オオカミ
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Canis lupus arctos(ホッキョクオオカミグリーンランド北部と東部、クイーンエリザベス諸島バンクス島ビクトリア島に分布。

Canis lupus baileyi(メキシコオオカミ)かつて米国南西部からメキシコ北西部にかけて分布していた。1970年代に一度野生絶滅したが、現在[いつ?]米国アリゾナ州ニューメキシコ州に再導入されている。

Canis lupus cubanensis(カスピオオカミ(英語版))コーカサス山脈トルコイランの一部に分布。

Canis lupus familiaris(イエイヌ)イエイヌは1万5千年以上前にタイリクオオカミを飼い慣らした動物であるという説が有力。

Canis lupus hattai(エゾオオカミ樺太北海道に本来分布。絶滅。

†Canis lupus hodophilax(ニホンオオカミ)樺太・北海道を除く日本列島に本来分布。絶滅。

Canis lupus italicus(イタリアオオカミイタリア半島からアルプス山脈南部に分布。

Canis lupus lupus(ヨーロッパオオカミ、チョウセンオオカミ、シベリアオオカミ)ヨーロッパ大陸東部からロシア中央アジアシベリア南部、中国モンゴル朝鮮半島ヒマラヤ山脈地域に分布。

Canis lupus lycaon(シンリンオオカミカナダオンタリオ州南東部とケベック州南部の小さな範囲に分布。コヨーテとの交雑が心配されている。

Canis lupus nubilus(グレートプレーンズオオカミ)米国の五大湖西岸とアラスカ南東部、カナダの本土東部と」バフィン島に分布。

Canis lupus occidentalis(シンリンオオカミ、アラスカオオカミ)カナダ北西部と米国北西部のモンタナ州アイダホ州ワイオミング州に分布。分布を拡大している。

Canis lupus pallipes(インドオオカミ(英語版))インドから中東アジアにかけて分布。

各亜種の画像

ツンドラオオカミ
Canis lupus albus

アラビアオオカミ
Canis lupus arabs

ホッキョクオオカミ
Canis lupus arctos

エゾオオカミ(絶滅種)
Canis lupus hattai

ニホンオオカミ(絶滅)
Canis lupus hodophilax

インドオオカミ
Canis lupus pallipes

イタリアオオカミ
Canis lupus italicus

ヨーロッパオオカミ
Canis lupus lupus

シンリンオオカミ
Canis lupus lycaon

アラスカオオカミ
Canis lupus occidentalis

メキシコオオカミ
>Canis lupus baileyi

形態頭骨

大きさは亜種、地域によって異なる。体胴長100 - 160cm、肩までの体高60 - 90cm、体重は25 - 50kg。大きい個体では50kgを超えるものもいるが、雄でも54キロを超えるのは稀である。一般に雌は雄の体重より10 - 20パーセント程度小さい。現生のイヌ科のなかで最大。高緯度ほど大きくなる傾向がある(ベルクマンの法則)。記録上では1938年アラスカで捕獲された体重79.3kgの雄、ユーラシア大陸ではウクライナで殺された86キログラムのものが最大としている。体色は灰褐色が多く、個体により白から黒まである。子供の時期は体色が濃い。北極圏に住む亜種はより白い。体毛は二層に分かれ保温や防水に優れ、夏毛と冬毛がある。又、姿勢においては頭部の位置がイヌに比べて低く、頭部から背中にかけては地面に対して水平である。オオカミの足跡

歯式は3/3・1/1・4/4・2/3 = 42で、上顎には6本の門歯、2本の犬歯、8本の小臼歯、および4本の大臼歯があり、下顎には6本の門歯、2本の犬歯、8本の小臼歯、および6本の大臼歯を持ち、何れもイヌより大きく丈夫である。頭から鼻にかけての頭骨のラインはイヌより滑らかで、イヌよりも顎の筋肉量が多く、頬骨の位置が高いため、イヌと比較して吊り目になっている。又、尾の付け根上部にスミレ腺(英語版)を持つ。

ほとんどのイヌ科のように陰茎骨を持つ[3]
生態

オオカミは雌雄のペアを中心とした平均4‐8頭ほどの社会的な群れ(パック(英語版))を形成する。群れはそれぞれ縄張りを持ち、広さは食物量に影響され100‐1000平方キロメートルに及ぶ。
群れと順位

群れは雌雄別の順位制を伴い、通常は繁殖ペアが最上位であるが、順位交代もする。最上位から順にアルファ、ベータと呼び、最下位の個体をオメガと呼ぶ。順位は常に儀式的に確認しあい維持される。群れはたいてい繁殖ペアの子孫や兄弟で血縁関係にあることが多い。他の群れを出た個体が混ざることもある。狼の群れの頭数は最多で42頭にもなったという記録があるものの、平均して概ね3-11頭の間である。しかし、大規模な群れでも主に仕事を行うのはペアであり、最も効率が良いのはペアの狼とされている。
狩りヘラジカを狩る2頭のオオカミ

オオカミは肉食で、シカイノシシ、野生のヒツジヤギバイソンなどの有蹄類、ウサギ齧歯類などの小動物を狩る。餌が少ないと人間の生活圏で家畜や残飯を食べる。シカなどの大きな獲物を狩る時は群れで行動する。健康体を狩る場合もあるが、通常は長時間の追跡を行い獲物の群れのうち弱い個体(病気、高齢、幼体)を捕まえる。上位の個体が、獲物を先に食べる。

カナダ太平洋岸ブリティッシュコロンビア州ではサケを捕食していることがサンプルで判明しているほか、サケが遡上しないその沖合の離島では海岸付近の甲殻類ニシンの卵、漂着したクジラの死骸などを餌としている[4]

最高速度の時速70キロメートル[5]なら20分間、時速30キロメートル前後なら7時間以上獲物を追い回す事ができる。追いかける途中で諦める事が多く、リカオン などと比べると諦めやすい性格といえる。狩猟成功率は生息密度や環境に左右される。アラスカのデナリ国立公園1977年にカリブーを仕留めようと追いかけた回数が16回であり、そのうち殺したのが9頭で成功率は56%という報告例がある。1972年オンタリオ[要曖昧さ回避][どこ?]では35回獲物に狙いを定めそのうちの16頭の鹿を殺す事に成功している所が観察された。
繁殖幼獣

繁殖は一夫一妻型で群れの最上位のペアのみが行うが、例外的に他の個体が繁殖することもある。交尾 は一般に1月?3月頃に行われる。妊娠期間は60 - 63日、平均4 - 6頭の子を産む。雌は巣穴を作りそこで子育てを行う。父親や群れの仲間も子育てを手伝う。

子は生後12 - 14日で目を開き、生後20 - 24日で動き回るようになり、生後20 - 77日の間で群れを認識する社会性が育ち離乳する。固形食は大人が吐き戻して与える。8週ほどで巣穴を離れるようになる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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