オートハープ
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シンセサイザーオートハープ

1981年に登場したシンセサイザー版のオートハープであるオムニコードは、「デジタル・ソングカード・ギター」とも表現され、最新モデルの「Qコード」が現在の商品名称となっている。
演奏方法

当初、オートハープはコンサート・ツィターのように卓上に平置きし、左手でコード・ボタンを押下し、右手には通常、べっ甲、プラスチック、または圧縮されたフェルトで作られたギター用のフラットピックを持ち、1度のストラムにてコードバーの下側の狭い範囲で複数の弦を弾いて和音を鳴らしていた。

このような演奏方法によって、オートハープは和音伴奏のリズム楽器として考えられるようになり、現在でも多くの人がそのように考えている。しかしながら、新たなテクニックが開発され、最近の奏者はメロディを演奏することもできる。例えば、ダイアトニック・オートハープの奏者は、個々の弦を弾きながらボタン押し離ししてコードバーを「ポンピング」するオープンコード奏法でフィドルの曲を演奏することができる。熟練したクロマチック・オートハープ奏者も、様々なメロディー、和音、複雑なリズムの伴奏を含むソロを演奏することができる。
立奏

20世紀半ばに、オートハープをテーブル上ではなく、膝の上に保持し、または楽器の背(足)を胸に当てて直立した状態で演奏することが行われるようになった。

グランド・オール・オプリーのセシル・ヌルは、1950年代にこの演奏スタイルを最初に公の場で採用したとされている。このポジションでは、左手は今までとは異なりコードボタンを楽器の反対側から操作し、右手はコードバーの上側の部分でストラムすることにより演奏を行う。(下のJoe Butlerのイラストを参照してください)

この演奏モードは、ピッキングできる弦の範囲を広くでき、音色の可能性を広げられるので非常な人気となり、すぐに他の演奏家、特にカーター・ファミリーのメンバーにも採用された。
フィンガーピッキング

1970年代初頭までには、いくつかの演奏家がフィンガー・スタイルのテクニックを試していた。ブライアン・バウアーズはこの奏法の達人となり、右手の5本の指すべてを使った複雑なテクニックを開発した。これにより、彼はソリストとして独立したベース音、コード、メロディ、カウンター・メロディを演奏することができるようになった。また、ブライアン・バウアーズは楽器にストラップを付け、立ったまま演奏できるようにした先駆者の一人でもある。
著名な演奏者.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}Trixie Mattel playing her autoharpJune Carter with her autoharp
国外

カーター・ファミリーメイベル・カーターとサラ・カーター(英語版)

初代カーター家の母メイベル・カーターは、1940年代後半に、娘たちである「カーター姉妹」との共演の際にリード楽器としてこの楽器を使用して、この楽器を有名にした。他にもサラ・カーター、ジャネット・カーター、ジョニー・キャッシュ、そしてカーター・シスターズの全員がこの楽器を演奏してた。カーター家のメンバー全員の膨大な数の録音には、オートハープの使用されたものが含まれている。メイベル・カーターの孫娘カーリーン・カーターはステージやレコーディングで頻繁にオートハープを演奏しており、祖母へのトリビュート曲である "Me and the Wildwood Rose "ではオートハープを使用しています。

ブライアン・バウアーズ

ブライアン・バウアーズはオートハープを複雑なフィンガーピッキングで演奏するスタイルを開発し、1970年代のディラーズとのブルーグラス・パフォーマンスに参加し、後に自身のソロ・アルバムも作成している。ブライアン・バウアーズは楽器をカスタマイズする実験を早くから行っており、コードバーの上側に右手の指が入るスペースを広く確保するために、コードを8?10和音に絞ることもしばしばあった。また、彼は音楽教育者でもあり、この楽器の強力な支持者でもあり、1993年にはオートハープの殿堂入りを果たしている[11]

キルビー・スノウ(英語版)

キルビー・スノウ(Kilby Snow、1905年5月28日 - 1980年3月29日)は、アメリカの民族音楽家であり、5歳の時にノースカロライナ州のオートハープ・チャンピオンの称号を獲得したオートハープ名人奏者である。彼は、左利きであることを利用して「スラスラ(slurred)」とした音を出す「ドラッグノート」という奏法を開発した。彼の録音は少ないが(1960年代にフォークウェイズ・レコードから1枚のアルバムを出している)、オートハープ演奏者の間で絶大な影響力を持っており、多くの人が最初の現代オートハープ演奏者と考えている [12]

ジャニス・ジョプリン

ジャニス・ジョプリンは時折オートハープを演奏しており、初期の未発表の録音「So Sad to Be Alone」で聴くことができる[13]

マイク・シーガー(英語版)

ビリーコノリー(英語版)

ハーベイ・リード(英語版)

ポップ・スノウマン(英語版)

ライル・メイズ

ケネスとネリア・ベンフィールド(英語版)

カレン・ミューラー(英語版)

キャロル・ストーバー(英語版)

ジョン・セバスチャン(英語版)
Joe Butler playing an Oscar Schmidt Appalachian model autoharp with The Lovin Spoonful

ラヴィン・スプーンフルの曲のいくつかは、ジョン・セバスチャンのオートハープ演奏を特徴としており、「魔法を信じるかい()」や「あなたはそうする必要はなかった(英語版)」。 彼は1979年のRandyVanWarmerヒット曲「JustWhenI NeededYouMost」にも出演しました[14]

その他

イギリスのシンガー・ソングライター、コリーヌ・ベイリー・レイは定期的にオートワープを演奏しており、2010年のアルバム『The Sea』のタイトル曲をオートワープで作曲している。[15]

ノルウェーのアヴァンギャルド・アーティストスターレ・ダグスランドは、オートハープを使った演奏を頻繁に行っている。[16]

シンガーソングライターのブリッテン・アッシュフォードは、2008年にリリースした「There, but for You, go I(英語版)」をはじめ、オートハープを使用した楽曲で知られている。また、デイヴ・マロイが作曲した4人編成のソング・サイクル「ゴースト・カルテット」では、その役割の一部として定期的にオートハープで演奏している。

2017年には、ドラァグクイーンでシンガーソングライターのトリクシー・マテルがアルバムTwo Birdsen(英語版)でオートハープを使用した。マテルは通常のドラッグパフォーマンスの一部としてもオートハープを演奏している。[17]

2020年にはルビー・スロートのKatieJane GarsideがアルバムGeiger Counterをリリースしており、その中で彼女はオートハープにフィーチャーされている。
日本

西岡たかしフォークソングでは、1968年発売の五つの赤い風船遠い世界に」でオートハープを演奏していたことで知られている。


山下達郎世界の果てまででオートハープを使用している。

製造
メーカー・ブランド

東海楽器製造(クロマハープ、クロマリン) - クロマハープは2008年取扱中止後[18]、2018年3月に再開[19]

アリア(コードハープ)

オスカー・シュミット社(英語版)(オートハープ) - ワッシュバーンのオートハープ部門

個人ビルダー等

世に流通しているオートハープは上述のようにメーカーで量産されたものが多いが、個人製作のものも存在する。個人でオートハープを製作する職人を「オートハープビルダー」または「オートハープルシアー」と称することもある。

日本におけるオートハープビルダー、および、修理を行う工房には以下がある。

箕田泰生
:オリジナルブランド ⇒kotokoto-harpの名を冠してオートハープの受注製作を行っている。

DulciCraft:ハンマー・ダルシマー、マウンテンダルシマーの販売・修理以外に、オートハープの販売・修理、も行っている。

関連項目

ドルセオラ
(英語版)

ギター・ツイター(英語版) (chord zither, fretless zither)

ギタロー(英語版)

マルクソフォン(英語版)

オムニコード (electronic autoharp)

ツィター

脚注[脚注の使い方]^ Kelly Williams (2003年5月11日). “ ⇒Background of the Guitar-Zither”. The Guitar-Zither Clearinghouse. 2021年2月3日閲覧。
terminology on the "Chorded zither" (referred Autoharp without trademark infringement with Oscar Schmidt International), "ギターツィター(英語版)" (patented by Fred Menzenhauer in 1894), and "Chord zither" (referred Guitar-Zither, appeared in The Oxford Companion(英語版) to Musical Instruments, and The New Grove Dictionaryen(英語版) of Musical Instruments).
^ Gregg Miner and Kelly Williams (2011年7月). “ ⇒Selecting the Term”. Fretless Zithers. 2021年2月3日閲覧。


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