エンタープライズ_(スタートレック)
[Wikipedia|▼Menu]
ただし、『スタートレック:ディスカバリー』第3シーズンではU.S.S.チホフ NCC-1067-M、U.S.S.ヴォイジャー NCC-74656-J、U.S.S.ディスカバリー NCC-1031-A、『スタートレック:ピカード』第3シーズンではU.S.S.タイタン NCC-80102-Aが就役しており、エンタープライズに限定した措置という制約はなくなっている[注 4]

登録番号の"NCC-1701"は初代エンタープライズをデザインしたマット・ジェフリーズが所有する小型飛行機の機体番号NC-17740にちなんだものとされている。接頭辞のNCCについては、アメリカ所属の民間航空機の接頭辞NCとソビエト所属の航空機の接頭辞ССССを組み合わせたもので[注 5]、ジェフリーズは「宇宙で何かをするのであれば我々(アメリカとソビエト)は一緒にやる必要がある」と述べている[1]。数字部分の1701については、ジェフリーズは当時の粗いテレビ画面で読み間違えやすい「3、6、8、9」は意図的に避け、残った数字で決定したと述べている。登録番号を決めた後、ジェフリーズはNCC-1701を「17番目の設計に基づいて建造された宇宙船の最初の1隻」という意味であると説明した[2]。なお、後の作品では宇宙艦のメンテナンスシャフトのことを「ジェフリーチューブ(Jefferies tube)」と呼ぶが、これもジェフリーズにちなんだものである。また、「U.S.S.」とは「United Federation of Planets Starship」(惑星連邦宇宙艦)を略した艦船接頭辞である。
共通の特徴

すべてのエンタープライズに共通する特徴として、その時代の最新鋭宇宙艦である点が挙げられる。エンタープライズという名の宇宙艦が登場するシリーズは、22世紀を舞台とする『スタートレック:エンタープライズ』のNX-01、23世紀を舞台とする『スタートレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』、『宇宙大作戦』、『まんが宇宙大作戦』の初代エンタープライズ、24世紀を舞台とする『新スタートレック』のD型艦等があるが、いずれもその時代の最先端技術が投入された宇宙艦隊の旗艦となっている。
船体構造

船体構造は円盤形の第1船体(Primary hull, 円盤部 Saucer section)と、紡錘形の第2船体(Secondary hull, 機関部 Engineering hull)に区分できる。

第1船体内部には居住区、会議室、科学実験室、貨物室、バーラウンジなどがあり、司令室であるブリッジは第1船体の中央最上部に置かれている。船内の階層は上層階から順に第1、第2デッキと呼ばれ、第1デッキはブリッジとその隣に艦長室、会議室が設置されている。第1船体外部の船尾には反動推力を得るためのインパルスエンジン(通常エンジン)が設置されている。円盤表面にはビーム兵器を発射するフェイザーバンク、リム部分には姿勢制御スラスターが置かれている。

第2船体は内部に主要動力源であるワープコアを中心とした機関室、燃料である重水素タンク、外部にはセンサー兼スペースデブリ除去装置のデフレクター盤など、宇宙艦のワープ航法に重要な機関が詰め込まれている。ワープコア内の反物質反応で得られた莫大なプラズマは、ワープコア背面から伸びるワーププラズマコンジットというチューブを通り、超光速推進力を生み出すワープナセルへと運ばれる。なおワープコアは恒星に匹敵するパワーを持ち危険でもあるため、第1船体と第2船体は緊急時には切り離すことができる。船尾にはシャトルベイのシャッターがあり、短距離用小型艇のシャトルクラフトを搭載している。宇宙艦の武装は、船体を保護する防御シールド(Deflector shield)、ビーム兵器のフェイザー(Phaser)、弾頭兵器の光子魚雷(Photon torpedo)を搭載する。

クルーは艦内をターボリフトと呼ばれる縦横に動くエレベーターで移動する。また、惑星上陸やランデブーした他の宇宙艦へ移動する際には、母艦やシャトルクラフトで直接移動をするのではなく、転送装置というテレポーテーション技術で移動することが多い。
エンタープライズ XCV-330

基本情報[3]
艦級デクラレーション級
経歴
就航期間2123年頃
現状運航終了
要目[3]
全長300m
全幅210m
全高210m
最高速度ワープ3.2(旧ファクター/光速の32.8倍)
乗員数950(うち乗客850)
登場作品
未登場(絵や模型による言及のみ)

来歴

劇場版第1作に、歴代エンタープライズを記念した絵として登場。スペースシャトルオービタと初代エンタープライズの間に展示されている。同じ絵や模型は『スタートレック:エンタープライズ』や劇場版第12作にも登場している。他のエンタープライズとは異なり、航行する様子が描かれたことはない。
性能

核融合推進を採用した、初の恒星間宇宙船ということになっている。旅客用として後に957隻の同型船が就航し、同時代において最も成功した旅客用宇宙船となった。最大で1200光年の距離を連続飛行でき、航続期間は2年半に及ぶ[3]

以上は、1979年発行の"Star Trek Spaceflight Chronology"で与えられた設定であり、2001年放送開始の『スタートレック:エンタープライズ』で語られた内容とは矛盾しているため、注意が必要である。『スタートレック:エンタープライズ』では、2143年地球連合の宇宙艦が初めてワープ2の速度に達したことになっているが、XCV-330はその時点ですでに過去の船となっている。この場合、XCV-330の最高速度はワープ2未満だったことになる。さらに、ワープ3.2では2年半の航行で82光年しか進むことはできない点でも矛盾がある。また、950名もの人間を乗せることができるほどの船体規模は明らかに見ることはできない。
デザイン

紡錘形の主船体を円環形の推進部が取り囲んでおり、これはマット・ジェフリーズによる初代エンタープライズの没デザインを流用したものである。特徴的な円環形の推進部は、ジェフリーズの「強力で危険な推進部は他の部分から離れているはず」という考えを反映しており、この考えは初代エンタープライズのワープナセルのデザインとして結実することになる。なお、この円環形の推進部のデザインは、22世紀のバルカン艦のデザインとして流用されている。
エンタープライズ NX-01

基本情報
艦級
NX級
建造所サンフランシスコ造船所(地球
運用者地球連合宇宙艦隊
経歴
就役期間2151年-2161年
現状宇宙艦隊ミュージアムに保存展示(2401年時点)
船長[注 6]ジョナサン・アーチャー
要目
全長225m
全幅135.8m
全高33.3m
最高速度ワープ5(旧ファクター/光速の125倍)
デッキ数7
乗員数83
登場作品
スタートレック:エンタープライズ
スタートレック:ピカード

来歴

スタートレック:エンタープライズ』の主役艦。2063年のゼフラム・コクレーンによるワープ機関発明からおよそ90年、ワープ5センターが開発したワープ5エンジンによってついに光速の125倍の速度を実現し、本格的な深宇宙探査が可能となった地球連合初の宇宙艦である。惑星連邦では2151年のNX-01が進宙した日は「フロンティア・デー」と呼ばれる祝日となっている。

地球連合から惑星連邦へ移管される前の宇宙艦隊所属艦であるためU.S.S.はつかず、接頭辞をつける場合には単にstarshipと呼ぶ。また、艦級1番艦であるものの艦級は「エンタープライズ級」ではなく「NX級」となっており、2番艦コロンビアもNCC-02ではなくNX-02と、後の宇宙艦隊所属艦とは宇宙艦の命名規則が微妙に異なっている[注 7]。その他、階層の呼称も「第1デッキ、第2デッキ」と数字ではなく「Aデッキ、Bデッキ」とアルファベットとなっている。

NX-01はジョナサン・アーチャー船長の指揮の下、22世紀のアルファ宇宙域黎明期における10年の任務において、それまで対立していた地球連合、バルカンアンドリア帝国、テラライトの仲をとりまとめ、4種族による惑星連邦の設立に多大な貢献をした。これらの4種族は『宇宙大作戦』第39話「惑星オリオンの侵略」にて初登場し、惑星連邦の創立メンバーとして重要な立ち位置にいることが分かる。

スタートレック:ピカード』第26話「バウンティ」では、2401年時点のエイサン・プライム軌道上の宇宙艦隊ミュージアムにU.S.S.ディファイアント NX-74205やU.S.S.ヴォイジャー NCC-74656等とともに、第2船体が追加された改装型NX-01が展示されているのが確認できる。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:200 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef