オートミール
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1984年10月にケロッグアメリカ国立癌研究所 (NCI) に認定を受け自社製品に食物繊維の多い食品はある種のがんを予防すると表示した[11]。その後、他のメーカーもこれに追従し、このような表示が氾濫していった[11]。結果として、食物繊維を多く含むシリアル食品を食べる家庭を200万世帯増やした[11]

1980年代後半、オートブランがコレステロール値を改善するとしてブームになり、1989年にピークを迎えた。ブームは1990年代初めには衰えたが、1997年1月にアメリカ食品医薬品局がオートブランやロールドオーツ(後述)を多く含む食品を低脂肪の食事と組み合わせて摂取すれば心臓病にかかる危険が低くなるという表示をつけることを許可した後、オートミールその他の燕麦製品の人気が再燃した。ロールドオーツは、食物繊維を多く含むため消化吸収を緩やかにし血糖値を安定させるはたらきを持つため、激しい運動をする人、特にウエイトトレーニングをしている人に人気がある。ボディビルダーの中には、アミノ酸蛋白質サプリメントをオートミールに混ぜて摂取する人が少なくない。
コロナ禍とオートミール

2020年のコロナウイルスの流行に伴う緊急事態宣言が発令された際、SNS上でオートミールが品切れになるという報告が相次いだ[12]。宣言解除後もAmazon.comの「シリアル売れ筋ランキング」の上位にはオートミールに関連した商品がランクインしていた[13]

インターネット上では、パンケーキなどの洋食から雑炊などの和食に至るまで、様々な調理方法が編み出されており[14][4][15]、ついにはレシピ投稿サイト「クックパッド」の「食トレンド大賞2020」の一つに選ばれた[16]。また、メーカー側がレシピを公開することもあった[17]

フォーブス・ジャパンの大竹初奈と石塚有紗は、巣ごもり生活の長期化によって健康意識が高まり、インフルエンサーが健康を保つためにオートミールを食事に取り入れていたことが人気の理由だと考えている[14]。また2人は、自粛期間中にお菓子作りが流行したことによって小麦粉などが売り切れたことも、オートミールの人気につながったと考えている[14]。朝日新聞の藤波優も、日本食品製造の担当者の話として、新型コロナウイルスの流行で健康に対する意識が高まったことやアレンジのしやすさが人気につながったとしている[4]

フードコンサルタントの小倉明子は仙台放送の取材の中で、様々なレシピにアレンジできる汎用性だけでなく、保存が効くこともオートミールの人気につながったと推測している[18]

一方、金融ジャーナリストの伊藤歩は、NHKあさイチ』などのテレビ番組で取り上げられたことが原因でオートミールの売れ行きが伸びたと分析している[15]。調査会社のインテージホールディングススーパーマーケットコンビニエンスストアドラッグストアなど全国6000店舗の2021年1月?10月の販売データを集計し、前年からの販売金額の伸び率を基に公表された2021年の「売れたものランキング」では首位となり、伸び率は前年度に比べ2.9倍であった[19]
ギャラリー

オートミール

オートミールとレーズン(調理前)

レーズン入りオートミール(調理後)

オートミールのクッキー

脚注[脚注の使い方]
注釈
出典^ 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
^ 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」
^ “FoodData Central”. U.S. DEPARTMENT OF AGRICULTURE. 2021年8月21日閲覧。
^ a b c d “オートミールが人気、手軽に調理できてアレンジ自在 コロナ禍で注目:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年12月4日閲覧。
^ 渡辺誠『昭和天皇のお食事』文春文庫、2009年、.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4167753382[要ページ番号]
^ 五訂増補 日本食品標準成分表 - 文部科学省
^ Davidson MH, Dugan LD, Burns JH et al ⇒"The hypocholesterolemic effects of beta-glucan in oatmeal and oat bran: a dose-controlled study." JAMA. 265(14), 1991, P1833-1839.
^ Shinnick FL, Mathews R, Ink S "Serum cholesterol reduction by oats and other fiber sources." Cereal-Foods-World, v.36(9),Sept 1991, p815-821
^ Marlett JA, Hosig KB, Vollendorf NW et arl."Mechanism of serum cholesterol reduction by oat bran." Hepatology, 20(6), 1994 Dec, P1450-7
^ 荒木茂樹, 伊藤一敏, 青江誠一郎 ほか、「大麦の生理作用と健康強調表示の現況」『栄養学雑誌』 2009年 67巻 5号 p.235-251, doi:10.5264/eiyogakuzashi.67.235
^ a b c マイケル・ヒースマン、ジュリアン・メレンティン 『機能性食品革命』 講談社、2002年4月。ISBN 978-4062112673。172-173頁。原著 The functional foods revolution 2001
^ 栗林史子 (2021年2月5日). “「コロナ太り」解消法? オートミールの需要増える”. 朝日新聞デジタル. 2021年8月21日閲覧。
^ 大竹初奈; 石塚有紗 (2020年10月24日). 松崎美和子: “食卓のニューノーマル? コロナ禍で「オートミール」の人気が爆発したワケ”. Forbes JAPAN. 2021年8月21日閲覧。


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