『オーシャンズ12』(オーシャンズ・トゥエルブ、原題: Ocean's Twelve)は、2004年のアメリカ映画。主人公ダニー・オーシャン率いる犯罪スペシャリスト集団の活躍を描いたシリーズの続編。舞台をヨーロッパに移し、「ファベルジェの卵」を巡って怪盗「ナイト・フォックス」と対決するケイパー映画。監督はスティーヴン・ソダーバーグ。主演は引き続きジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットほか、マット・デイモンやジュリア・ロバーツが登場し、新規キャストとしてキャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ヴァンサン・カッセル、特別ゲストとしてアルバート・フィニー、ブルース・ウィリスが登場する。
本作のチームは、前作の11人にテスを加えた12人となっている。 ダニー・オーシャンとその仲間たちが、テリー・ベネディクトのカジノから1億6千万ドルの大金を盗み出すことに成功してから数年後。ダニーは、テスと再婚をして幸福な生活を送り、またラスティはホテル業界に参入するなど、各々が自由気ままな生活を送っていた。しかし、そんなメンバー1人1人の面前に突如ベネディクトが現れる。ベネディクトは、2週間以内に盗んだ1億6千万ドルに利子を付けて返すよう迫る(総額約2億ドル)。集まったダニー達は、その内、使ってしまった金や利子の分9700万ドルを埋めるため、再び全員で仕事をすることを決意するが、ソール・ブルームは離脱した上、前回のカジノ強盗によりアメリカ本土において短期(残り13日)で大金を稼ぐような仕事は難しく、舞台をヨーロッパに移す。
ストーリー
一方、ユーロポールの窃盗専門の敏腕捜査官イザベル・ラヒリは、事件の捜査を担当し、現場の状況から犯人一味がかつて自分を利用した元恋人ラスティであること、さらに自身が追っている怪盗「ナイト・フォックス」に彼らが出し抜かれたことを察知する。すぐにフランク・キャットンを捕まえると、さらにラスティに会いに行き、証拠がないため捕まえこそしないが、彼の携帯電話を盗み出し、ダニーらに対する警戒網を張る。しかし、ダニー達もまた、イザベルのセリフから妨害者の正体が、かつてヨーロッパで名を馳せた大泥棒ギャスパー・ルマークの弟子であるナイト・フォックスだと知る。
木曜日(あと6日)。警戒網からの脱出時のミスでイエンがブリュッセル(ベルギー)に行ってしまうなどのトラブルに見舞われる中、ダニー達は、とあるツテからナイト・フォックスの正体が、成功した青年実業家で貴族でもあるフランソワ・トゥルアーであると知る。さっそくダニー達は、その日の内に意趣返しとしてイタリア北部のコモ湖の湖畔にある彼の邸宅から絵画を数枚盗み出す。翌日(あと5日)、ダニーはトゥルアーと面会する。トゥルアーは三大カジノ強盗を成功させたダニーが「世界一の泥棒」と評され、それを師匠のルマークが否定せず、プライドを傷つけられたことから、本当の世界一を決めるために泥棒勝負がしたく、ベネディクトに情報を流したと話す。その上で、標的は今朝、パリの美術館よりローマの美術館に移送され、月曜日(リミットの2日前)から展示予定の「ファベルジェの卵」であり、もしダニーたちが勝てば、ベネディクトへの支払いはすべて自分が立て替えると約束し、ダニーは勝負を受ける。一方、イザベルもまた、盗んだラスティの携帯電話への着信情報などを踏まえて、彼らの狙いが「ファベルジェの卵」と知る。上司に緊急配備を依頼するが、過去の失敗があって指令書への署名を拒絶されてしまう(その後、署名を偽造して特別捜査網を張らせる)。
ローマに集まったダニーらは、卵の強奪計画を練る。美術館の夜間セキュリティは厳重すぎるため、昼間の展示を狙うこととし、ラスティの旧友の技術者ローマン・ネーゲルが製作した精巧な3Dホログラムとすり替える計画を立てる。一見、完璧な作戦に見えたが、ダニーとラスティは失敗を確信しており、さらにトゥルアーは自分の絵画を盗んだ実行犯であるリヴィングストン・デル、バージル・モロイ、そしてラスティが映った防犯カメラの映像をイザベルに渡していた。そして月曜日(残り2日)、美術館に集まったダニーらであったが、未だ手配書が作られておらず単独行動をしていたライナス・コールドウェル、バシャー・ター、ターク・モロイ以外は、全員が逮捕されてしまう。
逮捕を免れアジトに戻ってきたライナスら3人は明日1日の猶予しか無い中で、素人のテスをローマに呼び寄せると、妊娠中のジュリア・ロバーツに変装させ、3Dホログラムにすり替えるという奇策を立てる。期限当日、ローマにやってきたテスを説得し、ジュリアに見せかけるが、本物のブルース・ウィリスがいるなど計画が狂っていく。