オープンコンテント
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第二に作者の予期しない著作物の利用を抑制する[20] 。第三にマッシュアップコラボレーションのような派生作品の生産を制限し、作者同士の区分を認識させる[21]パブリックドメイン

パブリックドメインは、著作権を失効した人物や著作権が適用されることのないアイデアや事実からなる作品の状態である。パブリックドメイン作品は作者が自明に公有に置いたり、もはやその作品の利用・頒布をコピーライトにより制御することがない作品である。その様な作品は法的な制約に縛られず作品を利用・修正・再頒布することが出来る。パブリックドメイン作品やパーミッシブ・ライセンスが課せられた作品はコピーセンターとも呼ばれる[22]。一般的に使用されているパブリックドメイン・シンボルはコピーライト・シンボル(英語版)に右上から左下へ斜線を引いたものである。コピーレフト

コピーレフトは、コピーライトの言葉遊びから誕生した、作品を利用・修正・再頒布する自由の権利を行使するために著作権法を使用する概念である[23][24]。コピーレフトの目的は作者が制作したコンテンツを作者以外の利用者が利用・修正する自由をコピーライトの下に著作権法に従って様々なライセンスで規定する法的フレームワークを提供することである。パブリックドメイン作品と異なり、作者はコンテンツの著作権を保持したまま、作品利用に対して制約の少ないライセンスによりコンテンツの利用・修正を許可する。コピーレフト・ライセンスは源作品の著作権表示を維持したまま、派生作品に同一のライセンスを課すことを求める。一般的に使用されているコピーレフト・シンボルはコピーライト・シンボル(英語版)を左右反転したものであり、文字そのものには意味を持っていない。

ライセンスは、著作権法の下に作者が他者に対して作者の定めた制約に従う範囲でのコンテンツの利用を許諾する[25]。コンテンツに課すライセンスにおいて、ライセンスの制約を緩めてパーミッシブ・ライセンスとすればオープンコンテントとして他者に作品の利用・修正を許可し、一方でライセンスの制約を締めてプロプライエタリ・ライセンスとすればコピーライトに従って作品の利用を制限する。パブリックドメイン相当の制約でコンテンツ利用を許諾するライセンスとしてはCC0WTFPLがある。コピーレフト・ライセンスの例としてはGFDLCC BY-SAがある。
各分野の利用

オープンコンテントの概念は専門分野においてより特化・洗練した形を取り、各分野で作品・製作物・成果の利用・修正・再頒布および共有をしている。
ユーザー生成コンテンツ詳細は「ユーザー生成コンテンツ」を参照ウィキペディア

ユーザーが生成したコンテンツを一つの形に取り纏めて、そのコンテンツをオープンライセンスで頒布するユーザー生成のオープンコンテントの在り方がある。ウィキペディアはウェブ上の利用者が生産するオープンコンテントの中で最もよく知られているデータベースの1つである。ウィキペディアの記事は、ウィキペディアの提示する利用許諾ライセンスを執筆文章に課すことを執筆者が同意しており、同ライセンスの下に記事を利用することができる。ウィキペディアのコンテンツの大部分はオープンコンテントであるが、一部の著作権のあるコンテンツはフェアユースの下で利用されている。
メディアクリエイティブ・コモンズ

テキスト・音楽・画像・動画などのメディアコンテンツでは、クリエイティブ・コモンズなどが提供するライセンススキームに従って作品の頒布を許可している。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの全てが完全に自由な作品の利用を認めているわけではなく、ライセンス条項に依っては商用利用禁止・改変禁止などの制約を伴って頒布を許可するものも存在する。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは自由文化作品の定義に従ったライセンスであると承認されている。クリエイティブ・コモンズのデジタルライブラリでは写真・クリップアート・音楽・文学などのオープンコンテントを提供している。あるウェブサイトにあるオープンコンテントを別のウェブサイトで大量に再利用することも合法ではあるが、重複コンテンツ(英語版)問題を引き起こすため適切ではない。
ソフトウェア詳細は「オープンソースソフトウェア」を参照OSIFSF

ソフトウェアでは、パーミッシブ・ライセンスコピーレフト・ライセンス課したソフトウェアのソースコードを公開することで利用・修正・再頒布が可能となっている。オープンソース・イニシアティブフリーソフトウェア財団が標準化団体として存在し[26]オープンソースの定義フリーソフトウェアの定義によりオープンコンテントのソフトウェアの在り方を示している[27][28]。単純化した作品のコラボレーションと同様にモジュール化したソフトウェアのマッシュアップは複数の作者のコンテンツを一つのソフトウェアとして構築することを認めている。オープンソースの開発モデルは、科学研究などの古典的な学術分野に代表されるピア認識および共同利益のインセンティブを有すると分類されており、このインセンティブモデルから生じる社会構造はコンテンツの生産コストを低下させる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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