カタール
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一方で同年11月からは2017年カタール外交危機での孤立に伴って上海協力機構に加盟申請し(のちにトルコと同じ対話パートナーとしての参加が認められた[44][45][46])、翌12月にはカタール建国記念の軍事パレードで中国人民解放軍による訓練で従来の英国式から中国式のガチョウ足行進に改め[47]、中国製弾道ミサイルのBP-12A(英語版)を披露し[48]、中国への接近が目立った。
国民詳細は「カタールの人口統計(英語版)」を参照

国籍

カタール国籍  13%
外国籍  87%

民族

人口は2019年の推定で284万6,092人。2013年の調査では、全人口180万人のうち、カタール国籍はわずか13%の27万8,000人にすぎず、87%にあたる150万人が外国人労働者である。そのうち、インド人が54万5,000人と最大の勢力となっている。次いで、フィリピン人ネパール人パキスタン人スリランカ人バングラデシュ人などが多く、南アジア諸国からの労働者がほとんどを占めている。

カタール人は、おもにアラビア半島の遊牧民のベドウィンイランパキスタンアフガニスタンを祖先に持つ Hadar、スーダンソマリアを中心とした東アフリカからの奴隷の子孫の Abd の3つの祖先に分かれる。
言語

公用語はアラビア語である。日常会話は湾岸方言となる。イギリスの植民地であったこと、またインドやパキスタンなどの同様の歴史を持つ国からの労働者が大半を占めていることから、英語も共通語として政財界を中心に広く使用されている。その他、ヒンディー語ウルドゥー語マラヤーラム語タミール語ネパール語タガログ語など、それぞれの外国人労働者の母語も話されている。
宗教詳細は「カタールの宗教(英語版)」を参照

2010年の調査では外国籍を含めた全人口に占める割合をみると67.7%がイスラム教、13.8%がキリスト教、13.8%がヒンドゥー教、3.1%が仏教を信仰している。しかし、カタール国籍保持者の95%はイスラム教であり、大半がスンナ派ワッハーブ派である他、シーア派が人口の5 - 15%を占めており、イスラム教を国教としている。
地理カタールの地図詳細は「カタールの地理」を参照

カタール半島は、サウジアラビア側から160km突き出ている。国内の大部分は不毛な砂漠であり、最も高い地点で海抜103mである。この砂漠の地下にドゥハーン油田が存在し、一方、世界最大級のノースガス田はカタール半島北東からイラン方向の海底に広がる。カタール半島の付け根付近にあるホール・アル=ウデイド(英語版)(Kawhr al Udayd)は、静かな内海であることから別名を「インランド・シー」(: Inland Sea)とも呼ぶ。1974年以前の国境線が描かれたUAEの地図。この地図ではカタール(左上)はUAEと国境を接している。

陸上の国境は現在はサウジアラビアとの国境(英語版)のみであるが、かつてはアラブ首長国連邦(UAE)とも国境を接していた。1974年のジッダ条約(英語版)により、サウジアラビアにペルシャ湾への出口となるUAE領土が割譲され、カタールとUAEとの間の陸上国境はなくなった(詳細はサウジアラビア=アラブ首長国連邦国境を参照)。カタールの砂漠
地方行政区分詳細は「カタールの行政区画」を参照
都市詳細は「カタールの都市の一覧」を参照カタールの首都ドーハドーハ市街

首都ドーハ - 国内で最大の都市であり、国民の半分以上がドーハに住んでいる。

アル・ワクラ(Al Wakrah) - ドーハの南約20キロ。

アル・ホール(Alkhor) - ドーハの北57キロ。古い街区がある。

ウンム・サラール・ムハンマド(英語版)(Umm Salal Muhammad) - ドーハの北約20キロ。19世紀に建てられた3階建ての長方形の塔「バルザーン塔」がある。

ラアス・ラファーン(英語版)(Ras Laffan) - 工業都市。日本では「ラス・ラファン」と表記される。

アッ=シャマール - 最北部の都市。

ウンム・サイード(英語版)(Umm Sa'id) - 工業都市。石油製品輸出港。

ドゥハーン(英語版)(Dukhan) - 西岸の都市。

シャハーニーヤ(Shahaniya) - ラクダレース開催地として知られる。Al Jumaliyah。

アッ=ラヤーン

経済首都ドーハ中東屈指の世界都市金融センターへ急成長している詳細は「カタールの経済(英語版)」を参照

2015年国内総生産(GDP)は約1,920億ドル(約21兆円)であり[49]、日本の埼玉県よりやや大きい経済規模である[50]。人口は埼玉県の3分の1弱で、同年の一人当たりGDPは7万8,829ドルで世界第5位[49]、一人当たり国民総所得(GNI)は8万5,430ドルで世界第2位である[51]。一時は一人当たりGDPで世界一を誇ったことから「世界でもっとも裕福な国」と呼ばれた[52]

1940年代の石油発見以前の産業は漁業と真珠取りだけであった。1920年代から日本の養殖真珠が世界に出回るとカタールの天然真珠は衰退した。石油と天然ガスに依存する経済体制で、輸出の大半が石油・天然ガスおよびその関連製品で占められている。インドパキスタンイランなどからの外国人労働者がカタール国籍を持つ総人口より多く、外国人労働者に労働力を大きく依存している。

豊富なオイルマネーにより国民は所得税がかからない。さらに、医療費、電気代、電話代が無料、大学を卒業すると一定の土地を無償で借りることができ、10年後には自分のものとなる。

2004年、ドーハに科学技術パークを開き、世界中から技術関連企業を呼んだ。現在、油価は低下したものの炭化水素はカタールの背骨であり続けるが、政府は知識集約型の民間投資も促進しようとしている。カタール金融センター(QFC)は湾岸諸国を巻き込んだ投資に今後10年間で1兆ドルを供給することを発表している。
液化天然ガス

カタールの重要資源は液化天然ガス(LNG)である。各国とのLNG契約も長期にわたり、2021年7月には韓国と20年間、2022年11月21日には、中国と27年間に及ぶ契約が締結したことを発表した。一方日本とは契約が難航し、長期契約は全て売り切れとなった。2021年現在のカタールのLNG輸出先は以下の通りである。

カタールのLNG輸出先ランキング
2021年 資料: BP統計2022
[53]順位国籍シェア
1位 大韓民国16.1%
2位 インド13.6%
3位 中華人民共和国12.3%
4位 日本12.3%

農業首都ドーハのラクダ市場詳細は「カタールの農業(英語版)」を参照

カタールの年降水量は40ミリ前後であるため、降雨に頼った農業は不可能である。しかしながら、灌漑などを利用した農業が営まれており、農地面積は国土の0.7%(80平方キロメートル、1994年)に達する。牧場は同4.5%(500平方キロメートル)である。農業従事者の人口に占める割合は0.5%。

主要穀物では大麦(5,000トン、2002年)、トウモロコシ(1,000トン)を栽培する。野菜ではトマト(1.1万トン)、次いでキャベツ(2,000トン)の生産が盛ん。畜産業では、ニワトリ(400万羽)とヒツジ(20万頭)が最大。


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