オリーブ・オイル
[Wikipedia|▼Menu]
古代ローマでは不作の年に備えて公共の貯蔵庫を設け、祝賀の時には人々にふるまわれることもあった。カエサルがウティカの戦いで勝利を収めたときには軍の兵士に一人あたり2ガロンもの油が与えられたという。マシュリクでは、美容と健康のためにそのまま飲むこともある。

育苗・栽培・製造方法の技術の発達により、アメリカ合衆国オーストラリアなどの新世界から、非常に優れた品質のオリーブ・オイルが出荷されるようになった。オリーブのよく育つ環境はワイン用のブドウ(特にシラーカベルネ種)が育つ環境と非常に似ているからである。風土や苗・製造方法、生産者の嗜好などにより、色や味に個性が出る。
世界の生産

2000年から2014年までの世界のオリーブ・オイルの主な生産者(数百万キログラム)国2000%2005%2009%2014%
スペイン962.40038,2 %819.42832,1 %1.199.20041,2 %1.775.80054,3 %
イタリア507.40020,1 %671.31526,3 %587.70020,2 %461.00014,1 %
ギリシャ408.37516,2 %386.38515,1 %332.60011,4 %131.9004,0 %
トルコ185.0007,3 %115.0004,5 %143.6004,9 %190.0005,8 %
シリア165.3546,6 %123.1434,8 %168.1635,8 %165.0005,0 %
チュニジア115.0004,6 %210.0008,2 %150.0005,2 %70.0002,1 %
モロッコ40.0001,6 %50.0002,0 %95.3003,3 %120.0003,7 %
アルジェリア30.4881,2 %34.6941,4 %56.0001,9 %44.0001,3 %
ヨルダン27.2021,1 %17.4580,7 %16.7600,6 %30.0000,9 %
ポルトガル25.9741,0 %31.8171,2 %53.3001,8 %91.6002,8 %
アルゼンチン10.5000,4 %20.0000,8 %22.7000,8 %30.0000,9 %
リビア6.0000,2 %7.9000,3 %15.0000,5 %15.0000,5 %
レバノン5.3000,2 %6.8000,3 %19.7000,7 %20.5000,6 %
オーストラリア5000,02 %5.0000,2 %15.0000,5 %18.0000,6 %
世界の合計2.518.629100,0 %2.552.182100,0 %2.911.115100 %3.270.500100 %
Fuentes: FAO

日本のオリーブ・オイル

1908年(明治41年)、魚の油漬け加工に必要なオリーブ・オイルの自給をはかるため[6]農商務省がアメリカ合衆国から導入した苗木を三重県鹿児島県香川県に試験的に植えた。香川県の小豆島に植えたオリーブだけが順調に育ち、大正時代の初めには搾油が出来るほどの実が収穫された[7]。小豆島では今でも島のあちこちにオリーブの樹が植えられており、国産のオリーブ・オイルが作られている。

小豆島で栽培されているものは、主に「ミッション」「マンザニロ」「ネバディロ・ブランコ」「ルッカ」の4種類[8]

近年は熊本県荒尾市)がオリーブ/オリーブ・オイルの生産と特産品化に熱心に取り組んでおり、香川県に次いで、熊本県が全国2位の生産量となっている[9]
用途

この節には複数の問題があります。改善ノートページでの議論にご協力ください。

出典がまったく示されていないか不十分です。内容に関する文献や情報源が必要です。(2023年5月)


正確性に疑問が呈されています。(2023年5月)



食用油
天ぷら油、炒め物サラダ用などに使用。
化粧品
髪油、スキンオイルなど
薬用
日本薬局方に収載されており、他の薬効成分と配合して用いられる。
工業

トルコ相撲

料理の例セビリア県エステーパのオリーブの木

地中海食(南部のイタリア料理スペイン料理ギリシャ料理トルコ料理レバノン料理、フランスのプロヴァンス料理バスク料理。また、地中海には面していないが、文化的に類似点の多いポルトガル料理)では、オリーブ・オイルが多く使われる。

バター代わりにパンや野菜につけて食べる

フムス

サラダ

サラダドレッシング


パスタ料理のソースなど。オイルソースの項に詳しい。ペスト・ジェノヴェーゼにも欠かせない。

マリネ

ブルスケッタ

バーニャ・カウダ

アイオリソース

魚介類(主にイワシマグロ)や果実の油漬け。

冷やして、または常温で食べる料理全般

カトリック教会正教会大斎小斎など動物性食品が制限される期間の料理

アヒージョ

カッサテッレ(cassatelle) 生地にオリーブ油を混ぜ、リコッタチーズ[ホエーからつくるイタリアのフレッシュチーズ]を詰めたシチリア島の揚げ菓子[10]

メロマカロナ(melomakarona)

成分・栄養価
健康とオリーブ・オイル

オレオカンタールは、特にエクストラ・ヴァージン・オイルに含まれている天然成分である。オレオカンタールは、風邪薬の中に入っている抗炎症剤であるイブプロフェンに似た抗炎症作用を示す。オレオカンタールは、炎症作用を有するプロスタグランジンアラキドン酸から合成するシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害するのである。このことは、オリーブ・オイルからこの物質を長期間、少量摂取することが、地中海料理が心臓病の発生の予防に貢献しているかもしれないことを示唆しているものである[11][12]

一覧表

オリーブ・オイル100 gあたりの栄養価
エネルギー3,699 kJ (884 kcal)

炭水化物0 g
糖類0 g
食物繊維0 g

脂肪100 g
飽和脂肪酸13.808 g
一価不飽和72.961 g


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:53 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef