エレベーター
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[35]実験棟に共同でエレベーターを開発するなどしていたが、2015年に日本から撤退。純正保守は東芝より昇降機部門を全面移管した東芝エレベータが引き続き請け負っている。

2022年現在、日本国内での総据付台数ベースでのシェアは以下のとおり。

1位 三菱電機

2位 日立ビルシステム

3位 東芝エレベータ

4位 フジテック

5位 日本オーチス・エレベータ

以上の5社でシェア約9割を占め、以降をシンドラーエレベータ、中央エレベータ工業等がその他を占める。

以前、フジテックは2007年の時点では大手5社の中で最下位であったが、近年エクシオール(同社製現行主力製品。エアコンを標準で搭載している。)を大規模に展開するなど日本全国でシェアを急拡大し、国内4位に躍り出た。

小荷物専用昇降機は上記の5社も生産しているが、これに限ればクマリフトがシェア1位となっている。なお、三菱電機の小荷物専用昇降機は子会社の菱電エレベータ施設(自社ではRYODENブランドの「リョーデンリフト」として販売。日本オーチス・エレベータにも供給)のOEMである。フジテックは精電社のOEMで小荷物専用昇降機のみの設置は認めていない(同社製エレベーター・エスカレーターと同時設置でなければ販売しない)。

メーカーの選定に際しては、建物所有者の資本系列や融資金融機関の系列が絡むことが多い。例えば、丸の内ビルディング横浜ランドマークタワーなど三菱地所が所有する建物では、必然的に三菱製が採用されることになる(ただし、横浜ランドマークタワーのプラザ棟のように、メーカー名が伏せられているがパネル形状から明らかに日立製とわかるなど例外がある)他、三井不動産系のビル、ららぽーと等ではフジテック製エレベーターが多く採用されている。[36][37][38]また、ラゾーナ川崎のように、東芝の土地に出来た建物も東芝エレベータが使われている。さらに特殊な事例として、茨城県内では日立製作所が創業した日立市があることから比較的県内(茨城県庁、日立市庁舎、コートホテル水戸、クラウンホテル勝田2号店等)では日立製のエレベーターが採用されることが多くなっている。

逆に大手スーパーマーケットチェーン、一般工場、財閥系を除く不動産業者による賃貸マンションや分譲マンションなどは建物によってさまざまであり、これは設計事務所が設備設計を行う際に、参考としてメーカーが設計図面上で選定されていることが多いものの、エレベーターの確認申請は建築設計図面とは別に提出され、メーカーを変更しても特に問題はないためであり、施工段階で、元請業者による見積もりが取られた際に、元請業者によって安価なメーカーが選ばれる事が多いためである。一部マンションなどでは、保守点検の効率化・コスト削減などの観点からデベロッパーの管理会社によってメーカーが指定されることもしばしばだ。

メーカーの業種は大抵「機械」だが、三菱電機ビルソリューションズと日立ビルシステムだけは「建設業」となっている。この2社はそもそも建築物管理業であることに因む。
メンテナンス(保守)

メンテナンスはメーカー自身、もしくは系列のメンテナンス会社が行うケースがほとんどである。一方、メーカー系列に属さない独立系メンテナンス会社もある。比較的割高なメーカー系のメンテナンスに対して、近年は安価な料金を掲げる独立系メンテナンス会社への切り替えも見られる。1980年代に独立系メンテナンス会社に対するメーカーの部品売り渋りが問題となり、独立系メンテナンス会社がメーカーを相手取って裁判を起こし、10年がかりで勝訴した。しかし、メーカーと独立系メンテナンス会社との関係が険悪なのは現在も変わらず、2009年に国土交通省が行った実態調査でこれが浮き彫りになった[39]。独立系メンテナンス会社は業界団体の日本エレベーター協会からも事実上排除されており、加盟している会社はほとんどない。東芝エレベータは独立系メンテナンス会社に対する部品供給について価格・納期などで厳しい条件になると公言していた[40](現在は独立系に言及した記述は削除されている)。また、商品の性質上個人顧客がメインの三菱日立ホームエレベーターやパナソニック ホームエレベーターでは、独立系メンテナンス会社にメンテナンスを依頼しないように案内している[41][42]

また、フジテックは基本的に自社メンテナンスを推奨しており、独立系メンテナンスになる場合には新設設置は基本的に行わない。ただし、既存のフジテック製エレベーターを独立系メンテナンスに変更することは可能である。

その一方で、後述の通り東芝エレベータが独立系のエス・イー・シーエレベーターと業務提携するなど、従来の保守で収益をあげるビジネスモデルに陰りも出てきており、メーカーと独立系の関係にも変化が見られるようになった。
日本での保守契約形態

POG(パーツ・オイル・グリース)
その名の通り、電球類などの消耗部品(パーツ)・潤滑油(オイル・グリース)の取り替え及び補給のみを保証範囲とする保守契約。主要部品の取り替えは、個別に有償にて取り替えを発注することになる。

FM(フルメンテナンス)
前述のPOG契約に加えて、意匠部品以外の主要部品も保証範囲としている保守契約。POG契約では個別の有償対応となる主要部品の取り替えを、保守会社側の立案する保全計画に基づいて定期的に実施することにより、各機器の状態の悪化を抑えられるというメリットがある。
日本でのメンテナンス形態

メーカー直轄

エス・イー・シーエレベーター - 他社製エレベーターの保守点検・修理も行っている(後述)。また、2023年1月26日より、東芝エレベータと業務提携契約を締結。同社製エレベーターの純正保守も行う。[43]

エレベータシステムズ - 他社製エレベーターの保守点検・修理も行っている。

東芝エレベータ - SEC製のエレベーターの保守点検・修理も行っている(先述)。


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