その姿は、主に長い髭をたくわえ、つばの広い帽子を目深に被り[注釈 2]、黒いローブを着た老人として描かれる[12]。戦場においては黄金の兜を被り[13]、青いマントを羽織って[14]黄金の鎧を着た姿で表される[15]。
また、トールと口論した渡し守ハールバルズの正体は変装したオーディンである。ゲイルロズ王の城を訪ねて炎の中に座らされたグリームニルもオーディンの別の姿であった。
霜の巨人のスットゥングが隠匿していた詩の蜜酒を略奪するため策略をこらした。オーディンは、蛇に変身して蜜酒のある場所へ侵入し、蜜酒の番をしていたスットゥングの娘グンロズの前で美青年の姿になって3夜を共にした後、彼女から3口分の蜜酒を飲ませてもらった。しかしオーディンはその3口で蜜酒の3つの容器を空にすると、素早く鷲に変身してアースガルズへ戻った。蜜酒は詩の才能のある人間たちにオーディンによって与えられることとなった。
最後はラグナロクにて、ロキの息子であるフェンリルによって飲み込まれる(または噛み殺される)結末を迎える。 古ノルド語で書かれた歌謡集(詩群)である古エッダに収録されている型式の詩で、「ハーヴァマール(Havamal, 高き者の言葉)」は別名「オーディンの箴言」と和訳されている。 サクソ・グラマティクスが記した歴史書『デンマーク人の事績』第三の書ではオーティヌス[16](またはオティヌス[17])として登場する。息子のバルデルス(バルドル)をホテルス(ヘズ)に殺され、その敵を討つ子供をもうける為に、半ば強引な手段を使ってルテニ王の娘リンダ(リンド)と交わるが、それが原因で王位を追われた。しかし、後に賄賂によって復権した[18]。 パウルス・ディアコヌスがイタリアで8世紀に記した歴史書『ランゴバルドの歴史 オーディンは半巨人的な存在である ボルと女巨人のベストラの間に生まれた。
エッダ詩「ハーヴァマール」
『デンマーク人の事績』
『ランゴバルドの歴史』
系譜17世紀のアイスランドの写本『AM 738 4to』に描かれたオーディン。18世紀のアイスランドの写本『NKS 1867 4to』に描かれた、フギンとムニンから報告を受けるオーディン。18世紀のアイスランドの写本『SAM 66』に描かれた、スレイプニルにまたがるオーディン。1899年に刊行された『ヘイムスクリングラ』の挿絵。ノルウェーの画家イェールハルド・ムンテによる。リヒャルト・ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』にはオーディンに相当する神「ヴォータン」が登場する。アーサー・ラッカムが描いた、8本脚の馬で天翔るヴォータン。