オートバイ用品の改良も行われていて、例えば、ヘルメットは事故の際に頚椎にできるだけ力をかけずに脱がせられる手段を設け[注釈 37]、ジャケットは革ツナギのほかにも新素材によるパッド付きのものや、エアバッグを内蔵したものが販売されている。肘、肩、膝のプロテクターは普及率が低く、胸部のプロテクターを着用しているユーザーはほとんどいなかったが、白バイ隊に配備されている物が民生発売されて認知度が上がりつつある[44]。ヨーロッパではCEマークを取得しないと販売できず、モーターサイクル装具の基準として肩、前腕、肘、尻、脛用プロテクターのEN1621-1:1997、脊椎プロテクター用のEN1621-2:2003がある。それぞれで衝撃吸収力が規定されていて、EN1621-1:1997の場合が衝撃を30%吸収して7割軽減し、EN1621-2:2003の場合が衝撃を64%吸収して約3分の1に軽減するLevel1、衝撃を80%吸収して約5分の1に軽減するLevel2とされている。日本ではプロテクターの販売に規格はないが、全国二輪車用品連合会が独自の安全基準を作成することを発表した。また日本では2018年10月から発売されるバイクについて、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が義務化された。
このほかにも、行政、オートバイのメーカーや業界団体、オートバイ雑誌などによってユーザーに対する啓発活動が行われている。オートバイ愛好家の団体にも、自主的なイベントなどを通じて啓発活動を行っているところがある。こういった活動には、単に「事故を起こさない」「事故に遭わない」といった予防策だけではなく、救護技術の習得などの対応策も含んだ講習を行う例もある[45]。
日本脊髄基金の統計 (1990 - 1992) によると、日本の脊髄損傷事故の原因のうち、約14%がオートバイによる事故である(四輪事故は約20%)。死亡率は高くないものの、救急救命士や医師は頚椎の保護を重要視する。これは初め無症状であっても頚部を動かすことによって脊髄損傷を誘発し、重度の傷害を負ってしまうことがあるからである。 自動二輪車は、エンジンを高回転にする操作も多く、また愛好家の一部には、高回転のエンジン音を好む者もいる。 しかし住宅街道路などで高回転で甲高いエンジン音を発生させることは、愛好家でない人々にとっては苦痛となり問題視される(騒音問題)。 また、構造やマフラーの性能不足に起因して騒音が発生する場合がある。
主なオートバイ専用の装備
ヘルメット
グローブ
ブーツ
プロテクター
オフロード用の装備を身につけた女性ライダー
騒音
脚注[脚注の使い方]
注釈^ なお『大辞泉』では「ガソリン機関による動力で走る二輪車」とされたが、2012年時点ではガソリン機関だけでなく、モーターやガスタービン
^ 「自動二輪車」は日本の道路交通法での用語、呼び方。「単車」のほうは法律用語ではなく、(昭和時代の人々が好んで使った)日常語。
^ パリ・ダカールラリーを創始したフランス語圏の人々はmotocyclette(モトシクレット)やmoto(モト)と呼び、日常では一般に短くmoto(モト)と呼ぶほうが好まれ、現在のダカール・ラリー競技でも二輪車部門をmoto(モト)と分類している。
^ @media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}原動機付きの二輪車全体を「オートバイ」と総称することは完全に定着しているわけではない[要出典]。
^ 「「オートバイ」という語は単なる俗称の一つに過ぎず、原動機付きの二輪車全体を指す言葉として用いるのに適さない[要出典]」という意見を言う人もいる。
^ 「bi」は「2」を意味する接頭辞で「cycle」は「輪」輪を示す。いずれもラテン語に由来する。
^ また、ヤマハ発動機のウェブサイトでは、2012年3月29日時点で、Motorcyclesのページ内に大きく「スポーツバイク」「スクーター」「競技用」の3つを立てている[1]が、「スポーツバイク」の中に、TMAX(=スクーター タイプ)も含めている[2]
^ スズキのホームページでは、2012年3月29日時点で、「二輪車」というタイトルのページをつくり、そこで排気量別で大きく分け、各排気量の中に、スクーターも含めて表示した。[3]
^ 『週刊バイクTV』は、オートバイに関する番組であるが、各社の大型スクーターの紹介を頻繁に行っている。
^ あるいは「オートバイ」という用語は最初から避け、「motorcycles」「二輪車」という用語を用いてスクーターも含めて様々なタイプのそれを説明・紹介している。
^ 出典に記載が無いため、記載されている台数と台湾の頁の人口より算出。
^ 発展途上国では、四輪自動車は庶民の年収と比較して高額なため、オートバイが購入される。発展途上国の都市部では、オートバイは交通渋滞をすり抜けやすいという利点もあり、特に重要な交通手段である。
^ 人体を基準にするので、黎明期から現代に至るまでおよそ全長200cm、幅70cm、高さ80cm程度の車格が用いられている。