オリコンチャート
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なお、合算方式の発表は週間ベースにとどまり、デイリー・月間・週間・年間において従来のCD売上件数方式が継続されている[注釈 9]

音楽ジャーナリストの柴那典は上記の施策について、既にオリコンのCDランキングは「ヒットを可視化する」という意味では数年前から機能不全を起こしていた、と指摘している。新設されたストリーミングランキングの集計対象に世界最大手のSpotifyが入らなかったことについては、ランキングの設計を「有料会員によるストリーム数」にこだわったことが理由ではないか、と述べている。また、新たな複合音楽チャートとしてビルボードジャパンが提供する「Billboard Japan Hot 100」が注目を集めるようになってきているが、同じ複合型チャートでもオリコンとビルボードのヒットチャートの設計思想は異なっているという。流行を可視化するため音楽との「接触」も重視するビルボードに対して、「オリコン週間合算ランキング」はあくまで「売上ランキング」として設計されていると指摘している[27]

このため、複数枚購入商法が主流で単価の高いCDの比重が極端に高く、単価の低いダウンロードや近年、音楽を聴くツールの主流となっているストリーミングの比重が低いものになっている。

ジャーナリストの松谷創一郎は、サブスクリプション型のストリーミングサービスが普及したことにより、「音楽チャートもそれによって変化した。CDセールスに依存してばかりのオリコンランキングは完全に信用を失い、代わりに常に指標の調整を続けるビルボード・チャートの信用度が高まった」としている[28]
ダウンロード集計の遅れによる影響

日本国外では、米国ビルボードチャート全英シングルチャートiTunes Music Store成長期の2005年にデジタル・ダウンロードの集計を開始し、CDやレコード等のフィジカルと合算するなど、インターネットの普及に伴う音楽メディアの変化に対応した。一方で、前述の通りオリコンチャートは2017年までデジタル・ダウンロードの集計を行っていないため、着うたフルやiTunes Music Storeでの販売実績を捕捉できていない。

松谷創一郎は、オリコンの対応が遅れたことで2006年?2015年頃にかけて日本の音楽シーンが不鮮明となり“ヒット”が見えにくい「J-POPの失われた10年」が生じたと指摘している[29]
集計対象

(正式スタート - 終了)
現行

合算シングルランキング 2018年12月24日付
[30] -CDシングルの売り上げ枚数、ダウンロード配信における収録曲単曲または作品をまとめて(バンドル)の購入数、ストリーミング配信における再生数をそれぞれポイント化し、それを合算。

合算アルバムランキング 2018年12月24日付[31] -CDアルバムの売り上げ枚数、ダウンロード配信における作品購入数(バンドルのみ)、ストリーミング配信における再生数をそれぞれポイント化し、それを合算。

シングルランキング 1968年1月4日付 -

アルバムランキング 1987年10月5日付 -

デジタルシングルランキング 2017年12月25日付[32] -iTunes StoreAmazon Music、オリコンミュージックストア、mu-mo、music.jp、moraLINE MUSIC、レコチョクにおける、シングル作品(単曲)の有料ダウンロード数を集計。

デジタルアルバムランキング 2016年11月14日付[33] -

ストリーミングランキング 2018年12月24日付[34] -Apple Music、Amazon Music、AWAKKBOX、dミュージック月額コース、YouTube、YouTube Music、LINE MUSIC、Rakuten Music、RecMusic、Spotify(2022年5月9日付以降[35])における、定額制ストリーミングサービスの有料再生数を集計。(なお、広告モデル再生は再生数1/3回、Prime Music再生は再生数1/2回の比率で集計)

カラオケランキング 1994年12月26日付[36] -第一興商DAM総合)、エクシングJOYSOUND)における集計。カラオケランキングの首位獲得記録はカラオケを参照。

DVDランキング 1999年4月5日付 -

Blu-ray Discランキング 2008年7月7日付 -音楽DVD・BDランキングに関しては、DVD版とBD版とでヒット傾向に大きな差が出ている事から、映像の人気をより明確に可視化できるよう、2013年10月14日付チャートよりDVDとBDの売り上げを合算し一本化したチャートに変更されている[37]

(書籍総合・コミック・文庫)ランキング 1995年2月6日付 - 2001年3月26日付、2008年4月7日付[38] -

過去

LPランキング 1970年1月5日付 - 1989年11月27日付

CTランキング 1974年12月2日付 - 1995年11月27日付

カートリッジランキング 1974年12月2日付 - 1978年4月24日付

CDランキング 1984年2月6日付[39] - 1997年4月21日付

MDランキング 1994年ごろ(枚数非公表)

ロングヒット・アルバム・カタログランキング 2001年4月2日付 - 終了時期不明発売から2年を経過したアルバムのみのチャート。ただし、ビルボードとは異なり、カタログランキングにランクインされたアルバムが通常のアルバムチャートの集計対象外になることはない。

レンタルCDランキング(シングル・アルバム) 1998年12月7日付(試験的に開始[40]) - 2018年2月ごろ[41]

トラックスチャート 2004年9月6日付 - [42] - 2008年3月31日付[43]シングル・アルバムの売上やラジオCS放送有線放送のオンエア、カラオケのリクエスト回数、着信メロディのダウンロード件数などを総合的に集計し算出した「楽曲」の総合チャート[44]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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