エレクトリックベース
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通常弦は全て巻弦ラウンドワウンドフラットワウンドがあり演奏するジャンルによって選択される。音高ギターでいう3-6弦の1オクターブ下が1-4弦に相当する[12]音域が低いため、楽譜上はヘ音記号で記譜する。5弦の場合、主にローB(Low-B)がE弦から4度低い音程として設定される(ハイC(High-C)の場合はG弦より4度高い音程となる)。ライブでは4弦ベースの演奏性と音色を損なわず(5弦ベースはネックの質量が増える為に4弦よりも倍音が減る)にローBの音域を得る為、G弦を張らず4弦ベースに下からB、E、A、Dの各弦を用いて調弦したものも見られる。これは男声ボーカルモノを女声用アレンジに変更する場合(逆もある)やポール・チェンバースなどコントラバス奏者とその時代においても(調弦や録音のミス等もあるが)ハード・バップ等のモダンジャズでいわゆるローDに相当する音が使われる事もあったため、それらにも対応する演奏性を考慮した工夫と言える。他にはE弦のペグをワンタッチでD音に落とすベース用Dチューナー(いわゆるヒップショット、変則チューニングとなり慣れが必要)やフィリップ・クビキ・ファクターベースのようにE弦ヘッド部にストリングクラスプ「D」ストリングチューニングメカニズムを用いてテンションや押し弦のポジションを変えることなくローDを得られる仕組みを持った物もあった。ジミ・ヘンドリックスなどロック系で多く見られた半音下げ(4弦の場合、全てを♭E♭A♭D♭Gとする)ものもある。標準的な4弦ベースのチューニング。もっとも低い4弦(一番下)の最低音はE1
コントラバスとの比較

エレキベースは、音域や演奏上のパートから見ればコントラバスの電気信号型と見なすこともできるが、その用途、構造、形状、発音方式、増幅方式などは概ねエレキギターに準じており、実態は低音域を演奏することに特化したエレキギターとも言える。

エレキベースとコントラバスの主な違いは以下の通り:

コントラバスエレキベース備考
サイズ
・等身大ほどの大きさ
・通常のギターとほぼ同等 [1]両者は弦長(スケール)が異なる為に、指板を押さえるポイントが異なる。またテンションが違う為に演奏性や音質が異なる。
演奏形態・楽器脇に立って弾く
・専用の椅子に座って弾く・立って肩から吊るして弾く
・着席し膝の上に乗せて弾く
奏法・ボウイング
ピッツィカート
スラッピング
グリッサンド
タッピングピッキング
スラッピング
タッピング
グリッサンド独特の音響効果を得るためにエレキギターでボウイングをすることは稀にあるが、エレキベースでボウイングをすることはまずない。
フレット・ない・ある [2]フェンダー社最古のエレキベース商標は「プレシジョン・ベース」である。「プレシジョン」とは英語で「正確」という意味で、フレットを付けたことにより誰でも容易に正確な音程を出せるようになったことを表した命名である。コントラバスにはフレットがないので、ある程度の修練を積んだ者でなければ正確な音程で弾くことは難しい。
1. ^ アコースティックギターのような厚みがなく、ネックの部分はやや長め(詳細は「クラシックギターとエレキギター」の項を参照)。
2. ^ ただしフレットのついていない特殊なエレキベースも存在する(詳細は「フレットレス ベース」の項を参照)。
エレキベースの種類4弦ベース Hofner500/1 "violin bass"

エレキベースの主な種類をカテゴリごとに記載する。
ボディの特徴による分類[13]

ソリッド・タイプ(ボディに空洞がない)

ホロウ・タイプ(ボディに空洞がある)

セミホロウ・タイプ(センターブロックと呼ばれるものでボディ内が二分されており、両サイドに空洞がある)

弦の本数による分類

前述したようにエレキベースは4弦が基本だが、5本以上の弦を持った多弦ベースや、3弦以下の少弦ベースなどが存在する。5弦ベースや6弦ベースは比較的頻繁に使用されるが、7弦以上のベースや少弦ベースになるとプレイヤー数も多くないため、チューニングの音がプレイヤーによってバラバラで確立された音はない。下に示すものは一つの例である。
多弦ベース

5弦ベース(チューニングは低音弦からLow-B、E、A、D、G)(E、A、D、G、High-Cのものも存在する)

6弦ベース(チューニングは低音弦からLow-B、E、A、D、G、High-C)

7弦ベース(チューニングは低音弦からLow-B、E、A、D、G、High-C、High-Fなど)

8弦ベース(チューニングは低音弦からE、A、D、Gでそれぞれに1オクターブ高い複弦が1つ張られている)

12弦ベース(チューニングは低音弦からE、A、D、Gでそれぞれに1オクターブ高い複弦が2つ張られている)

このように、ギターより多い弦のベースも多数ある。
少弦ベース
フレットの有無による分類[14]

フレテッド・ベース(指板フレットが打ち付けられている)

フレットレス・ベース(指板にフレットが打ち付けられていない)

ピックアップによる分類[15]

プレシジョンベース・タイプ(スプリットコイル・ピックアップが1つ)

ジャズベース・タイプ(シングルコイル・ピックアップが2つ)

ハムバッカー・タイプ(ハムバッカー・ピックアップが1つもしくは2つ)

PJタイプ(スプリットコイル・ピックアップが1つ、シングルコイル・ピックアップが1つ)

プレシジョンベースジャズベースというのは本来フェンダー社のブランド名であったが、同じ特徴のベースが様々な会社で制作されたため、一般名称化してきている。
プリアンプの有無による分類[15]

パッシブベース(プリアンプが内蔵されていない)

アクティブベース(プリアンプが内蔵されている)

脚注[脚注の使い方]
注釈^ ジェームス・ブラウンのJBズのあと、Pファンクに移ったファンク・ベーシスト。
^ アレサ・フランクリンらの録音に参加した南部のベーシスト。
^ ジミー・ジェイムズ&ヴァガボンズ出身のフィル・チェンは「ホット・レッグズ」でもベースをひいている。また彼はボブ・マーレー、レイ・チャールズ、ピート・タウンゼントなど、多くの音楽家と共演している。
^ ウィルトン・フェルダー、スティックス・フーパーらがメンバー。

出典^エレキベースとはどういう楽器? - ベースの初心者
^ <Cap, Ariane (2018). Music Theory for the Bass Player: A Comprehensive and Hands-on Guide to Playing with More Confidence and Freedom. CapCat Music Media. p. 10. ISBN 978-0-9967276-3-1. Retrieved May 12, 2020.
^ ベース弦はなぜ高い?メーカーさんに直接聞いてみた - RAG MUSIC 楽器入門 楽器をもっと楽しむWebマガジン
^ “フェンダーベースの特徴と種類別おすすめベース5選+弦・アンプ”. ピカップ. 2018年9月21日閲覧。


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