オランダ
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オランダ(オランダ語: Nederland 発音: [?ne?d?rl?nt], [?ne??d?rl?nt] ( 音声ファイル), 西フリジア語: Nederlan, パピアメント語: Hulanda)は、西ヨーロッパに位置する立憲君主制国家。東はドイツ、南はベルギーと国境を接し、北と西は北海に面する。ベルギー、ルクセンブルクと合わせてベネルクスと呼ばれる。憲法上の首都アムステルダム(事実上の首都はデン・ハーグ)。

カリブ海アルバキュラソーシント・マールテンと共にオランダ王国を構成している。それ以外にも、カリブ海に海外特別自治領としてBES諸島と呼ばれる、ボネール島シント・ユースタティウス島サバ島がある。

オランダは世界において、報道の自由[4]経済的自由[5]人間開発指数クオリティ・オブ・ライフ[6][注釈 5]の最上位国の一つである。2019年では、世界幸福度報告では世界第5位、一人あたりGDPでは世界第7位[8]人間開発指数で10位であった[9]2023年には、積極的平和指数で世界第11位となった[10][11]
概要

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同国は、古くより他国で思想・信条を理由として迫害された人々を受け入れることで繁栄してきたという自負があるため、何ごとに対しても寛容であることが最大の特徴といえる。日本にとっては、徳川幕府による鎖国政策に際し、キリスト教の布教活動禁止という条件に欧州諸国で唯一応じ、長崎の出島を介した貿易を通じて欧州の近代文明を蘭学という形で日本にもたらし、明治維新後の急速な近代化を推し進める礎となった。

また、カトリック国として近年インドネシアからの独立を果たした東ティモールとは異なり、東インド会社によるインドネシア統治に際しても、キリスト教ではなくイスラームの普及をむしろ領地拡大のテコとして利用した程である。2022年の今日も、ほかの欧州諸国に比して実に多くの移民が、その暮らしやすさのために、合法・非合法を問わず在住している。合法的に入国を果たしたEU域外からの移民については、オランダ語講習、社会化講習、就職相談をセットにした、いわゆる「市民化講習」の実施を他のヨーロッパ諸国に先駆けて行うなど、一定の移民対策も講じている。

しかし、イスラーム系住民の中ではイスラーム過激派が力を伸ばし、著名な映画監督テオ・ファン・ゴッホなどの暗殺事件やプロテスタント教会の焼き討ち事件などが頻繁に起こるようになっている。このためイスラーム系住民に対する反感が増大して、イスラーム移民の排斥を掲げる極右政党自由党が勢力を伸ばし、自由党が閣外協力する現政府もイスラーム系移民の規制やムスリムの衣装であるブルカの禁止などの政策を採用するようになった。EU憲法国民投票での否決にも、このような感情が反映されているとされる。

一方、大麻ソフトドラッグの販売・所持・使用、積極的安楽死が認可されており、いくつかの欧州諸国とともに合法化されている。もっとも、ソフトドラッグに関しては当局により設けられた規則に従い厳格な管理・監視がなされており(コーヒーショップと呼ばれる店でのみ認められている)、バルケネンデ政権の時代は一部見直しも検討していた。また、安楽死についても依然として見直しの議論が続いている。

1991年には刑法が改正され、16歳以上でポルノ出演、性行為が適法とされる。これに基づき、国の許可を得れば管理売春も合法である(事実、売春を国の管理の下で合法化したことで衛生状態の向上が図られており、性感染症感染率も低下したとの結果が挙げられている)。また税収増加、売春に従事する女性達の保護の充実などが実現したとも言われている。

このようなことから世界有数の「性の解放区」として知られているものの、性犯罪をすれば容赦なく逮捕されることには他国となんら変わりがない。またこれらの行為に関わることはそれなりにリスクも大きいので、自由な一方で自己責任で行動しなくてはならない国だとも言える。
国名詳細は「オランダの国名(英語版)」を参照

国名および通称はオランダ語でNederland(ネーデルラント)。これは「低地の国」「低地地方」を意味する普通名詞に由来するため、基本的に定冠詞をつける必要がある。通称の "Nederland" は、オランダ王国の欧州における国土を意味するため単数形で、正式名称に使われている「de Nederlanden」は、海外領土を含めた概念のため複数形である。ゲルマン系言語ではドイツ語でdie Niederlande、ラテン系言語ではフランス語でles Pays-Bas、スペイン語でlos Paises Bajos、イタリア語でi Paesi Bassi(いずれも語義は同じ)。いずれも複数形であるのは、伝統的に現在のベネルクス三国のある低地地域一帯の領邦群の歴史的総称を受け継いでいるからである。なお、複数形ではあるものの、英語やスペイン語など言語によっては、しばしば集合名詞あるいは「王国」を略したものとして単数扱いされる。

俗称の「Holland(ホラント)」もよく使われるが、これはスペインの支配に対して起こした八十年戦争で重要な役割を果たしたホラント州(現在は南北2州に分かれる)の名に由来し、固有名詞であるため冠詞がつかない。

公式の英語表記は、the Netherlands(ザ・ネザーランズ)。形容詞および名詞形のDutch(ダッチ)は、元来ドイツ(Duitsch)を指し、同国の支配から脱した17世紀以降オランダ(人、語)を意味するものに変わっていった。ただし、歴史的に英蘭間で貿易や海外進出をめぐって激しい競争と対立が発生したことから、軽蔑のニュアンスが強く[12]、「Netherlander」や「Hollander」が用いられることもあるが、オランダ政府は公式に「Dutch」を使い[13]、民間企業も「Dutch」を使用している[14]

日本語の表記はオランダ。漢字表記は、和蘭、和蘭陀、阿蘭陀、荷蘭陀[15]、荷蘭、尼徳蘭(ネーデルラントの音訳)と表記され、蘭と略される。由来はポルトガル語における「ホラント」の表記「Holanda [??l??d?]」が、戦国時代に来航したポルトガル人宣教師によってもたらされたことによる。

オランダ政府は、2020年1月1日をもって、国名としての「ホラント」の使用を廃止し、オランダ外務省も諸外国にこの通称から変更し「ネーデルラント」とするよう呼びかけている[16][17]。なお、日本のオランダという呼称については、日本語の言葉として定着していることから変更は求めないとしている[17][18]


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