オンリー・ゴッド
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トレーニングにはレフンも参加した[10]。ゴズリングとレフンは『ドライヴ』(2011年)でも協働していた。
クリスタル
演 - クリスティン・スコット・トーマス[2]、日本語吹替 - 宮寺智子ジュリアンとビリーの母親で、「無慈悲で恐ろしいマフィアの教母」[8]。ビリーの死の報せを受けてアメリカから駆け付ける。ビリーには強い愛情を持っているが、ジュリアンには憎悪の混じった複雑な感情を抱いている。兄の仇討ちに積極的でないジュリアンを責め立て、自らも刺客を使ってチャンを狙うが、刺客を返り討ちにされ、ジュリアンが叩きのめされるのを目の当たりにする。自らが襲撃の黒幕であることも知られ、アメリカへ逃げ帰ろうとした矢先に、チャンの訪問を受け殺される。演じたスコット・トーマスは、2011年5月にキャストに加わった[11]
チャン
演 - ヴィタヤ・パンスリンガム[12]、日本語吹替 - 仲野裕壮年の元警官。現役を退いた一般人だが、制服警官を従えて私的に犯罪者を処刑する異常な権限を持つ。娼婦を惨殺したビリーをその父親に殺させたことで、クリスタルに刺客を差し向けられるが、その襲撃を退け、ジュリアンを圧倒し、最後にはクリスタルを追い詰めて殺す。常軌を逸した暴力性を持つ人物で、敵対するものは殺すか徹底的に痛め付け、情報を得るためには凄惨な拷問を行う。ビリーに殺された娼婦の父親をすら、「親の務めを怠った」としてリンチに掛け、片腕を切り落としている。刀の扱いに長けるほか、ムエタイの技も使いこなし、素手で挑んだジュリアンを一蹴するなど、絶対的な力を振るう。
ビリー
演 - トム・バーク[13]、日本語吹替 - 中尾一貴ジュリアンの兄。ジュリアンと共にムエタイジムを経営し、裏では麻薬密売を行う。荒んだ人格の持ち主。16歳の娼婦をレイプして殺したことで、チャンによって間接的に処刑される。
マイ
演 - ラータ・ポーガム(ヤーヤーイン)[12]、日本語吹替 - 優希ジュリアンの馴染みの娼婦。
ゴードン
演 - ゴードン・ブラウン、日本語吹替 - 加藤清司
製作

レフンは「全編極東が舞台で、現代のカウボーイヒーローが登場する西部劇スリラーのアイデアを最初から持っていた」と述べている[2]。彼は当初『ヴァルハラ・ライジング』(2009年)の後に本作を監督する意向であったが、ゴズリングの要望により『ドライヴ』を代わりに監督することとなった[14]。ゴズリングは本作の脚本について「私がこれまでに読んだものの中でも最も奇妙」と説明した[7]。本作は『ドライヴ』と同様ほぼ時系列順に撮影され、また撮られた映像の多くはその日のうちに編集された[2]

2012年の第65回カンヌ国際映画祭で一部映像が上映された[15]。レフンは『Only God Forgives』と『ドライヴ』の繋がりを描き、「(『Only God Forgives』は)どても言語的な繋がりがある」「リアルな感情に基づいているが、誇張された現実が舞台だ。それはおとぎ話だ」と述べた[14]

2013年4月3日に「レッド・バンド」予告編が公開された[16]

この作品撮影中の様子は、レフンの妻であるリヴ・コーフィックセン(英語版)によって撮影され、ドキュメンタリー映画『マイ・ライフ・ディレクテッド・バイ・ニコラス・ウィンディング・レフン』として公開された[17]
評価

第66回カンヌ国際映画祭のプレス上映において、スタンディングオベーションを受ける一方、ブーイングも飛び交うなど、激しく賛否が分かれた[18]

映画レビューサイトRotten Tomatoesでは、否定派が優勢となった。149件のレビューがあり、批評家支持率は40%、平均点は10点中5.1点となった。否定派は過激な暴力描写に嫌悪感を抱いたが、肯定派はその暴力描写の中にある種の美しさを見出している。しかし、主人公の母親を演じたクリスティン・スコット・トーマスの演技に関しては多くの批評家が高く評価している[19]

また、6月5日から6月16日にかけて開催された第60回シドニー映画祭において、グランプリを受賞した[20]
参考文献^ Dimako, Peter (2011年6月30日). “ ⇒FilmDistrict acquires Nicolas Winding Refn's ONLY GOD FORGIVES starring Ryan Gosling”. Upcoming-Movies.com. 2012年3月7日閲覧。
^ a b c d e Jagernauth, Kevin (2012年3月30日). “ ⇒Nicolas Winding Refn Talks Making 'Only God Forgives' & Considers Tokyo Setting For Horror 'I Walk With The Dead'”. The Playlist. IndieWire. 2012年7月10日閲覧。
^ “Only God Forgives”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2013年10月18日閲覧。
^“Hard Drive”. Bangkok Post. ⇒http://www.bangkokpost.com/arts-and-culture/film/262431/hard-drive 2012年3月7日閲覧。 
^ “ ⇒2013 Official Selection”. Cannes (2013年4月18日). 2013年4月18日閲覧。
^ Bustos, Kristina (2013年5月2日). “ ⇒Ryan Gosling's 'Only God Forgives': Behind-the-scenes video released”. Digital Spy. Hearst Corporation. 2013年5月7日閲覧。
^ a b c Otto, Jeff (2011年9月26日). “ ⇒Ryan Gosling Calls Upcoming Project 'Only God Forgives' The "Strangest Thing" He’s Ever Read”. The Playlist. IndieWire. 2012年3月7日閲覧。
^ a b Goldberg, Matt (2011年11月2日). “ ⇒First Synopsis for Nicolas Winding Refn’s ONLY GOD FORGIVES Starring Kristin Scott Thomas and Ryan Gosling”. Collider.com. 2012年7月11日閲覧。
^ Fischer, Russ (2011年6月23日). “ ⇒Ryan Gosling Joining Nicolas Winding Refn's 'Only God Forgives' [Updated]”. /Film. 2012年3月7日閲覧。
^ a b Mackey, Michael (2012年1月27日). “ ⇒Ryan Gosling Responds to Oscar Snub; Reveals Details of Project Filming in Bangkok”. The Hollywood Reporter. 2012年7月10日閲覧。
^ Fischer, Russ (2011年5月2日). “ ⇒Nicolas Winding Refn Casts Luke Evans and Kristin Scott-Thomas in Thai Western ‘Only God Forgives’”. /Film. 2012年7月10日閲覧。


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