オール・ユー・ニード・イズ・キル
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オタク向けのマイナーな文学と見られがちな日本のライトノベルがテレビドラマや実写映画の原作となることは少なく[18]、特に本作のように大作のハリウッド映画として実写映画化されることは初めてであり[9]、そうした面では異色の映画作品であり[10]、日本のエンターテインメント小説にとっての快挙であった[19]

日本での公開時には「日本原作、トム・クルーズ主演」というキャッチコピーが銘打たれるなど、世界的なスター[20]でもある主演男優と日本原作の娯楽小説という取り合わせが宣伝された。

原作小説は日本の千葉県南部や、東京の遥か南方に位置するという設定のコトイウシという架空の島が舞台となっていたのに対し、映画版の舞台はイギリスロンドンを中心に、フランスの沿岸部やパリ、ドイツなどの欧州地域に置き換えられている。また、主人公をはじめとする登場人物の設定や、結末などのストーリーなども大きく変更されており[21][9][22]、原作においてツンデレの美少女キャラクターであったヒロインはマッチョな女性軍人に[21]ドジっ娘眼鏡キャラクターであった女性整備士はオタク的な雰囲気の男性科学者へと変更されるなど[21]、ライトノベル的な萌え要素が削られてハリウッド映画的な作風へと置き換えられている[21][17]

一方で作品の根幹となるループの設定や[21]、中盤の展開[17]、テーマ性[22]などは原作を踏襲しており、日本原作らしい情緒[9]を残したものとなっている。
ストーリー原作のストーリーについては「All You Need Is Kill#あらすじ」を参照

近未来。地球は「ギタイ(Mimics)」と呼ばれる宇宙からの侵略者[注釈 2]により、滅亡の危機に晒されていた。人類側の統合防衛軍[注釈 3]は敵の強大な戦力に対して劣勢な戦いを強いられていたが、「ヴェルダンの女神」「戦場の牝犬」の異名で知られる英雄リタ・ヴラタスキの活躍によって反撃の糸口を掴み、機動スーツと呼ばれる歩兵用パワードスーツの投入によって、欧州地域における大規模な殲滅作戦を立案する。軍属の報道官であったウィリアム・ケイジ少佐は、殲滅作戦を指揮するブリガム将軍から戦場の現地取材という任務を命じられるが、危険な任務から逃れたい一心でそれを拒否し、報道官としての立場を乱用して将軍を脅迫しようとしたため、将軍の不興を買って地位を剥奪され歩兵として最前線に送られてしまう。

ケイジが配属されたJ分隊の兵士たちは彼に非協力的で、ケイジは武器の安全装置を解除する手順すらレクチャーされないまま殲滅作戦に参加させられる。統合防衛軍の目論見に反して戦況は圧倒的に劣勢で、J分隊の仲間や、英雄であるはずのリタも次々と戦死していく。武器が使えず逃げ惑うばかりで何の戦果も上げられなかったケイジも最期の勇気を振り絞り、自爆用に渡されていた地雷を使い、青白く輝く獣のような姿をしたギタイと相打ちになって死亡する。

ところが次の瞬間、ケイジは意識だけが時間を遡り、出撃前日まで戻るという怪現象を体験する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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