原子力推進化によって煙路が不要となり、またレーダーのための電子走査アレイアンテナを設置する必要から、艦橋構造物は独特な形状となった[8]。 「エンタープライズ」では、原子炉としてA2Wを8基搭載した。これはウェスティングハウス・エレクトリック社の加圧水型原子炉で[7]、核燃料としては高濃縮ウラン(最大93%)を使用する[10]。上記のA1Wを元にした実用機であり、また本艦に先駆けて世界初の原子力水上艦として竣工したミサイル巡洋艦「ロングビーチ」に搭載されたC1Wとも共通の設計を採用していることから、「ロングビーチ」の搭載機は実質的に「エンタープライズ」のものの洋上試験を兼ねていた[3]。 熱交換器32基を備えており、蒸気タービンによってスクリュープロペラ4軸を駆動する[1]。電源出力としては、主発電機が計40,000キロワット(2,500キロワット×16基[11])、非常用のディーゼル発電機が計8,000キロワット確保されている[9]。 全通飛行甲板は長さ331.6メートル×幅76.8メートルで[2]、面積としては20,000平方メートル以上となる[9]。設計段階では、艦橋構造物(アイランド)を中央に配置して、両側に飛行甲板を設けることも検討されたが、結局は従来どおりのアングルド・デッキの配置となった[3]。 カタパルトとしては、295フィート (90 m)長のC-13 mod.1が4基設置されており、艦首甲板上に2基、アングルド・デッキ上に2基が配置された[2]。一方、着艦帯は237.7メートル長で[9]、アレスティング・ギアはMk.7-3とされているが[11]、本艦では光学着艦装置が導入されたことで、アレスティング・ワイヤーは、従来の6本から5本に削減することができた[3]。また後に着艦精度が向上し、更に4本に削減されている[9]。 なお、竣工当初はブライドルを使用して発進する艦上機が多かったことから、艦首甲板に2基とアングルド・デッキに1基のブライドル・リトリーバーが設置されていた。その後、ブライドルの使用頻度の低下を受けて、1964年の第1回燃料棒交換の際にアングルド・デッキ側のリトリーバーは撤去されたが、「世界最大(最長)の空母」の称号を維持するためか、艦首側のリトリーバーは最後まで撤去されなかった[8]。 格納庫は223×29メートルで[11]、床面積は216,000平方フィート (20,100 m2)[2]、高さクリアランスは7.62メートルとされた[9]。
機関
能力
航空運用機能
発着艦設備飛行甲板(1978年)
格納・補給