オンライン整数列大辞典
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しかし、包丁を入れない場合を考えるのは無意味であるとの解釈もあり、MathWorld は 2 を初項としている[8]

オフセットは重要な項目であるが、ときどき数列の投稿者が、デフォルトのオフセット 1 が適当かどうかをチェックすることを怠るために混乱がおこる。

Offset の欄には通常ふたつの数が記載されている。ひとつ目の数は上に説明された意味を持ち、ふたつ目の数は「絶対値が 1 より大きな数が初めて現れるのは初項から数えて何項目か」を表している。このふたつ目の数は、検索の速度を上げるのに役立っている。例えば、第 n 項が位数 n のの個数である数列 A000001 は 1, 1, 1, 2 で始まり、その前に n の項が 0 である 0 が並んでいるので、オフセットの欄には 0, 5 と記載されている。また、全ての項が 0, 1, -1 のどれかならば、ふたつ目の数は 1 と記載される。
Comment(コメント)

この欄には、他の欄に記載されるのが適当でないあらゆる情報が記載される。他の数列との興味ある関係や、定義からすぐに導かれるわけではない応用例などである。

例えば Lekray Beedassy は立方数の列 A000578 に次の意味のコメントを与えている。「三角形の二辺を n 等分し、各等分点を向かい合う頂点と線分で結ぶ。その図形内に三角形は(重なりあっているものを含めて)n^3 個ある。」

各コメントにはそのコメントを書いた人の名前と日付が付けられているが、それが省略されている場合は、そのコメントを書いたのは数列を投稿した人である(Author の欄を参照)。
References(参考文献)

その数列を扱っている文献。多くは英語で書かれた論文や専門書である。
Links(リンク集)

関連するサイトへのリンク集。多くは個人的なサイトであり、そのサイトの著者名も記されている。
Formula(公式)

種々の公式が与えられている。その数列の各項を与える閉じた計算式(もし存在すればだが)をはじめ、漸化式や他の数列との関係式などもこの欄で与えられる。
Example(例)

ある項がなぜその数になるかの説明。定義だけでは意味が分かりにくい場合に、この欄が用意されていることがある。
Maple, Mathematica, Program(プログラム)

その数列を計算するためのプログラム。比較的簡単なコードで書かれており、計算効率は考慮されていないことが多い。MapleMathematica のプログラムには固有の欄が用意されるが、その他の数式処理ソフト(PARI/GP, Magma, MATLAB, Python, Excel など)によるプログラムはそのソフト名とともに一括して Program の欄に記載される。
Crossrefs(相互参照)

関連する数列への内部リンク。

Cf. の部分は、投稿者が関係が深いと認めた数列である。Adjacent sequences: の部分は、ID が近いいくつかの数列である。Sequence in context: の部分は、辞書式順序でその数列の前後にあるいくつかの数列である。ただし、OEIS における順序では、基本的に符号および先頭部分の 0, 1, -1 たちは無視する。
Keyword(キーワード)

OEIS は各々の数列を特徴付ける4文字程度のアルファベットの列をいくつか用意している[9][10][11]
allocated
投稿者のために割り当てられた数列であり、編集中または承認待ちの状態である。
allocating
割り当ての過程においてこのキーワードが付けられることがある。
base
定義が基数に依存することを意味する。例えば、回文素数の列 2, 3, 5, 7, 11, 101, 131, 151, 181, … (A002385) は10進法という特殊事情が大きく働いている。実際、2進法で表すとその多くは回文数にならない。ある意味でこのキーワードが付されるべきであっても、そのようになっていない数列もある。例えば、メルセンヌ素数の列 3, 7, 31, 127, 8191, 131071, … (A000668) はキーワード欄に base がないが、メルセンヌ素数は2進法に関するレピュニット素数とも解釈できる。
bref
その数列の知られている部分が非常に短い、もしくは次の項が非常に大きいために、3項以下しか表示されていないことを意味する。
changed
最近編集されたことを意味する。
cofr
ある数の連分数展開により得られる数列であることを意味する。例えばネイピア数の連分数展開 (A003417) や、 円周率の連分数展開 (A001203) がある。
cons
ネイピア数 (A001113) や円周率 (A001203) などの、数学上の定数を各桁の数を並べて表した数列であることを意味する。
core
素数列 (A000040) やフィボナッチ数列 (A000045) のように、数学的に重要な数列であることを意味する。しばしば nice キーワードとともに付与される。
dead
二重に登録されたものや、文献に掲載された誤りを含む数列などのうち、削除されずに残されているものに付けられる。例えば、メルセンヌ素数の列 A000668 に対する A088552 などがある。
dumb
主観的なキーワードの一つであり、重要でないことを意味するが、後述の less キーワードと重複する部分が大きいため、現在ではあまり用いられなくなった。数学的に意味のある解釈ができないものや数学に関係がないものがある。前者の例としては、円周率とネイピア数の各桁の数を交互に並べたもの (A001355) があり、後者の例としては、キーボードのテンキーの数字を螺旋状に読んだもの (A082390) がある。
easy
数列の各項が簡単に計算できることを意味する。計算方法や数列自体の理解が難しい数列であっても、コンピューターで短時間のうちに計算できる手法が存在すればこのキーワードが付けられる。
eigen
何らかの変換をしても自身が変化しない、固有数列 (eigensequence) であることを意味する。スローンは論文[12]において、ある数列の変換によって不変である数列を固有数列と名付けた。例えば、数列におけるオイラー変換とは次の式によって an を bn に移す変換である。 1 + ∑ n = 1 ∞ b n x n = ∏ n = 1 ∞ 1 ( 1 − x n ) a n {\displaystyle 1+\sum _{n=1}^{\infty }b_{n}x^{n}=\prod _{n=1}^{\infty }{\frac {1}{(1-x^{n})^{a_{n}}}}} a ( n ) が「節点の個数が n 個である根つき木の個数」である数列 (A000081) は(オフセットを適切に解釈することによって)この変換に関して不変である。
fini
数列が有限であることを意味する。ただし、このキーワードが付いているからといって、表示されている項で全てであるとは限らない。例えば A105417(ローマ数字 I, V, X, L, C, D, M を少なくとも一回ずつ用いてできる数、すなわち一種のパンデジタル数の列)では、全ての項の4分の1ほどが表示されているだけであり、末項は 3888 (MMMDCCCLXXXVIII) である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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