技術者に対応する英語としては「エンジニア」が用いられる。「エンジニア」は、直訳するとエン=拡大する・実践するの接頭語、ジーニア=才能ある人・閃く人の意で、エンジニアリングに対応する語句である。エンジニアリングが工学と翻訳されることからエンジニアを「工学者」とする場合もあるが、日本語においては「技術者=エンジニア」とされることが多い[1][2]。 技術者に類似した概念に「技能者」がある[1]。技能者とは、機械の組み立てや精密加工などの、ものづくりの実作業を担当する者を指す。専門知識
技術者と技能者
技能者に対応する英語としては「テクニシャン」が用いられる。テクニシャンは、マニュアルなどにより定められた経験的な実務を行う職種で[1]、新たな問題に挑むエンジニアとは明確に異なる職種とみなされる[2]。エンジニアの指示のもと、エンジニアの補助や実務を行う人々と称されることもあり、例えばアメリカにおいてはエンジニアとテクニシャンでは給与体系も大きく異なり、エンジニアがテクニシャンの仕事をすることは通常ない[3]。
またエンジニアとテクニシャンの中間のポジションとして「テクノロジスト」という職種も存在する[1][2]。テクノロジストに対応する日本語の定訳は存在せず、日本においては技術者の一部とみなされている[1]。 企業の一部には、下記の技術者の職階を有することが多い(組織によって名称や階級は一部変わる。)。また旧内務省では、技師・主任技師(現行の技官に相当)という職階が存在していた。 一例として、所長(または工場長) 技師長(所長級技術者) 副所長(または副工場長) 主幹技師(部長級技術者) 主任技師(課長級技術者) 技師(係長級技術者)技師補 など。 組織に所属する技術者は、職場においては横断的に仕事をこなすため、明確な職名が存在しないことが多い。 ヨーロッパでは研究者の方が工学技術者より格上であるという風潮がある。これは、もともと貴族が趣味として自然科学を探求し、先導してきた歴史背景があるためと言われ、実際、応用技術より基礎研究に対する関心が強い[要出典]。逆にこのような歴史的背景が存在しないアメリカでは、社会での実践を担う技術者(エンジニア)は大きな影響力を持つため地位が非常に高く、管理職(マネージャー)よりも重視される[要出典]。指導者的な役割を果たすことが期待され、最高経営責任者(CEO)の多くが技術者出身となっている[要出典]。国内では、学会と社会が断絶構造となっているため、社会的に科学者は名誉しか存在しない。また技術者は手先の器用な低級労働者として認知されている[要出典]。 近年では学者・研究者であると同時に技術的・実働的な作業も兼ねる現場派 の学者・研究者も増加してきている[要出典]。技術者は理論的・実験的アプローチにより事前に設定された目標を達成する製品の設計・製作などを目指し、科学者は実験などから得た事象を系統的に整理し、理論体系の構築を目指す。 技術者は、産業界(主に企業)において実用的な技術を担う職務を担う一方で、研究者と言った場合、実用性以前に実現性の有無すら未知の領域を探求する職務であり、技術者とは棲み分けがなされている。技術者は主に産業界に属しているが、研究者といった場合は必ずしも属する組織が限定されない[要出典]。これは産業界で必要とされる研究と学術界で価値のある研究にも差異があるためである。さらに企業における新製品の研究開発と言う場合は、研究者というより高度な技術者が必要とされる傾向が強い[要出典]。 学者と言った場合、企業ではなく大学などの学術・教育機関に属している研究者を指すことが多い[要出典]。これは、教育サービスを提供するがどうかも学者・研究者を区別する一つの基準であることを意味する[要出典]。 公的な学術機関の場合は、学者ではなく研究者と呼称される[要出典]。私企業の場合、基礎研究に近い事業に関わっている場合のみ、研究者と呼称される(例: 日亜化学工業 勤務時の中村修二)[要出典]。
技術者と職階
技術者と科学者