そのことを婦長からビリーは激しく糾弾され、母親に報告すると告げられる。そのショックでビリーは自殺してしまう。マクマーフィーは激昂し、彼女を絞殺しようとする。婦長を絞殺しようとしたマクマーフィーは他の入院患者と隔離される。チーフはついに逃げ出すことを覚悟し、マクマーフィーを待っていたが、戻ってきたマクマーフィーは病院が行った治療(ロボトミー)によって、もはや言葉もしゃべれず、正常な思考もできない廃人のような姿になっていた。チーフはマクマーフィーを自らの手で窒息死させた後、窓を破り精神病院を脱走する。 原作者はケン・キージー(邦訳は『カッコーの巣の上で』 岩元巌訳、冨山房、新版1996年)。邦題は旧版は「郭公の巣」だったが、後に映画タイトルに合わせ改題。なお、原作での主人公はチーフであり、物語はその視点で描かれている。映画化に至るまでに監督は非常に苦難の道のりを辿ったと言われる。 原作が発表された翌年に、デール・ワッサーが脚本化、カーク・ダグラス主演で上演された。日本でもデール・ワッサーの戯曲をもとに劇団四季や加藤健一事務所等により、何度も上演された。題名は『カッコーの巣の上を』とする場合もある[4]。映画化に際して、父親のカーク・ダグラスから権利を受け継いだマイケル・ダグラスは本作品でプロデューサーを務め、アカデミー賞を受賞している。 いずれの邦題も一読して意味を理解することは難しいが、原題は最後にチーフという名の患者が1人(one)で自由を求めて、cuckoo=crazy、つまり精神病を患う人の集まる精神病院(cuckoo's nest)から飛び出して脱出する(flew over)ことを象徴しており、もともとの由来はマザー・グースの詩「カッコウの巣の上に」である[5]。
あらすじ
キャスト
ジャック・ニコルソン - ランドル・パトリック・マクマーフィー
ルイーズ・フレッチャー - 看護婦長ラチェッド(英語版)
マイケル・ベリーマン - エリス
ウィリアム・レッドフィールド - ハーディング
ブラッド・ドゥーリフ - ビリー・ビビット
クリストファー・ロイド - テイバー
ダニー・デヴィート - マティーニ
ヴィンセント・スキャヴェリ - フレドリクソン
スキャットマン・クローザース - タークル
シドニー・ラシック - チャーリー・チェズウィック
ウィル・サンプソン - チーフ・ブロムデン
マーヤ・スモール - キャンディ
スタッフ
監督:ミロス・フォアマン
作品解説
タイトルとストーリーの由来