オリコンチャート
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

2005年までは前年の12月第1週日付から11月最終週日付が対象期間だったため、前年の12月に発売される人気作品が年間チャートの上位に入る傾向が顕著だった[注釈 2]。なお、2006年の年間チャートは両者の移行期間のため、2005年12月第1週日付から2006年12月第3週日付を対象とし、実質1年1か月間の集計となった。
POSシステム

集計方法は、あらかじめ決められた販売店から売り上げデータを受け取るもの[6]レンタル店に卸された売上は含まれない[3]。最初期にはアルバイトを雇い、販売店に電話で売り上げデータを確認していた[7]。その後FAXなどに頼っていた時代を経て、最近では販売店にPOSシステムが普及したこともあり、POSの売り上げデータによってデイリーチャートを集計している。2007年3月より、デイリーチャートでは3位まで指数(2009年3月以降は推定売上枚数)を一般公表している。対象となる販売店は、2000年代に入ってAmazon.co.jpなどのオンライン店舗やアニメイトゲーマーズコミックとらのあななどの大手アニメショップも一部は対象に入っているが、それらに含まれない特殊なルートでの販売しかない楽曲にはオリコンチャートにランクインしないものもあった[注釈 3]
累積売上数

オリコンチャートによる「累積売上数」(俗にいう累計売り上げ枚数)は、週間チャート圏内(CDの場合、かつては週間チャート100位以内、2002年12月以降はシングルは週間チャート200位以内、アルバムは週間チャート300位以内)の売り上げのみを単純に加算したものであり[2]、圏外に落ちてからの売り上げは含まれていない。同業他社のプラネットサウンドスキャンジャパン等は一週間に1枚の売り上げでも累計売り上げ枚数に加算される。

但し、書籍(BOOK(書籍総合)、文庫、コミック)の累積売上に関しては、圏外に落ちてからの売り上げも加算されている[2]
販売施策イベントに対する売上集計ルール

販売促進イベントによる複数購入は1人3枚までしかカウントしないルールがある(2017年までは2枚まで)[9]。一方でビルボードジャパンはルックアップのデータによって握手券商法の影響を取り除いた順位がわかるという理由で[10]、複数購入による減算処理はしておらず[11]、実売はそのままカウントしている[10]。そのため販促イベントを行なっているアーティスト(主に女性アイドルやK-POP系)はビルボードより売り上げ枚数が数万枚から15万枚ほど少ない傾向にあり、時には20万枚以上少ないケースもある[12]

極端に開いたものとしては、AKB48選抜総選挙投票券付きCD売上がある。2015年の投票券付きCD 「僕たちは戦わない」はレコード会社が出荷枚数300万枚を突破と発表しているが[13][14]、オリコンの年間ランキングでは100万枚以上少なく[15]、翌年の「翼はいらない」はビルボード年間ランキングの251万枚に対し[16]、オリコンでは152万枚だった[17][注釈 4]日本レコード協会(RIAJ)認定との比較でも、AKBのシングルCDでは2ミリオン(=200万枚達成)としてRIAJ認定されたものが8件存在するが、オリコンでは2023年4月現在、0件である。
オリコンチャートの課題と問題点

音楽チャート業界では、日刊レコード特信(特信チャート)、ミュージック・ラボ(休刊)→電波新聞、ミュージック・リサーチ(休刊)、プラネットサウンドスキャンジャパンといった同業他社がいる(いた)ものの、オリコンチャートの影響力は大きく、長らくアメリカの「ビルボード」誌と同様、音楽界での評価指標として真っ先に用いられてきた。

オリコンチャートが権威をもつようになったのは、オリコン創業者の小池聰行の尽力によるところが大きい。小池は多くの音楽メディアにオリコンチャートを掲載するよう依頼し、知名度を高めてきた[18]

しかし、2010年代半ば頃からメディアがオリコンからビルボードに切り替え始める[19]。オリコンランキングの上位が特定のジャンルばかりになったためとされる(原因は下記に記述)。

2000年代後半より、特にシングルCD市場の急激な規模縮小(一方でそれを補う形での音楽配信市場の拡大)[注釈 5] に伴い、件数ベースで音楽フル配信の1/4程度、金額ベースで同6割程度まで落ち込んだシングルCDの売上件数表示だけでは、市場における実勢(音楽市場全体として、当代どの曲が最も愛好されているかという実勢)を必ずしも捉えきれなくなった[注釈 6]

具体的には、
単品音楽市場の一般的消費の大部分が、(価格の圧倒的安さ・利便性を背景に)ダウンロード、その後サブスクリプションへと移行したため、シングルCDという商品の役割も、配信にマッチしない高年齢層需要や、外装に重きを置くコアファン向けなど、補助的・ニッチ的なものへと変質した。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:269 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef