食性は主に動物食で、魚類、昆虫、甲殻類、貝類などを食べる。巧みに潜水して獲物を捕食する。1回に平均15秒前後(状態により数秒から30秒)潜水し、およそ秒速2mで泳ぐとされるが[3]、最高で水深2メートルまでと深くは潜らない[4]。
淡水域で繁殖し[3]、繁殖期には縄張りを形成する。水辺近くの水生植物や杭などに水生植物の葉や茎を組み合わせた逆円錐状の巣を雌雄で作り、4-12月に1回に4-6個の卵を年に1-3回に分けて産む(日本では主に4-7月繁殖[4])。雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は20-25日[3]。卵は白いが次第に汚れて褐色になり、親鳥が巣を離れる際には卵を巣材で隠す。早成性で雛は泳げ、孵化後約1週間で巣から出るようになる[3]。小さいうちは親鳥が背中に乗せて保温や外敵からの保護を行い、雛を背中に乗せたまま潜水することもある。雛は自分で採餌できるようになるまで親鳥より餌の捕えかたを教えられ、その後追われるようにして独立を促されて、およそ60-70日で巣立つ[3]。雛は生後1年で性成熟する。
池畔に作られた巣と卵
卵
雛(ひな)。泳げるが、親鳥の背にもよく乗る。
冬季には20-30羽からなる群れを形成することもある。あまり飛ばないが、飛翔の時には水面を蹴り助走した後、通常低く飛ぶ。
鳴き声は、キリッキリッ、キリリリと鋭く鳴き、繁殖期には雌雄が鳴き交わす[3]。警戒時にはピッと強く短い声を発する。 標準和名「カイツブリ」は、水を「掻いて潜る(掻きつ潜りつ)」が転じたか、「カイ」は、たちまち 琵琶湖は古くから本種およびカイツブリ目の構成種が多かったことから、「鳰海(にほのうみ)」の別名がある。これは水鳥が集まる湖の意味で、その由縁から、カイツブリは滋賀県の県鳥に制定されている[5]。また、埼玉県三郷市の鳥になっており、市のマスコットキャラクターの「かいちゃん」と「つぶちゃん」はカイツブリをモチーフとしている[6]。 長く水中に潜っている意から、万葉集では息長川(現天野川 (滋賀県))の枕詞として登場する。 井の頭自然文化園が、日本動物園水族館協会の平成22年度繁殖賞(自然繁殖部門)を受賞した[8]。 オオクチバス(通称ブラックバス)は獰猛で、本種の雛も餌となりうる。オオクチバスが確認されて本種が繁殖しなくなった池でオオクチバスを駆除すると、本種が再び繁殖するようになったことが報告されている。[9] 10亜種に分かれるとされる。 日本には、亜種カイツブリ (T. r. poggei) と、南大東島の亜種ダイトウカイツブリ (T. r. kunikyonis) [10]が生息する。
和名の由来
人間との関係
捕食者との関係
亜種
T. r. ruficollis (Pallas, 1764) - 基亜種。ヨーロッパからウラル山脈(ロシア)、アフリカ北西部。[11]
T. r. iraquensis (Ticehurst, 1923) - イラク、イラン南西部。[11]
T. r. capensis (Salvadori
T. r. poggei (Reichenow