カシオペヤ座
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3.52 等のA星と7.36 等のB星から成る連星系で、A星の固有名「アキルド[4](Achird[13])」は、ε星と同じくスロバキアの天文学者アントニーン・ベチュヴァーシュが1951年に刊行した『スカルナテ・プレソ星図』に付された星表で初めて登場した由来不明の名称[19]だが、2017年にIAUの恒星の命名に関するワーキンググループ (WGSN) によって認証された[13]

υ2星:太陽系から約196 光年の距離にある、見かけの明るさ4.622 等、スペクトル型G8.5IIIbFe-0.5 の化学特異星で、5等星[22]中心核での水素核融合を終えて、ヘリウム核燃焼を始めた水平分枝の段階にあると考えられている[23]。また、スペクトル中にバリウムの強い吸収線を示すことからバリウム星に分類されていることから、既に白色矮星に進化した未発見の伴星が存在しており、その星が漸近巨星分枝だった頃に合成されたs過程元素を多く含む物質が主星の表面に降着したものと考えられている[24]。A星の固有名「カストゥラ[4](Castula[13])」は、ヨハン・バイエルの天文書『ウラノメトリア』でυ星の位置を「ペチコートのようなもの」を意味する castulam と形容したことに由来する[25][注 2]

HD 17156:太陽系から約253 光年の距離にある、見かけの明るさ8.16 等、スペクトル型F9V の主系列星で、8等星[27]。IAUの100周年記念行事「IAU100 NameExoWorlds」でアメリカ合衆国に命名権が与えられ、主星はNushagak、太陽系外惑星はMulchatnaと命名された[28]

このほか、以下の恒星が知られている。

γ星:太陽系から約382 光年の距離にある、見かけの明るさ2.39 等、スペクトル型B0.5IVpeの化学特異星で、2等星[12]。強力なX線を放出しており、スペクトル中に水素の強い輝線が見られるBe星の主星Aと白色矮星の伴星BからなるX線連星であると考えられている[29]。主星のA星は「カシオペヤ座γ型変光星」のプロトタイプとされる爆発型変光星で、その明るさを1.60 等から3.00 等まで大きく変化させる[30]。中国の天文学において二十八宿の1つ「奎宿」にある乗馬に使う鞭を表す星官「策」に充てられていたことから「ツィー[31](Tsih[32])」という名前で呼ばれることもある。また、アメリカ合衆国宇宙飛行士アポロ1号の搭乗員であったガス・グリソムのミドルネーム Ivan の綴りを前後逆にした Navi という通称でも知られる[33]

μ星:太陽系から約25 光年の距離にある、G型主系列星のA星と赤色矮星のB星からなる連星系で、5等星[34]。2020年の研究では、連星系の年齢は127億±27億 歳で、おそらく肉眼で見える恒星としては全天で最も古い星であるとしている[35]

ρ星:見かけの明るさ4.59 等、スペクトル型G2_0 の黄色極超巨星で、5等星[36]1901年エドワード・ピッカリングの下で写真乾板の解析をしていたLouisa Wellsによって変光星であることが発見された[37]。1945年以降、4回の大きなアウトバーストを起こしている[38]主系列星から低温で巨大な赤色超巨星に進化した後に、再び高温の星となる段階にあると考えられている[39]

R星:太陽系から約568 光年の距離にあるミラ型変光星[40]1853年イギリスの天文学者ノーマン・ポグソンによって発見された[41]


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