オープンソース
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2007年にはSugarCRMが自社のことを「Commercial Open Source」と表現して、オープンソースの定義に準拠していないソフトウェアライセンスソフトウェアに課していたことを非難した[17][18]
オープンソース・ソフトウェア

オープンソース・ソフトウェア(: open-source software)とは、オープンソース・イニシアティブの掲げるオープンソースの定義に準拠したソフトウェアである[15]

オープンソース・イニシアティブはオープンソースライセンスというライセンスカテゴリを管理しており、そのオープンソースの定義に準拠したライセンスのみをオープンソースライセンスとして承認している。オープンソース・ソフトウェアはオープンソースライセンスが課せられたソフトウェアであると言い換えることが出来る。オープンソースライセンスはライセンスの氾濫を防ぐために虚栄心による独自ライセンスや複製ライセンスを承認していないため、オープンソースの定義に準拠しているがオープンソースライセンスと承認されていないライセンス、およびそのライセンスが課せられたオープンソース・ソフトウェアは存在している。基準はオープンソースの定義であり、その定義に準拠したソフトウェアはオープンソース・ソフトウェアである。
オープンソース・ハードウェア「オープンソースハードウェア」も参照オープンソース・ハードウェアのひとつであるArduino Uno

オープンソースの概念はソフトウェアにとどまらず、集積回路プリント基板CADデータなどの設計情報を公開し共有するものはオープンソース・ハードウェアと呼ばれる。

その種類は多肢にわたり、ワンボードマイコン (Arduino)、CPU (OpenRISCOpenSPARC)、3Dプリンター (RepRapOpenSLS)、人型ロボット (iCub)[19]、電気自動車 (Open Motors)[20][21]などがある。

ライセンスはソフトウェア用のものやクリエイティブ・コモンズ・ライセンスも使用されるが、ハードウェア用としてはTAPR Open Hardware LicenseやCERN Open Hardware Licenceがある。




オープンソースライセンスOSI公認ライセンスのロゴ詳細は「オープンソースライセンス」を参照

オープンソースライセンスは、一定の条件の下でソフトウェアの使用、複製、改変、(複製物または二次的著作物の)再頒布を認めている。次の2つの条件はほぼ共通している。
無保証であること
オープンソースの性質上、ソフトウェアやその二次的著作物は元の著作者でも制御しきれない形で流通し、元の著作者がそこから直接に利益を得ることは難しい。したがって、ソフトウェアは「有用であるとは思うが無保証である」と謳っている。つまり、著作者は、そのソフトウェアについて、予期した動作をする/しないの保証をしない。また、その動作の結果何らかの損害をもたらしたとしても、それを保障しないと定めている。
著作権表示を保持すること
オープンソースは一定の条件内で自由な利用を認めるものであって、著作権を放棄するものではない。むしろ、「一定の条件」を守らせるための法的根拠は原著作者の著作権に求められる。したがって、多くのライセンスは適切な形でソースコードや付属文書に含まれる著作権表示を保持し、つまり二次的著作物を作った者が自分で0から作ったように偽らないことを定めている。ソースコードを伴わないバイナリ形式だけでの配布を認めているライセンスでは、その際にも付属文書に著作権表示を記載するように定めているものもある。

次の条件は、採用しているライセンスと、そうでないライセンスがある。
同一ライセンスの適用
複製や改変物を頒布する際には、必ず元と同じライセンスでの利用を認めるように定めているものがある。GNU General Public License (GPL) が代表的である。例えば、GPLのソースコードを BSD ライセンスのソースコードと組み合わせて新しいソースコードを作った場合、GPL の規定によって、このソースコードを頒布する際には GPL での利用を認めなければならない(詳細はコピーレフトを参照)。このようなソースコードを利用して、ソースコードを独占する(プロプライエタリな)ソフトウェアを作成することは難しい。
原著作者の特別な権利
この種の条件は、現在ソースコードを独占的に所有している企業がそれをオープンソース化するに当たって考慮する余地のあるものである。例えばMozillaのためのライセンスとして作成されたMPLでは、二次的著作物を頒布する際にはソースコードを公開しなくてはならないが、元々のMozillaの著作権を有していたネットスケープコミュニケーションズだけは特別であって、二次的著作物のソースコードを公開しなくてもよい権利をもっている。
用語と概念への批判

オープンソースの概念は一定の成功を収め、オープンソースのソフトウェア開発の手法と意義の浸透をもたらしたが、自由を強調しないという点は自由ソフトウェア運動の支持者からの攻撃の標的となることがある。

1999年2月17日、オープンソース・イニシアティブの創始者の1人ブルース・ペレンスはオープンソースが既に成功を収めたこと、そしてオープンソースが自由ソフトウェアから離れすぎていることを挙げて「今こそ自由ソフトウェアについて再び語るべきときだ」と述べた[22]

2007年、フリーソフトウェア財団の代表リチャード・ストールマンはオープンソースの概念は自由ソフトウェアが主な目的としている利用者にとって重要な自由を守るに足りえないとして、オープンソースは自由ソフトウェアの的を外していると批判した[23]

またストールマンは2013年に、フリーソフトウェア運動が問題視している利用者の自由に対する制限の不当性をオープンソースは問題視していないと述べ、自由ソフトウェアの理念を正しく伝えるため「OSS(Open Source Software)」ではなく、自由ソフトウェアとオープンソースを複合した用語の「FLOSS(Free/Libre and Open Source Software)」の利用を推奨した[24]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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