カタクチイワシ
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イタリアスペインポルトガルなどの南ヨーロッパ諸国において非常にポピュラーな食材のひとつである。缶詰や瓶詰めの品にはオリーブオイルが加えられることが多い。しばしば同様にを原材料とするオイルサーディンと混同されるが、塩蔵アンチョビに用いるカタクチイワシは非加熱で加工法も異なる。日本国内で「アンチョビ」と呼ばれるものは、ほとんどの場合この塩蔵品を指す。

ごま漬け - 千葉県九十九里地方の郷土料理。

調味料 - 魚醤または蛋白自己消化物と呼ばれる発酵調味料原料として用いられる。

食用以外にもカツオなど肉食魚の釣り[8]として用いられる。カツオ漁に用いられるカタクチイワシは、生で用いられるため生け簀にストックされ、海上でカツオ船相手に売買される。

農業用の肥料としても利用されているが、1990年代頃から漁獲量に減少傾向がみられてからは、以前ほどの消費量ではなくなっている。

また、広島県では郷土料理として小いわし料理があり、牡蠣お好み焼きと並ぶ食の名物であるほか、長崎県雲仙市ではカタクチイワシを塩辛にしたエタリの塩辛が食されている。
別名

日本では古くから食用に供されてきたため、地方ごとに様々な別名をもつ。小いわし(広島)、カタクチ(三崎・米子・下関)[5]、ヒシコ(?[9])(水戸[5])、ヒシコイワシ、シコ(?[9][5]、シコイワシ[4]田作り(タヅクリ)、五万米(ゴマメ)、背黒鰯(セグロイワシ)、狼鰯(オオカミイワシ)、脹眼(ハンガン)、金山(カナヤマ)、丸(マル)、ヒラレ、泥目(ドロメ)、ドロイワシ、ママゴ、エタレ、クロタレ、シラス、タレクチ(山陰)[4]、チリメン、タレ、ホタレイワシ(高知)[4]、ホオタレ、ホホタレ、ホウタレ、ブト(仙台・新潟)[5]、コシナガ、カエリ、カクハリなど、多種多様な呼び名がある。
シノニム

Atherina japonica
Houttuyn1782

Engraulis capensis (non Gilchrist, 1913)

Engraulis japonica Temminck & Schlegel1846

Engraulis zollingeri Bleeker1849

Engraulus japonicus Temminck & Schlegel1846

Stolephorus celebicus Hardenberg, 1933

Stolephorus zollingeri (Bleeker1849)

近縁種カタクチイワシの近縁種アンチョベータ (Engraulis ringens)

カタクチイワシ属(Engraulis 属)は世界各地の熱帯温帯の海から7種類ほどが知られ、どれも重要な漁業資源となっている。

E. anchoita C. L. Hubbs & Marini, 1935 (Argentine anchoita)

E. australis (J. White, 1790) (Australian anchovy)

E. capensis Gilchrist, 1913 (Southern African anchovy)

E. encrasicolus (Linnaeus, 1758) (European anchovy) - 東大西洋と西インド洋

E. japonicus Temminck & Schlegel, 1846 (Japanese anchovy) - カタクチイワシ

E. mordax Girard, 1854 (Californian anchovy)

E. ringens Jenyns, 1842 (Peruvian anchoveta) - 太平洋南アメリカ沿岸

アンチョビ(anchovy)はカタクチイワシ属、さらに広義にはカタクチイワシ科の各種を指す総称として用いられるが、日本で「アンチョビ」と呼んだ場合は魚よりも加工品を指すことが多い。
脚注^ “ ⇒カタクチイワシ[片口鰯]”. 北海道庁水産林務部水産局水産経営課. 2019年11月5日閲覧。
^ “カタクチイワシ”. 香川県. 2019年12月5日閲覧。
^ a b Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2006). "Engraulis japonicus" in FishBase. April 2006 version.
^ a b c d e f g h i j k l m n 岡村収・尼岡邦夫『山溪カラー名鑑 日本の海水魚』山と溪谷社、1997年8月20日、93頁。


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