オーク_(トールキン)
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広義の解釈については「オーク (架空の生物)」をご覧ください。

オーク(OrcまたはOrk)は、J・R・R・トールキンの作品世界中つ国に住む、人間とは異なる種族。『ホビットの冒険』初版では一箇所のみで使われた名称で、それ以外の箇所では「ゴブリン」と呼ばれている。『指輪物語』や『シルマリルの物語』ではモルゴスサウロンら悪の君主や魔法使いサルマンに仕える兵士(や副官)として登場する。

剣名オルクリスト[注 1]もじつは「オークを裂くもの」の意である[注 2]
概要

オークとは、J・R・R・トールキン作品に登場するゴブリンたちの名称である[3]

オークは、中つ国という架空世界にあるとされる幾つかの言語で異なる名称がつけられており、そのひとつが「ウルク」である(§架空言語名参照)。作中、改良種とも人間との交配種ともいわれるのがウルク=ハイである。実写映画版では「ウルク」を大型種の呼称としてもちいていた(§ウルク参照)。「狼乗り」と呼ばれるオークも存在した(§狼乗り参照)。オークは西方語も解し、異なる血統族のあいだではこの共通語で話す。

オークには戦闘員向けの大型種ウルク(種族名ウルク=ハイ)がおり、より小柄の普通種はスナガ(奴隷)とも呼ばれる。狼に騎乗することも知られ、騎狼隊(ウルフ=ライダー)と呼ばれる。

祖先はエルフ族だが、モルゴスたるメルコールにとらわれ創り出された種族であると外伝(『シルマリルの物語』)に伝わる。小説や映画ではゴブリン女があらわれる場面はないが、女性のオーク(ゴブリン)は存在するものとされ、人間と同じく異性と番って子供をつくるとされる。

作中、ホビット族の成れの果てのゴクリ(ゴラム)や大蜘蛛がオークを捕食する描写がある(§オークの肉参照)。
語釈

最初の原作『The Hobbit』初版(1937年)では"orc"の単語は一度のみ使われており、これ以外にOrcrist オルクリストという剣名に用いられるが、他所では同義語としてgoblinが充てられていた[4][5]。しかし続編の『指輪物語』では orcが多用されている[5]

ホビットの冒険』(和訳)では、唯一の使用箇所は「何とも例えようのないオーク鬼」(瀬田貞二訳、1965年)[6]や「山のオーク(悪鬼)」(山本史郎訳。1997年[7])などと訳出されている。

剣名は「オルクリスト」と音写が使われているが(瀬田訳、山本訳とも)、これはエルフ語名[注 3]という設定になっており[8][1]、作中では(共通語で)goblin cleaver(原書)「ゴブリン退治」(瀬田訳)、「ゴブリンを裂くもの」(山本訳)を意味する名であると説明されている[注 4]
起源「オーク (架空の生物)#語源」も参照

トールキンは「オーク」という語を、古英語(アングロサクソン語) orc (「悪魔」)から借用したが、それはあくまで「発音的適宜性」による理由であるとしている[注 5][5][9]。そして自分の"オーク"の設定は、ジョージ・マクドナルド作『お姫さまとゴブリンの物語』(英語版)より多大な影響を受けていると説明している[9]

トールキンはまた、自分が用いる Orc は、イルカ目の海獣を意味するOrcとは関連性が無いとも述べている[11]シャチの学名・ラテン名は Orca である)。『オックスフォード英語辞典』(通称OED)のorcの項は、第一義としてこの「海獣」、第二義として「喰らう怪物、オーガ」としていた[12]。同辞典の寄与者であったトールキンは、無論OEDのこの項を参考にしたはず、と考察される[13]

第二義の語源は、古英語 orc に遡及するとされ[12]、トールキンもorcは古英語由来だとするので[11]、いわば同根語である。
古英語語源

元となった "orc" という古英語は、英雄詩『ベーオウルフ』や、古英語語彙集に用例があることトールキンは述べている[注 6][11][16]

『ベーオウルフ』の用例では、悪玉の怪物グレンデルについて、同じ血統に「オーク=ネ」たちという種族がいることが記述されている(原文は複数形:"Orc-neas。シッピー現代英語訳:demon-corpses 悪魔の骸たち[17]。忍足訳:悪霊[18]。トールキン現代英語訳:haunting shapes of hell[19]、その岡本千晶訳:死にそこないの悪魔の形をした生物[20])がいるという(ちなみにグレンデルと同じカインの末裔には他にも"エティン巨人族やエルフ族等がいると書かれている)[17][注 7][注 8]
スペル

トールキンは『指輪物語』以後の著述では、orkと綴るのを正表記とみなし、常に用いるようになった。だが『指輪物語』を後発的にこの表記に準じさせることは断念している。『シルマリルの物語』発行の際には一度はork採用の決断に至ったものの、編者であるクリストファーが『指輪物語』との一貫性を理由に父の意向を拒んでいる[21]
架空言語名

トールキンの文学世界にはアルダの言語と称して色々な部族の言語が創作されていることは有名だが、そのなかで共通語(Common Speech)はヒト語系(Mannish)の「西方語」であるとされる。『ホビットの冒険』は、その西方語(共通語)[23]で書いた『西境の赤表紙本』をトールキンが英語に訳出した、という虚構をとっている[24]。オークたちも異なる部族間のあいだではこの西方語で会話した[25][26][注 9]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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