なお、初演時のストリッジョによるリブレットと出版された総譜では結末がまったく異なっている。リブレットではオルフェオがバッコスの巫女たち(マイナデス)から逃れ、巫女たちの合唱で終わっていた。しかし出版された楽譜ではアポロが出現してオルフェオを天上に引きあげる[14][15]。
20世紀の復活上演ヴァンサン・ダンディ
モンテヴェルディの死後、17世紀後半にはその作品は忘れ去られた[16]。
1881年、ロベルト・アイトナー (Robert Eitner) が若干短縮した形で、現代の楽譜に直して出版した[17]。
ヴァンサン・ダンディによって演奏可能な形に編曲され、パリで1904年にスコラ・カントルムによって演奏会形式で演奏、1911年にはパリのレジャーヌ劇場(英語版)で復活上演された[18][19]。
『オルフェオ』を現代においてどう演奏するかについてはその後も試行錯誤が続き、1925年にはカール・オルフによる復元版がマンハイムで上演された。またパウル・ヒンデミットによる復元版は1943年に演奏会形式で、1954年のウィーン芸術週間(英語版)ではオペラ形式で上演された。青年時代のアーノンクールはヒンデミット版の上演を見たのが決定的な経験になったという[20]。
最初の録音はカルージオ (Ferrucio Calusio) 指揮、スカラ座による1939年の演奏である[21]。
古楽器による演奏は1955年にアウグスト・ヴェンツィンガーによってはじめて行われた。ただし弦楽器は近代のものを使用していた。1969年のアーノンクールとウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの演奏では弦楽器を含めて古楽器を用いた。アーノンクール版は1969年に録音が、1978年にはジャン=ピエール・ポネルの演出によるチューリッヒ歌劇場のビデオが販売された。1985年にはジョン・エリオット・ガーディナーとイングリッシュ・バロック・ソロイスツ版が録音されている[21]。その後もくり返し舞台にかけられている。
楽器編成登場人物と楽器の一覧
印刷された楽譜の冒頭には以下の楽器が記されていて、非常に豊富な編成である。とくに弦楽器の種類が多い。これはインテルメディオに使用されていたオーケストラと同じものである[22][23]。しかし楽譜の中で楽器が指定されている箇所はわずかしかない。また、ここにない楽器が指定されている箇所もある[24]。
クラヴィチェンバロ 2
コントラバッソ・デ・ヴィオラ 2
ヴィオラ・ダ・ブラッチョ 10 (ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ1の2セット)
アルパ・ドッピア 1
小型ヴァイオリン 2
キタローネ 2
オルガノ・ディ・レーニョ 2