オンライン新聞は、印刷された新聞に準じて扱われ、名誉毀損や、プライバシー、著作権などの法的な扱いにおいて、法的には通常の新聞と同様のものと見なされ[6]、イギリスをはじめとして多くの国々においては、オンライン出版物に関する法の対象ともされる。イギリスでは、報道苦情処理委員会
(英: Press Complaints Commission)の統制下にも置かれたのみならず、データ保護法(英: Data Protection Act 1998)も、オンライン新聞やニュース・ページに規制の網をかけている[7]。しかし、イギリスの民衆にとって、何がブログで、何がフォーラム・サイトで、何がオンライン新聞かは、余りはっきりとはしていなかった。2007年、イギリスに活動の拠点を置くオンライン新聞や、ニュース音声や映像を扱うウェブサイトなどについての正式な規制政策が成立して、その責任の所在が明確にされ、何がオンライン出版(online publication)であり、何はそうではないのかが明示された[8]オンライン新聞の記者たちは、ビデオの撮影法も教わり[9]、インターネット上のニュース・ページに必要とされる、簡明な書き方で記事を書くことを修得する。記者たちの多くは、ブログの書き方を学び、特にイギリスではPCCの方針によって、この方面でのインターネットの発展が促進された。一部の新聞は、新聞製作のあらゆる過程にインターネットを取り込もうと試み、印刷する新聞とオンライン新聞の両方に向けた記事を記者に書かせたり、クラシファイド(小さな広告欄を集めた紙面)の広告を、印刷とオンラインの両方に載せるようにしたが、これとは逆に、印刷する新聞とははっきりと異なる形でウェブサイトを運営している新聞もある。米国の新聞全国ネットワーク(英: Newspaper National Network)は、オンライン広告の販売を手がける米国新聞協会(英: Newspaper Association of America)と大手25紙から成る組織である。
2006年の時点で、新聞社のウェブサイトは多くが無料で内容を提供しており、ウェブサイトから収益を上げていると主張する新聞はほとんど存在していなかった。日刊新聞の利益が圧縮され、発行部数も減少する中で、閲覧者に閲読料金を課することなく、ウェブサイトから収入を得る、新たな手法が模索された。しかし、その答えを見出すのは困難であった。特化した読者層をもつ『ウォール・ストリート・ジャーナル』や『The Chronicle of Higher Education』などは、閲読料金を徴収することに成功した。『ロサンゼルス・タイムズ』、『ワシントン・ポスト』、『USAトゥデイ』、『ニューヨーク・タイムズ』などをはじめ、ほとんどの新聞は、現在はオンライン版をもっている。
『ガーディアン』は、2005年に新しいメディアを使った実験を行ない、リッキー・ジャーヴェイスによる12部から成る無料のポッドキャストを提供した[10]。イギリスの新聞では、『デイリー・テレグラフ』もオンライン版を出した。2016年3月には『インデペンデント』が紙面を廃刊し完全なオンライン新聞に移行した。
日本におけるオンライン新聞詳細は「ニュースサイト」を参照
日本では、新聞社など既存の印刷媒体によるインターネットを介してニュースを提供するウェブサイトを「ニュースサイト」と称することがよくある。
朝日新聞は、1995年からインターネット上に「アサヒ・コム」(asahi.com:後の朝日新聞デジタル)を設けて一部ニュースの無料提供を行なっていたが[11]、1998年ころからこれを「朝日新聞のニュースサイト」と説明している[12][13]。
読売新聞は、1995年から運営するニュース速報サイト「ヨミウリ・オンライン (YOMIURI ONLINE, YOL)」を「総合ニュースサイト」と位置づけており[14]、さらに携帯電話向けの有料サービスである「NEWS読売・報知」なども「ニュースサイト」と称している[15]。
また、産経新聞は、1996年にフジテレビジョン系列のアナログ放送の電波領域を使い、同新聞の記事を文字情報で読むことができる「E-NEWS」というサービス[16]を実施し、当初は関東地方限定で提供し、順次拡大する方針だったが、受信端末などが高価だったことから普及が進まず、わずか半年で有料サービスを廃止、2年後にはサービス自体も終了している[17]。 インドでは、『ザ・タイムズ・オブ・インディア』、『Hindustan Times
その他の国々におけるオンライン新聞
オーストラリアでは、『オーストラリアン』、『シドニー・モーニング・ヘラルド』など一部の新聞社が、読者がオンラインでニュース記事を読めるように、オンライン版を提供している。
チリのサンティアゴにある『The Santiago Times』は、全面的にオンライン化しており、毎週月曜日から金曜日まで、チリ国内の出来事について英語で発信している。 本当の意味でのオンライン・オンリー・ペーパー(online only paper)は、いかなる印刷物とも関わりなく出されているものである。イギリスでは2000年に、『Southport Reporter
オンラインのみの新聞
米国では、CNET、TechCrunch、ZDNetといった技術情報系のニュース・サイトが、ウェブ上での情報提供とし始まり、在来型の新聞に匹敵する読者を獲得してきた。さらに、オンライン・メディアの更なる発展を受けて、歴史ある印刷媒体の中にも、『USニューズ&ワールド・レポート』のように、印刷媒体をやめてオンライン・オンリーへ移行するものが現れている。
日本では、オンライン新聞のうち、『JanJan』、『ライブドア PJ』、『オーマイニュース』のように印刷媒体を持たず、市民記者の記事を中心に編成するものを、インターネット新聞と呼んでいたが[19]、『オーマイニュース』日本版は2009年閉鎖[20]、『JanJan』は2010年に休刊し[21]、『ライブドア PJ』を継承した『PJニュース』も2013年に休刊となった[22]。