2014年、サウジアラビア、バーレーン、UAEの3か国が、内政干渉に対する報復という理由で駐カタール大使をそれぞれ本国召還し、カタールと周辺諸国の軋轢が表面化した[35]。さらに2017年6月、ムスリム同胞団への支援やイラン・トルコとの接近に対して、一部のイスラム諸国(サウジアラビア、UAE、バーレーン、エジプト、イエメン、モルディブ、モーリタニアなど)がカタールとの国交断絶を表明した(2017年カタール外交危機)[36]。しばらくの間、イスラム諸国との関係悪化は続いたが、2021年1月4日、カタールとサウジアラビア間で国交回復に向けた合意が実現した[37]。翌5日にはサウジアラビア、UAE、バーレーン、エジプトの4カ国との国交を完全に回復させることで合意した[38]。一方、この危機以降、カタールとトルコの関係が非常に深くなっており、国内にトルコ軍が一時駐留していた[39][40]。
カタールの最大の問題の一つが近隣国際関係で、オーストラリアに本部を置き、アメリカ、オランダ、メキシコ、ベルギーなどに支部を持つ経済平和研究所が2022年1月に発表した「国防経済外部効果」、「観光客数」、「国内近隣外国人平等法」、これを再定義して2022年の積極的平和指数の1項目、近隣国際関係指数は4. 41と、世界から見てアフガニスタンよりも低い国際ランクとなるほど悪いものであった[41]。
軍事詳細は「カタールの軍事」を参照
カタール固有の軍事力は、軍事予算はGNP比4.2%(1993)、総兵力1万1,800人である。
アメリカ中央軍が駐留し、首都ドーハ近郊に司令部のひとつであるアッサイリヤ基地(英語版)がある。アメリカ中央軍は中東を責任地域とするが、司令部のある米国本土のフロリダ州タンパが遠すぎるため、イラク戦争直前の2003年に第2の司令部として設置された。イラクやアフガニスタンに展開したアメリカ軍部隊はここから指揮される。
2016年、カタールをかつて支配していたトルコに軍事基地を提供する協定を結んだ[42]。
2017年6月には米海軍と、同じく8月には米軍パラシュート部隊との合同軍事演習を行った[43]。一方で同年11月からは2017年カタール外交危機での孤立に伴って上海協力機構に加盟申請し(のちにトルコと同じ対話パートナーとしての参加が認められた[44][45][46])、翌12月にはカタール建国記念の軍事パレードで中国人民解放軍による訓練で従来の英国式から中国式のガチョウ足行進に改め[47]、中国製弾道ミサイルのBP-12A(英語版)を披露し[48]、中国への接近が目立った。
国民詳細は「カタールの人口統計(英語版)」を参照
国籍 人口は2019年の推定で284万6,092人。2013年の調査では、全人口180万人のうち、カタール国籍はわずか13%の27万8,000人にすぎず、87%にあたる150万人が外国人労働者である。そのうち、インド人が54万5,000人と最大の勢力となっている。次いで、フィリピン人、ネパール人、パキスタン人、スリランカ人、バングラデシュ人などが多く、南アジア諸国からの労働者がほとんどを占めている。 カタール人は、おもにアラビア半島の遊牧民のベドウィン、イラン・パキスタン・アフガニスタンを祖先に持つ Hadar、スーダンとソマリアを中心とした東アフリカからの奴隷の子孫の Abd の3つの祖先に分かれる。 公用語はアラビア語である。日常会話は湾岸方言となる。イギリスの植民地であったこと、またインドやパキスタンなどの同様の歴史を持つ国からの労働者が大半を占めていることから、英語も共通語として政財界を中心に広く使用されている。その他、ヒンディー語、ウルドゥー語、マラヤーラム語、タミール語、ネパール語やタガログ語など、それぞれの外国人労働者の母語も話されている。 2010年の調査では外国籍を含めた全人口に占める割合をみると67.7%がイスラム教、13.8%がキリスト教、13.8%がヒンドゥー教、3.1%が仏教を信仰している。
カタール国籍 13%
外国籍 87%
民族
言語
宗教詳細は「カタールの宗教(英語版