オデッサ・ファイル
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また元所長も南米へ逃亡したことで、オデッサのイスラエル消滅計画は水泡に帰し、さらにファイルが当局に渡ったことは西ドイツ国内のオデッサにも大打撃を与えた。

そしてペーターが持ち歩いてきた老ユダヤ人の日記は、ベンシャウルが母国へ持ち帰り、結びに記された遺言のとおりにヤド・バシェムでその老ユダヤ人を慰霊した。時に1964年2月26日のことだった。

またイスラエル消滅計画の動機は、アメリカの仲介で西ドイツ・イスラエル間に締結されていた(アメリカから西ドイツ経由でイスラエルへ行なわれる)武器供与協定が、ケネディ暗殺によって破棄されると見込む希望的観測だったが、それに反し協定はその後も破棄されず、ペーターがヴィーゼンタールと接触すべくオーストリアへ向かう途中ミュンヘン郊外ですれ違った、冬季演習中のアメリカ製戦車もイスラエルへ移され、塗装と愛称を替えて第三次中東戦争の戦場で活躍した。
逸話

登場人物の元強制収容所長エドゥアルト・ロシュマンは、実在の人物。リガにあったカイザーヴァルト強制収容所の歴代所長の一人で、“リガの屠殺人”と呼ばれた。1977年8月、パラグアイで死亡が確認されている。

フォーサイスはロシュマンをはじめ、実在のナチス関係者や組織についてかなり詳細な情報を入手して作品を執筆したとされる。後年、ロシュマンの検死をした関係者が「フォーサイスの小説では、ロシュマンは逃亡中に足の指を数本欠損したと書いてあったが、それは事実だった」と述べている。この作品の出版に当たっては、作者のフォーサイスの元には多くの脅迫状が届いたと言う。
日本語訳

『オデッサ・ファイル』
篠原慎 訳. 角川書店, 1974 のち文庫

映画

オデッサ・ファイル
The Odessa File
監督
ロナルド・ニーム
脚本ケネス・ロス
ジョージ・マークスタイン
原作フレデリック・フォーサイス
製作ジョン・ウルフ
出演者ジョン・ヴォイト
マクシミリアン・シェル
音楽アンドルー・ロイド・ウェバー
撮影オズワルド・モリス
編集ラルフ・ケンプレン
製作会社コロンビア ピクチャーズ
配給コロムビア映画
公開 1974年10月18日
1975年3月1日
上映時間130分
製作国 イギリス
西ドイツ
言語英語
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1974年に映画化。ロナルド・ニーム監督。

ジョン・ヴォイト主演。ジョン・ウルフ製作。
キャスト

役名俳優日本語吹替
テレビ朝日
ペーター・ミラージョン・ヴォイト天田俊明
エドゥアルト・ロシュマンマクシミリアン・シェル高橋昌也
ペーターの母マリア・シェル平井道子
ジギーメアリー・タム小谷野美智子
クラウス・ヴェンツァーデレク・ジャコビ嶋俊介
リヒャルト・グリュックスハンネス・メッセマー西田昭市
サイモン・ヴィーゼンタールシュミュエル・ロデンスキー寄山弘
ウェルナー・ダイルマンエルンスト・シュレーダー島宇志夫
カール・ブラウン警部グンナー・モラー村越伊知郎
デヴィッド・ポラートポール・ジェフリー北村弘一
フランツ・バイエルノエル・ウィルマン大木民夫
グスタヴ・マッケンセンクラウス・レーヴィッチ日高晤郎
サロモン・タウバータウジェ・クライナー巌金四郎


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