遺作となった『黄金の銃をもつ男』(1965年刊)は、1963年11月[20] のボンドの帰還から始まるが、ブロフェルドについてはMが僅かに言及しているだけで生死の別も明らかにしていない[21]。
この設定は後継作家にも受け継がれ、ジョン・ピアースン(英語版)の『ジェイムズ・ボンド伝』(英語版)(1973年刊)で、ボンドは「タイガー田中の部下はブロフェルドらしき人骨を確認した」と語っている[22]。ジョン・ガードナーの第2作『スペクターの逆襲』(英語版)(1982年刊)では、CIAからブロフェルドの名でスペクターが復活したことを知らされたボンドは「ブロフェルドは死んだ」と呟く[23]。 ブロフェルドは007シリーズの映画7作とシリーズ外の1作でその姿を見せている
映画
『ドクター・ノオ』、『ロシアより愛をこめて』など、小説でソヴィエト連邦の秘密機関スメルシが背後にいた陰謀が映画ではスペクターが黒幕となっている作品が多い。「ナンバー1」と呼ばれるブロフェルドを含め、スペクターの幹部たちはナンバーで呼ばれており、失策を犯した者に対しブロフェルドは直接手を加えずに容赦なく死の罰を与える。また、自分そっくりの容姿をした替え玉(ペルシャ猫とセット)を複数用意しており、ボンドらを苦しめた。『女王陛下の007』のラストでボンドの妻となったトレーシーを殺すが、次の『ダイアモンドは永遠に』ではついに最期を迎える。
製作側としては本来、ブロフェルドを今後も登場させるつもりであったが、ケヴィン・マクローリーとの権利問題(後述)でブロフェルドをこの作品の後、長期にわたって登場させることができなくなってしまった。よって、『ダイヤモンドは永遠に』ではっきりとは死が描写されておらず、『ユア・アイズ・オンリー』では人物がブロフェルドだとは明言されていないので、ブロフェルドが死んだという確証はない。
登場作品と担当俳優一覧
作品公開年演じた俳優監督[24]ボンド俳優[24]備考
『007 ロシアより愛をこめて』1963年アンソニー・ドーソン
(声:エリック・ポールマン)テレンス・ヤングショーン・コネリー[25]
『007 サンダーボール作戦』1965年[25]
『007は二度死ぬ』1967年ドナルド・プレザンスルイス・ギルバート[25]
『女王陛下の007』1969年テリー・サバラスピーター・ハントジョージ・レーゼンビー[25]
『007 ダイヤモンドは永遠に』1971年チャールズ・グレイガイ・ハミルトンショーン・コネリー[25]
『007 ユア・アイズ・オンリー』1981年ジョン・ホリス
(声:ロバート・リエッティ)ジョン・グレンロジャー・ムーア