指揮者については歌手に比べると若干事情を異にし、かつては世界的巨匠といわれるクラスの指揮者がオペレッタを手がけることは少なかった。(もっとも「こうもり」だけは例外で、カラヤン、C・クライバー各3回、オーマンディ2回、フリッチャイ、クラウス、ロスバウト、ベーム、アーノンクール、プレヴィンと数多くの大指揮者の録音が残されてきた.他にクラウスは「ジプシー男爵」を残している)。しかし、1970年代にカラヤンが『メリー・ウィドウ』をレコーディングしたあたりから徐々に状況が変化、今日ではニコラウス・アーノンクール、マルク・ミンコフスキ、フランツ・ウェルザー=メスト、クリスティアン・ティーレマン、ズービン・メータといった当代を代表する指揮者がオペレッタを重要なレパートリーとしている。
なお、ブロードウェイ・ミュージカルを、ヨーロッパで上演する場合、「オペレッタ南太平洋」や「オペレッタノー・ノー・ナネット」のように、オペレッタと呼ぶこともあった。 パリで19世紀半ばに起こり、オッフェンバックの『天国と地獄』などが人気となる。これがウィーンに飛び火し、元々ドイツ人であるオッフェンバックはしばしば同地を訪れてドイツ語版上演を指導、スッペ、ヨハン・シュトラウス2世、ミレッカー、ツィーラー、ツェラーら才能ある地元作曲家も同ジャンルの作曲を手掛けたことから、まもなくパリを上回る中心的都市となった。シュトラウスは『こうもり』などの名作を書いている。20世紀初頭の「銀の時代」[注釈 2]には、カールマンの『チャールダーシュの女王』・『伯爵令嬢マリツァ』、レハールの『メリー・ウィドウ』、シュトルツの『ウィーンのカフェ』などが知られる。
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