二人零和有限確定完全情報ゲームは、理論上、双方最善手(最善進行)ならば先手必勝・後手必勝・引き分けのいずれかの結論が下せるはずだが、オセロは2019年時点で未だにコンピュータによる完全解析はされておらず、結論は不明である[119][注釈 26]。部分的には、最善進行を前提として以下の事実が判明している。
オセロのある局面が黒番必勝・白番必勝・引き分けのいずれであるかを判定する問題は、PSPACE完全である[135]。
盤面を4×4に縮小したオセロは、3対13で白番(後手)の必勝となる[136][注釈 27]。
盤面を6×6に縮小したオセロは、16対20で白番(後手)の必勝となる[138]。
通常通りの8×8のオセロでは、一部の定石で引き分けになることが判明している[139]。
これらの事実に基づき、8×8のオセロは最善進行で引き分けになる可能性が高いと予想されている[119][120]。オセロ日本代表選手の佐谷哲は、2019年に「『オセロは最善進行で引き分け』という説が今後覆ることはほぼ無いだろう」と述べている[119]。
2023年10月30日、日本のPreferred Networks社の滝沢拓己により、8×8のオセロが最善進行で引き分けになる事を証明した(弱解決(英語版)した[140])と主張する査読前論文がarXivに投稿された[141]。
オセロと文化
普及度オセロを楽しむ人々
オセロは国際的に普及している。2015年時点で、世界36の国と地域に連盟があり、世界競技人口は約6億人と推計されている[142]。
特に日本の競技人口は多く、長谷川五郎によると2001年頃の時点で約6000万人である[143]。長谷川は、日本国内の競技人口は、将棋が約1500万人、囲碁が約1000万人、チェスが約500万人であり、オセロはこれらを上回っていると主張している[143]。なお、公益財団法人日本生産性本部余暇創研が発行している『レジャー白書2018』によれば、日本国内の競技人口は、トランプ・オセロ・カルタ・花札などが約2370万人、将棋が約700万人、囲碁が約190万人、チェスが調査対象外となっている[144][注釈 28]。
日本の著名人の中には、佐藤健[145]、小島瑠璃子[146]、永山瑛太[147]、田中カ子(後述)など、オセロ好きを公言している者も多い。また、日本の皇族である明仁親王(のちの天皇・上皇)も幼少期に父の昭和天皇とリバーシで遊んでいたことで知られる[148]。
ツクダでオセロの商品化を担当した和久井威は、オセロがロングセラーとなった要因に対象年齢が幅広いことを挙げている[17][注釈 29]。オセロは、石の誤飲の危険性を考慮して対象年齢を6歳以上としているが、実際には何歳からでもプレイは可能である[149]。通常10分間以内[注釈 30]に決着がつくため、学校の休み時間などで楽しむことも可能である[58]。
また、高齢者にも人気があり、老人福祉施設などでもプレイされている[151]。なお2022年4月に天寿を全うした福岡県の田中カ子(119歳没)はオセロゲーム愛好者の最高齢者として知られ、生前の田中はオセロを毎日プレイしていると語っていた[152]。
オセロと同様のゲーム(ただし石のサイズ等はオセロの公式規定とやや異なることもある)は、「リバーシ」などの名前で安価なポータブルゲームとして日本のコンビニエンスストアなど様々な店舗で販売されている。