エレベーター
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特大貨物用では上下方向に動くドアが採用されている場合があるが、このドアは乗降中に戸が頭部に衝突したり戸が下方から出てきて危険であるので、荷物用・自動車用以外には使用できない[15]
操作盤

操作盤はエレベーターの操作に使われる。一般的に階数ボタンと戸扱いボタンがあり、乗客は行先指定や扉の開閉を行う。操作盤の上部にはインジケーターがあることがほとんどである。

ほとんどの機種では非常連絡装置が取り付けられている。地震や火災・故障により閉じ込められた時などに使用し、メンテナンス会社や建物の管理人と連絡をとることができる。メンテナンス会社と契約を結んでいない場合には、建物の基準階で警報音が鳴るだけである。

障害などで通常の操作盤を扱うことが難しい人のために、低い位置に操作盤が設置されていることもある。これらは一般的に車椅子操作盤と呼ばれ、扱われた際に扉の開放時間が長くなる・扉の開閉速度が遅くなるように設定されている。
インジケーター液晶画面によるインジケーター(日立製)

かごがどの階にあるか、またかごが上下どちらに動いているかを表示する装置。インジケーターは基本カゴ内と各階の乗り場に設置される。ただし、近年設置されたエレベーターの場合は、複数台のエレベーターを一括管理する群管理システムを採用し、全ての階での待ち時間が最短となるように最適な運用をするため、人が待っている階を通過する・その階の手前で折り返すなどのことがあり、そのことを利用者に知られないようにするため、乗り場のインジケーターを備えず、到着を予告するホールランタンのみを備える場合が多い。

インジケーターの表示方式は、次のように分類できる。

機械式針が動く、円盤が回る等の方式がある。近年でも景観などの理由で設置されることがあるが、デジタル制御化されている。


行灯式

階を表す数字などの形に光るもの

光る形が階を表す数字等の形でないもの



セグメント式主に1990年ごろの機種に採用されたが、コストカットのために近年でも標準仕様とする例がある。

7セグメントB(地下)・R(屋上)を8・Aと同じ表示字形で表示することになる()ため、地下や屋上を持たないエレベーターで採用されることが多い。

16セグメント数字だけでなくB、R、M(中間階)等のアルファベットを表示する必要がある場合には、前述の理由により、7セグメントよりも16セグメントの方が適している。

カスタムしたもの16セグメントで視認性が悪いBやGをよりわかりやすく表示できるよう、セグメントが追加されている。



マトリクス式基本的に方向・階数ともに5×7のマトリクスを使用して数字を表す。解像度の違うマトリクスを使用する機種もある。方向と階数のセグメント欄を統合し、一つの大きい表示領域とした機種もある。文字のセンタリングが可能などの利点がある。


LCD式矢印にアニメーションを付加して分かりやすくできる、他情報も表示することが可能、複数言語に対応できる、などの利点が存在する。

安全装置

戸閉時にドアへの挟まれを防止する安全装置

かごドアの端部には挟まれによる事故を防ぐため、セーフティシューと呼ばれる大きな棒状の安全スイッチが取り付けられている。物理的に押されることによって反応する。

近年のエレベーターでは、赤外線センサーなどを設置しているものがある。センサーが遮られることでドアへの接触の前に反転する。これにより台車や扉を破損する可能性が大幅に低下した。多数のセンサーを異なる方向に設置してさらに検出精度を向上させたものは、マルチビームドアセンサーと呼ばれることが多い。

これらの安全装置が非搭載であるまたは故障しており、危険に人や物を挟み込んでしまうおそれのあるものは、俗にギロチンドアと呼ばれる。

戸開時にドアへの挟まれを防止する安全装置

近年のエレベーターではカゴ側のドアの内側にもセンサーが設置されている。このセンサーは戸開時に照査し、検知するとドアの開閉を一時停止または減速させ、「ドアから離れてください」というアナウンスをする。

地震の際に作動する装置

地震時管制運転装置地震時管制運転装置は所定以上の揺れを感知した際にかごを最寄階に停止させる装置である。日本では耐震設計施工指針に定められている。

地震感知器エレベーターの
地震感知器には、検出する地震波の種類によって大別して3種類がある。初期微動(P波 : 高速で伝わる縦波)を検知し、あるいは主要動(S波 : P波に続いて到達する横波)のレベルが低いうちに検知して最寄階に停止後、震度4以上(以降震度は目安)の大きな揺れがなければ一定時間後に自動復旧するもの。震度4以上の揺れを検知して、最寄階に停止し運転を休止するもの。この場合保守会社の作業員が機器の安全を確認後地震感知器を復旧する。更に大きな揺れ(震度5クラス)を検知した場合でなおかつ最寄りの階まで数階離れている場合(急行ゾーン)は、途中で急停止させる。保守会社またはビルの技術者の指示により釣り合いおもりと反対方向の最寄階まで極低速で運転する。

ただし、いずれも地震の揺れにより機器が損傷し地震感知器とは別の安全装置が働いた場合は、閉じ込められることもある。原因は、乗場側の戸閉検出装置がかごの接触により誤動作する場合が大半である。この場合には途中で急停止するので、かご内に閉じ込められることになる。一度この状態になると、エレベーターの保守会社が現地に出向かないと復旧することができないので、主に保守会社か消防レスキュー隊による救出に数時間から丸一日以上を要することもあり、地震が発生する度に大きな問題になっている。



安全設備

故障の際の救出を迅速に行うための設備

一部のエレベーターは避難用の救出口をもっている。これは中から脱出するためではないので、外から施錠されていることが多い。郡管理されているエレベーターで1つだけ故障した場合などに、隣のカゴを動かして救出にあたる際に使われる。

防犯性を高める設備

エレベータの防犯装置として、防犯カメラ、警報装置、各階強制停止装置、利用者・利用階検知システムなどがある[14]

防犯のため、エレベーターのかご内の状況が外部から見えるよう、ドア(通称 : 防犯窓)を装着し、あるいはかご内に監視カメラが設置され、内部の映像を乗り場のところに設置したモニターに映し出しているエレベーターもある。この形式のエレベーターの場合、外部からかご内の様子が見えることで犯罪いたずらを未然に防ぎ、安心してエレベーターを利用できるといった長所がある。

窓付きドアのエレベーターは、主にマンション団地などの集合住宅鉄道駅、一部の商業施設などで見かける。防犯カメラのついたものは、集合住宅や一部のオフィスビルで見受けられる。

また、深夜になると各階へ昇降する際、途中階全てに停止するエレベーターもある。たとえば1階から5階へ向かう際、2階・3階・4階で停止しドアを開ける手順を経過することになるので防犯の効果は高くなる。その反面、昇降に時間がかかり効率を悪化させるという欠点がある。
バリアフリー構造


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