オートバイの種類
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総じて大径のスポークホイールや長いストロークを持つサスペンション、軽量で細身の車体を持っているのが特徴である。軽量化のためにバッテリーやセルモーターを廃したものもある。かつては「スクランブラー」と呼ばれていた[6]
デュアルパーパス
オフロードタイプのうち、公道を走れるように法定保安部品類[注釈 2]を備えたものをメーカーの大分類ではこのように呼ぶ。メーカーによってはトレイルと呼ぶ場合もある。詳細は「デュアルパーパス」を参照
アドベンチャー
デュアルパーパスのなかでも大排気量のエンジンとハーフカウルを搭載したものを、近年ではアドベンチャーと呼ぶ例が多い。アルプスローダー(和製英語)やマルチパーパスと呼ばれる場合もある。アフリカオーストラリアに見られる広大で平坦な砂漠地帯でのラリーレイド競技(ダカール・ラリーなど)で従来から使用されている車両のイメージを踏襲しながら、一般ユーザー向けに舗装路や市街地でも快適で使いやすい設計とした製品が多い。
スーパーモタード
スーパーモタードという競技に用いられる車両である。詳細は「スーパーモタード」を参照
フラットトラッカー、ダートトラッカー
アメリカで発祥したダートトラックレースに特化したオートバイを指す。単気筒のエンジンを搭載したスリムで低めの車体で、サスペンションストロークは少なく、ダウンフェンダーで後部に大きなゼッケンプレートを持つ外観が特徴である。こうした外観的特徴を持ちながら保安部品を備えた車種も国産メーカーから市販されていたことがある。
モトクロッサー、モトクロスバイク
モトクロスと呼ばれる、林間や岩場などに設けられたコースでの競技に特化したもので、公道走行に必要な保安部品を持たないものがほとんどである。詳細は「モトクロッサー」を参照
エンデューロレーサー、エンデュランサー、エンデューロマシン、エンデューロバイク
オフロードの耐久レースに特化したオートバイを指す。モトクロスバイクに近いが、長時間の走行でも疲れにくい特性を持っている。公道走行できるようになっているものが多く、前述のデュアルパーパスと重なる特徴が多い。詳細は「エンデューロ」を参照
トライアルバイク、トライアラー
岩場や沢、、あるいは人工の障害物などを走破する技術を競う競技(トライアル競技)に特化したオートバイを指す。保安基準を備えて公道走行できる車種も市販されている。詳細は「トライアル (オートバイ)」を参照
ファームバイク、アグリカルチャー
一般的な特徴として、左右両側に備えられたサイドスタンド、大型のリアキャリアとハンドルポスト上のフロントキャリア、大型の泥除け(マッドガード)などを有し、人が歩く程度の速度で移動可能な低いギア比のトランスミッションや副変速機が備えられる。チェーンドライブの場合には牧草などの巻き込み防止のためにフルカバータイプのチェーンカバーが装備される場合がある。クラッチレバーやブレーキレバーを引いた状態で固定しておけるロック機構が装着されるなど、一般的なデュアルパーパスとは大きく異なる外観や機能性が持たせられている。かつては機構の一部を省略しながらもこうした外観的特徴を強く残した車種が国産メーカーから市販されていたことがある。

オフロードモデルの画像

デュアルパーパスタイプ

デュアルパーパスタイプ

アドベンチャータイプ

ダートトラッカータイプ

スーパーモタードタイプ

モトクロッサータイプ

エンデューロレーサータイプ

トライアルタイプ

アグリカルチャータイプ

タウンユースモデル出前機を搭載した出前仕様のカブ。ベトナムホーチミン市など、東南アジアでは日本とは比較にならない重積載で運用される事もしばしばである。

通勤通学、あるいは事業活動にオートバイが利用される場合は多く、こうした用途に向けて設計された車種をタウンユースモデルと呼ぶ場合もある。ファミリーバイクと呼ばれることもあり、メーカーによる製品の分類名とする場合や、保険会社が提供する特約の対象として、用途が限定された車両の区分として用いられている場合などがある。[注釈 3]また、報道や行政では、小型のオートバイを総称してミニバイクと呼ぶこともある。

片手がふさがった状態であってもシフトチェンジができるように遠心式自動クラッチを採用してクラッチレバーを割愛するなど、運用を補助する簡便な操作形態に設計されている場合がある。出力よりも経済性、利便性が優先され、積載量、耐久性、燃費や車両価格などに秀でた設計とされる傾向にある。
スクーター
ほとんどの車両がオートマチックトランスミッションを用いた簡単な操作で運転できる。フットボードの下をフレームが通る車体構成から車両を跨いで乗車する必要がない。詳細は「スクーター」を参照
ビジネスバイク
郵便新聞などの配達業務、ラーメン屋蕎麦屋などに代表される外食業界の出前業務、銀行証券会社の顧客訪問などに利用されることを主眼に設計された車種をこのように分類する。多くは原付もしくは小型自動二輪車で、高い耐久性と低燃費が特徴である。一般に、多くの荷物を積めるように後ろの荷台が大きく頑丈で、また大きな前カゴをつけられるように設計されている。サスペンションは重積載に耐えるように固めのバネが組まれ、後ろの荷台に大きく背の高い貨物[注釈 4]を積んだ際にも乗降が楽なように、アンダーボーンフレームを有する。雨天時でも足もとが前輪の泥はねで汚れないように両足を覆うレッグシールドを備える場合も多い[注釈 5]。詳細は「w:Underbone」を参照
宅配バイク
ビジネスバイクのなかでもピザやビールケースなどの運搬に最適化されたものが広く普及してこのように呼ばれるようになった。屋根付きの三輪スクーターが元来の形態で現行の市販車ではホンダ・ジャイロキャノピーが代表格となっている。1985年2月15日より道路交通法上はミニカーの扱いで[7]、ヘルメット着用と法定速度30km/hが適用されないことから、1985年に日本初の宅配ピザであるドミノ・ピザが創業する際に、ヒガ・インダストリーズがオリジナルで設計したのが始まりであった。1980年代後半から登録台数の増加に伴って事故も激増したことを受け、運行上の特性が二輪車に類似しているなどの理由から、1991年1月1日から道路交通法上の扱いが原動機付自転車に変更された[7]。後部には宅配商品を乗せるトランクが付いている。現在では屋根付き三輪スクーターに限らず、似たような形態のものを呼ぶ場合も多い。詳細は「ミニカー (車両)」を参照
モペッド
自転車のように足でこぐこともエンジンの動力で走ることもできる二輪車を指す。日本では訛ってモペットとも呼ばれる。原動機を指すモーター (motor) とペダル (pedal) のかばん語でモペッド (moped) と呼ばれるようになった。無免許で運転可能なフランスやイタリアの製品が多いが、現在の日本ではエンジンの動作状態にかかわらず原動機付自転車の扱いとなるため普及していない。詳細は「モペッド」を参照

タウンユースモデルの画像

50ccのスクーター

125ccのスクーター。簡単操作でありながら、50ccよりも大きなパワーが期待でき、しかも法的にも60km/hまで(未満)の走行が認められている。スズキ・アドレスV125S

スクーターの簡単操作のまま積載量を増強したタイプ

丸みをおびたデザインや暖色系のカラーリングなどで女性を意識したモデルも多い。

ビジネスバイクの代名詞となっているホンダ・スーパーカブ

ピザ配達用の3輪モデル(ホンダ・ジャイロキャノピーの改造車)

郵便配達用のカブ。

路面状態の悪い地域での運用を見据えた車種も存在する。

「跨る」着座スタイルのビジネスバイク、ヤマハ・YB50

ホンダ・CD250U。ほぼオンロード車に近い形態であるが、大型キャリアなどの存在によりビジネスバイクに分類される。

中食のデリバリーにも多用されるホンダ・ジャイロ


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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