原作小説は2004年に日本でライトノベル[14][10]、すなわち表紙や挿絵に漫画的なイラストを用いた中高生向けの娯楽小説[15][注釈 1]として出版されたが、これが2009年に英訳されてアメリカ合衆国で出版された際、校正段階の試し刷りを読んだプロデューサーの目に留まり、実写映画化の企画が立ち上がった[10]。オタク向けのマイナーな文学と見られがちな日本のライトノベルがテレビドラマや実写映画の原作となることは少なく[18]、特に本作のように大作のハリウッド映画として実写映画化されることは初めてであり[9]、そうした面では異色の映画作品であり[10]、日本のエンターテインメント小説にとっての快挙であった[19]。
日本での公開時には「日本原作、トム・クルーズ主演」というキャッチコピーが銘打たれるなど、世界的なスター[20]でもある主演男優と日本原作の娯楽小説という取り合わせが宣伝された。
原作小説は日本の千葉県南部や、東京の遥か南方に位置するという設定のコトイウシという架空の島が舞台となっていたのに対し、映画版の舞台はイギリスのロンドンを中心に、フランスの沿岸部やパリ、ドイツなどの欧州地域に置き換えられている。また、主人公をはじめとする登場人物の設定や、結末などのストーリーなども大きく変更されており[21][9][22]、原作においてツンデレの美少女キャラクターであったヒロインはマッチョな女性軍人に[21]、ドジっ娘の眼鏡キャラクターであった女性整備士はオタク的な雰囲気の男性科学者へと変更されるなど[21]、ライトノベル的な萌え要素が削られてハリウッド映画的な作風へと置き換えられている[21][17]。