エレベーター
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なお、2011年7月26日には東京メトロ有楽町線副都心線平和台駅でエレベーターのワイヤー3本が全て切れて非常止め装置が作動するまで数m落下する事故があり、乗っていた50歳代の女性が尻や肘に2週間の打撲傷を負うという事故が発生している[13]1945年7月28日エンパイア・ステート・ビルディングに航空機が激突したことによってエレベーターのかごが非常止め装置も効かないままエレベーターシャフトの底まで300メートル以上落下する事故が起こったことがあるが、乗っていた従業員は奇跡的に生存していた。

以前は「非常止め装置が調速機ロープを切断されるなどして作動しなくても、エレベーターはエレベーターシャフト周壁との間隙が小さいことにより、かごにかかる空気抵抗が大きいため、ある程度の減速効果を有する」と言われていた[要出典]が、東芝エレベーターテスト塔での落下事故で、減速効果はほとんどないと証明された。このような効果を得るには、シャフト内の空気量が不変でなければならない。
安全装置調速機
非常止め装置

非常止め装置はかご枠の下部にあって調速機の動作に応じて制動子がかごの降下を止める装置である[14]
調速機

調速機(把持)把持のための調速機はかごや釣り合いおもりの異常速度を検知してロープをロープキャッチで把持する装置で機械室に設けられる
[14]ガバナーとも呼ばれ、万一、主ロープが切断された場合でもかごを緊急停止させる機能をもつ。調速機は、かごとロープ(主ロープとは別)を伝って連動しており、かごが動くと調速機のプーリーが従動して回転する。調速機ロープの終端部はかご側に位置し、その終端部に鋭いクサビ型の金属片が装着してある。万一、主ロープの切断などによってある速度(建築基準法の規定では定格速度の1.4倍)でかごが落下すると、調速機が遠心力によって機能し調速機ロープをロックさせる。ロープがロックされるとクサビ型の金属片はかごとレールの隙間に挟まり込み、かごを停止させる仕組みになっている。


調速機(過速)機械室には過速時にかごの異常速度を検知してスイッチを開路する調速機がある[14]
緩衝器
緩衝器

緩衝器は昇降路最下部にあってかごや釣り合いおもりが昇降路の底部にまで進行してしまった場合に衝撃を和らげる装置である[14]。サスペンションともいう。ばね油圧ダンパー等が付いており、非常止め装置を使用しても減速しきれない場合の衝撃をやわらげる仕組みになっている。エレベーターの速度が分速60 m以下か油圧式エレベーターのものはばね緩衝器、分速60 m以上のものは油圧ダンパーを使用している。



かご

人が乗るための箱状の構造物を、エレベーターではカゴ(籠)と呼ぶ。これに人または荷物を乗せ上下させる。

天井には照明が装備され明るさが確保されるほか、換気扇、扇風機が装備され通気性が確保されている。エアコンが付いているものもある。



ドア

ドアには各階の乗場側の乗場戸とかご側のかご戸がある。古いものでは手動式もあり、国によってはかご戸のないものも少なくない。防犯のために窓が設置されていることがある。

乗場戸乗場戸上部に設置される安全装置にドアインターロック装置があり、乗場戸が完全に閉まらない限り運転されないようになっている。

かご戸かご戸上部に設置される安全装置にゲートスイッチがあり、かご戸が完全に閉まらない限り運転されないようになっている。

縦開き式など特殊なエレベーターを除き、かご側のドアだけに駆動装置がある。停止階に到着したエレベーターは、かごドア側の解錠装置と乗場ドアのインターロックがかみ合い、乗場のドアはかごドアの力によりインターロックによる施錠が解放され、開閉する。

外観としては横方向に動くサイドスライドドアが主流となっている。サイドスライドドアにはサイドオープン式(片開き)とセンターオープン式(真中開き)がある。特大貨物用では上下方向に動くドアが採用されている場合があるが、このドアは乗降中に戸が頭部に衝突したり戸が下方から出てきて危険であるので、荷物用・自動車用以外には使用できない[15]
操作盤

操作盤はエレベーターの操作に使われる。一般的に階数ボタンと戸扱いボタンがあり、乗客は行先指定や扉の開閉を行う。操作盤の上部にはインジケーターがあることがほとんどである。

ほとんどの機種では非常連絡装置が取り付けられている。地震や火災・故障により閉じ込められた時などに使用し、メンテナンス会社や建物の管理人と連絡をとることができる。メンテナンス会社と契約を結んでいない場合には、建物の基準階で警報音が鳴るだけである。

障害などで通常の操作盤を扱うことが難しい人のために、低い位置に操作盤が設置されていることもある。これらは一般的に車椅子操作盤と呼ばれ、扱われた際に扉の開放時間が長くなる・扉の開閉速度が遅くなるように設定されている。
インジケーター液晶画面によるインジケーター(日立製)

かごがどの階にあるか、またかごが上下どちらに動いているかを表示する装置。インジケーターは基本カゴ内と各階の乗り場に設置される。ただし、近年設置されたエレベーターの場合は、複数台のエレベーターを一括管理する群管理システムを採用し、全ての階での待ち時間が最短となるように最適な運用をするため、人が待っている階を通過する・その階の手前で折り返すなどのことがあり、そのことを利用者に知られないようにするため、乗り場のインジケーターを備えず、到着を予告するホールランタンのみを備える場合が多い。

インジケーターの表示方式は、次のように分類できる。

機械式針が動く、円盤が回る等の方式がある。近年でも景観などの理由で設置されることがあるが、デジタル制御化されている。


行灯式

階を表す数字などの形に光るもの

光る形が階を表す数字等の形でないもの



セグメント式主に1990年ごろの機種に採用されたが、コストカットのために近年でも標準仕様とする例がある。

7セグメントB(地下)・R(屋上)を8・Aと同じ表示字形で表示することになる()ため、地下や屋上を持たないエレベーターで採用されることが多い。

16セグメント数字だけでなくB、R、M(中間階)等のアルファベットを表示する必要がある場合には、前述の理由により、7セグメントよりも16セグメントの方が適している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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