オロノの歴史は1774年にさかのぼることができる。その年、ジェレミア・コルバーン(Jeremiah Colburn)とジョシュア・アイヤーズ(Joshua Ayers)の2人はこの地に入植地を建設した。当時はマサチューセッツ州の管轄下にあった。次いでジョン・マーシュ(John March)はコルバーンとアイヤーズの入植地の近くを流れるペノブスコット川(Penobscot River
)の中州に入植した。このことから、この中州はマーシュ島(Marsh Island)と名付けられた。1806年3月12日にはオロノは正式な町になった。1808年頃、スコットランド出身のジョン・ベノック(John Bennoch)とアンドリュー・ウェブスター(Andrew Webster)はこの一帯に有していた広大な土地を利用し、現在の町域にあたる地域にプランテーションを創った。このプランテーションはスティルウォーター(Stillwater)と名付けられた。やがてこの近辺に住んでいたネイティブ・アメリカンのペノブスコット族の首長で、独立戦争において目覚しい活躍をしたジェセフ・オロノにちなんでオロノと改名された。1820年にはメイン州がマサチューセッツ州から分離して州に昇格した。この頃のオロノは農業によって支えられていた。
やがて1862年、南北戦争の最中に当時の大統領エイブラハム・リンカーンはオロノに州立のランドグラント大学の創設を決定した。3年後の1865年にはメイン州初の州立大学、私立を含めても4校目の大学としてメイン農業・機械大学(Maine College of Agriculture and the Mechanic Arts)が創設された。キャンパスは当時の町の中心から1.6km離れたマーシュ島に創られた。創立から3年後の1868年9月21日に大学は開校した。この大学は1897年に現在のメイン大学に改称された。大学ができたことにより若者がこの町に集まるようになり、1870年には人口2,888人を数えた。
地理オロノの位置
オロノは.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯44度53分59秒 西経68度40分28秒 / 北緯44.89972度 西経68.67444度 / 44.89972; -68.67444に位置している。バンゴーの北東郊12km、ポートランドの北東約220km、ボストンの北東約390kmに位置している。
アメリカ合衆国統計局によると、オロノ町は総面積51.2km2(19.8mi2)である。そのうち47.2km2(18.2mi2)が陸地で4.1km2(1.6mi2)が水域である。総面積の7.94%が水域である。
町はペノブスコット川の西岸に位置し、支流であるスティルウォーター川(Stillwater River)で分かたれている。ダウンタウンはペノブスコット川とスティルウォーター川に囲まれた中州のマーシュ島と本土側の両方に広がっている。メイン大学はマーシュ島側に立地している。町の北約8km、マーシュ島の北端にはオールドタウンの市営空港であるデウィット・フィールド(Dewitt Field)がある。同空港はゼネラル・アビエーションと呼ばれる、自家用機およびチャーター機が主に離着陸する空港であり、旅客機の定期便はない。
オロノの気候は典型的なニューイングランドの気候で、涼しく雨の多い夏と寒さの厳しい冬に特徴付けられる。夏の平均気温は摂氏20度ほどである。冬は平均でも氷点下8度ほどで、氷点下10度を下回ることも珍しくない。降水量は1年を通じてほぼ一定で、年間1,000mm程度である。冬の降雪量は月間50cmにも達する。 オロノはメイン大学がキャンパスを構える大学町である。メイン州ではベイツ大学、ボウディン大学、コルビー大学の私立3校がよく知られているが、これら3校が少数精鋭制を採り、教養に力を入れるリベラルアーツ・カレッジであるのに対し、このメイン大学は約11,000人の学生を抱える州立の中規模総合大学で、実学に力を入れている。特に創立以来からの伝統である工学の分野に強く、経営学や森林学の分野でも知られている。州きっての州立総合大学ということもあり、学生のほとんどはメイン州出身である。ライル・E・リトルフィールド観賞植物実験園内で咲く花 また、メイン大学はキャンパス内にある3つの植物園でも知られている。1934年に開園したフェイ・ハイランド植物学プランテーション(Fay Hyland Botanical Plantation
メイン大学
メイン大学はオロノにおける文化面でも重要な位置を占めている。1986年に開館したメイン芸術センター(Maine Center for the Arts)はキャンパス内に立地するコンサートホールである。同館ではメイン大学の学生などによる各種演技芸術のほか、全米最古のコミュニティ・オーケストラであるバンゴー・シンフォニー・オーケストラ(Bangor Symphony Orchestra)の公演も行なわれている。同館内にはハドソン博物館(Hudson Museum)もある。ハドソン博物館はネイティブ・アメリカンの歴史や芸術に関する展示物を揃えている。 基礎データ 人種別人口構成 年齢別人口構成 世帯と家族(対世帯数) 収入と家計
人口動態
人口: 9,112人
世帯数: 2,691世帯
家族数: 1,291家族
人口密度: 193.2人/km2(500.3人/mi2)
住居数: 2,899軒
住居密度: 61.5軒/km2(159.2軒/mi2)
白人: 93.54%
アフリカン・アメリカン: 1.38%
ネイティブ・アメリカン: 0.95%
アジア人: 2.39%
太平洋諸島系: 0.07%
その他の人種: 0.52%
混血: 1.15%
ヒスパニック・ラテン系: 1.21%
18歳未満: 11.9%
18-24歳: 47.9%
25-44歳: 17.1%
45-64歳: 13.8%
65歳以上: 9.3%
年齢の中央値: 22歳
性比(女性100人あたり男性の人口)
総人口: 102.5
18歳以上: 102.1
18歳未満の子供がいる: 21.7%
結婚・同居している夫婦: 36.6%
未婚・離婚・死別女性が世帯主: 8.5%
非家族世帯: 52.0%
単身世帯: 31.5%
65歳以上の老人1人暮らし: 10.0%
平均構成人数
世帯: 2.23人
家族: 2.81人
収入の中央値
世帯: 30,619米ドル
家族: 52,714米ドル
性別
男性: 35,923米ドル
女性: 24,943米ドル
人口1人あたり収入: 14,813米ドル
貧困線以下
対人口: 25.0%
対家族数: 10.3%
18歳未満: 21.8%
65歳以上: 6.2%
参考文献
A Gazetteer of the State of Maine. Geo. J. Varney. B. B. Russell. Boston, MA. 1886. ⇒[1]
脚注^ “Quickfacts.census.gov
外部リンク.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、オロノ (メイン州)に関連するカテゴリがあります。